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こんにちは。観葉スタイル、運営者の「まさび」です。
ウンベラータの剪定で出た枝、そのまま捨ててしまうのはちょっと待ってください。実はその枝で、ウンベラータは簡単に増やせるんですよね。特に「挿し木」の中でも「水差し」は、コップひとつで始められる手軽さが魅力です。
でも、いざ挑戦しようと思うと、「最適な時期はいつ?」「水差しと土挿しって、どっちがいいの?」「挑戦したけど根が出ない」「挿し穂が腐る」「白い樹液ってどうすれば?」「カルスっていう白いモヤモヤは?」など、たくさんの疑問が出てくるかなと思います。
発根した後の「土上げ」のタイミングや、その後の管理で失敗しないかも心配ですよね。この記事では、私が実践しているウンベラータの挿し木、特に水差しでの増やし方について、準備から土上げ後の管理まで、失敗しやすいポイントを押さえながら詳しく解説していきますね。
ポイント
- 水差し成功の鍵「最適な時期」と「衛生管理」
- 発根率が変わる「挿し穂」の作り方と樹液の処理
- 水差し中に「腐る」「根が出ない」を防ぐ管理法
- 最大の難関「土上げ」のタイミングと移行後のケア
コンテンツ
ウンベラータの挿し木、水差しの準備と手順

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ウンベラータの水差しを成功させるには、実は「始める前の準備」が9割だと思っています。どの時期に、どんな枝を選んで、どうカットするか。ここをしっかり押さえるだけで、発根率がグッと上がりますよ。まずは基本の手順を見ていきましょう。
「とりあえず切って水に挿しておけばいいや」と始めてしまうと、高確率で「腐る」か「根が出ない」という結果になりがちです。私も最初はそうでした。でも、植物の「気持ち」になって、なぜその準備が必要なのかを理解すると、失敗は劇的に減らせます。少しの手間を惜しまないことが、新しい株を迎える一番の近道ですね。
最適な時期は5月から7月

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なによりもまず大事なのが「時期」ですね。ウンベラータの挿し木に最適なのは、「5月〜7月」の生育期です。これはもう、絶対と言っていいほど重要なポイントです。
植物が一番活発に成長する時期なので、カットした枝から根っこを出そうとするパワーが強いんです。それに、枝を切られた親株の方も、すぐに回復してくれるので安心です。人間でいえば、体力万全で元気いっぱいの時に軽い手術を受けるようなものですね。回復力が違います。
逆に、11月以降の秋から冬(休眠期)は絶対に避けてください。気温が低いとまず発根しませんし、何より弱っている親株から枝を切ることは、親株自体を枯らしてしまうリスクもあります。これは、風邪で寝込んでいる時に無理やり運動させるようなもので、親株にも挿し穂にも負担が大きすぎます。
目安は「気温が安定して20℃を超える」時期
カレンダーの日付よりも、実際の気温が大事です。植物が「あ、暖かくなってきたな」と感じる20℃以上が続くようになってからスタートするのが成功の秘訣かなと思います。
特にウンベラータの発根適温は20℃~25℃と言われています。日本の多くの地域では、梅雨入り前後の「ジメッとして暖かい」あの時期が、まさにベストシーズンですね。湿度が高いのも、挿し穂の乾燥を防ぐという意味でプラスに働きます。
剪定(せんてい)自体もこの生育期に行うのがベストなので、株の形を整える剪定と、挿し木用の枝取りを同時に計画すると非常にスムーズです。切った枝をそのまま再利用できるので、一石二鳥ですよね。
寒冷地(札幌など)でのタイミング
ちなみに、私が住んでいる札幌のような寒冷地では、カレンダー通りの「5月」はまだ肌寒い日が多いです。5月上旬だと、夜間はまだ10℃を下回ることもあります。これでは発根には温度不足です。
なので、寒冷地にお住まいの方は、「最低気温が安定して15℃以上、できれば20℃近く」になるのを待つのが賢明です。私の感覚だと、札幌では6月中旬から7月いっぱいが、屋外の気温に頼るなら最も確実な時期かなと思います。
もちろん、エアコンなどで24時間室温を20℃以上に保てる環境があるなら、5月でもスタートできますよ。
水差しと土挿し、初心者はどっち?

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挿し木には、水で発根させる「水差し」と、いきなり土に挿す「土挿し」があります。これ、結構悩みますよね。どちらも立派な挿し木の方法で、それぞれに良い点と注意点があります。
私は、根っこが育っていく様子を毎日観察するのが楽しいので、「水差し」派です。透明なコップで、白い根が少しずつ伸びてくるのを見ると「生きてるなぁ」と実感できて愛着が湧きますよ。発根したかどうかが一目瞭然なので、「土上げ」という次のステップに進むタイミングが分かりやすいのも、初心者の方には大きなメリットかなと思います。
ただ、水差しは毎日の水交換が必須で、それを怠るとすぐ水が腐って失敗します。これが最大のデメリットであり、一番のハードルかもしれません。また、後述しますが、発根後に土へ植え替える(土上げ)際に、環境の激変による「ショック」が起こりやすいという難関も待っています。
一方の「土挿し」は、清潔な挿し木用の土(赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトなど)に直接挿す方法です。最大のメリットは、手順がシンプルで、発根後の「土上げ」というステップが不要なこと。最初から土の環境で発根させるため、環境変化のショックが一度で済みます。
しかし、土挿しのデメリットは、土の中で何が起こっているか全く見えないことです。発根したのか、それとも腐ってしまったのか…。水やりの管理も「乾かさず、過湿にせず」という絶妙なバランスが求められるため、かえって難しく感じる方もいるかもしれません。
どちらも一長一短なので、ご自身の管理スタイルに合わせて選ぶのが良いかなと思います。
水差し vs 土挿し 比較(私見です)
| 比較項目 | 水差し | 土挿し |
|---|---|---|
| メリット | ・根の成長が目に見える ・毎日の変化が楽しい ・土上げのタイミングが明確 ・不意に折れた枝でも試しやすい | ・手順がシンプル ・「土上げ」の手間がない ・土上げ時のショックがない ・管理の手間(水交換)は少ない |
| デメリット | ・毎日の水交換が必須 ・水が腐りやすく、挿し穂も腐るリスク大 ・土上げ時の環境変化によるショックがある | ・発根したか確認できない ・土の湿度管理がやや難しい ・土の中で腐っていることに気づきにくい |
| おすすめな人 | ・植物の成長を観察したい人 ・こまめな管理が苦でない人 ・「腐敗」より「発根」のタイミングを重視したい人 | ・手間を最小限にしたい人 ・植え替えの失敗を減らしたい人 ・土の管理に慣れている人 |
どちらの方法を選ぶにしても、この記事で解説する「時期の選定」「挿し穂の作り方」「葉の処理」「樹液の処理」といった基本原則は共通して重要になりますよ。
発根率を上げる挿し穂の作り方
ここが技術的に一番大事なところかもしれません。どんな枝を選ぶか、どう切るかで、その後の発根率が大きく変わってきます。
挿し穂の選定:元気な枝を選ぶ
まず、どんな枝を選ぶか。当然ですが、親株の中でも健康的で、しっかりとした枝を選んでください。その年に新しく伸びた、緑色が鮮やかでハリのある枝がベストです。古くて木質化(茶色く硬くなった)した枝は、発根する力が弱まっているので避けたほうが無難です。
長さは、一般的に15cm〜20cmくらいあると、挿し穂自体に体力が蓄えられているので扱いやすいかなと思います。だいたい葉が2〜3枚ついている部分をイメージしてください。
もちろん、7cm程度の短い枝(「中間挿し」といいます)でも発根は可能ですが、新芽が出る「節(ふし)」の部分を必ず含める必要があり、初心者の方には少し難易度が上がるかもしれません。まずは先端部の元気な枝(「天挿し」といいます)で試すのがおすすめです。
道具の準備:衛生管理こそが命
カットする前に、道具の準備です。必ず切れ味の良い、清潔な剪定バサミを用意してください。
切れ味の悪いハサミはNG!
切れ味の悪いハサミや、工作用の文房具ハサミで無理やり切ると、植物の細胞(水を吸い上げる道管)を潰してしまいます。これでは、どんなに頑張っても水を吸い上げることができず、発根以前に枯れてしまいます。
細菌の侵入を防ぐ「消毒」
もう一つ大事なのが「消毒」です。挿し穂の切り口は、人間でいう「大きな傷口」と同じ。そこから細菌が入ると、一気に腐敗が始まります。使用するハサミは、必ず使用前にアルコール(消毒用エタノールなど)で拭くか、ライターの火で軽く炙って殺菌してください。この一手間が、腐敗のリスクを劇的に下げてくれます。
カット方法:「斜め切り」で吸水面を稼ぐ
いよいよカットです。挿し穂の水に浸かる側(下側)の切り口は、必ず「斜め」にカットしてください。これは、水を吸い上げる断面の面積を、物理的に広くするための、昔からある園芸の知恵です。
切り口がまっすぐ(垂直)だと、吸水面は枝の太さの円の面積しかありません。でも、斜めに切れば、その面積は何倍にも広がりますよね。根がない挿し穂にとって、このわずかな吸水面積の違いが、生き残れるかどうかを左右します。
カットする場所は、葉っぱが出ている付け根の「節」の少し下あたりが、発根しやすいと言われています。ハサミを入れたら、迷わずスパッと一回で切ってくださいね。
葉の処理で蒸散を防ぐ
これは挿し木成功のための、最も重要な「外科手術」かもしれません。この処理をしないと、成功率はほぼゼロになると言っても過言ではありません。
考えてみてください。カットしたての挿し穂には、まだ「根」がありません。つまり、水を吸い上げる力がほぼゼロなんです。それなのに、ウンベラータのような大きな葉っぱがたくさん付いていると、葉の表面からどんどん水分が蒸発(これを「蒸散」といいます)していきます。
「吸水(ほぼゼロ)< 蒸散(大量)」という絶望的なアンバランス状態です。これでは挿し穂は発根するためのエネルギーを生み出す前に、自分自身の水分を失って干からびてしまいますよね。
そこで、このアンバランスを「吸水(ほぼゼロ)≒ 蒸散(最小限)」に無理やり調整するために、葉の数を減らし、面積を小さくします。
葉の処理ステップ(最重要)
- まず、先端の葉を2枚程度残して、それ以外の葉(特に下の方の葉)はすべて付け根からカットします。どの葉を残すか迷ったら、一番新しくて元気そうな葉を選びましょう。
- 次に、その残した2枚の葉も、さらに横半分にハサミでカットします。葉脈(葉の中央の筋)を軸にして半分に折り、縁側から切ると綺麗に切れます。
「え、こんなに切っちゃって大丈夫?」「かわいそう…」と思うかもしれませんが、これは植物を助けるための、とても大事な作業なんです。水分が逃げる面積を極限まで減らし、挿し穂に残されたわずかな養分と水分を、すべて「発根」という一点に集中させるための、合理的な判断なんですね。
ウンベラータの葉は特に大きいので、残す葉が1枚だけの場合は、その1枚を1/3くらいのサイズにカットしても良いくらいです。とにかく「蒸散させない」ことを最優先に考えてください。
注意!白い樹液の処理方法
ウンベラータはクワ科フィカス属、つまりゴムの木の仲間です。そのため、枝や葉を切ると、切り口から白いネバネバした液体が豊富に出てきます。これは「ラテックス」という樹液ですね。
この樹液の処理は必須です。これには2つの重大な注意点があります。
注意1:肌荒れ(かぶれ)のリスク
この樹液(ラテックス)は、肌が弱い人やアレルギー体質の方が触れると、かぶれ(接触皮膚炎)や痒みを引き起こすことがあります。
天然ゴム製品(ゴム手袋など)でアレルギー症状が出る「ラテックスアレルギー」の方は、特に注意が必要です。厚生労働省も、天然ゴム製品による皮膚障害(かゆみ、発赤、じんましん等)の可能性について注意喚起を行っています。(出典:厚生労働省「天然ゴム製品の使用による皮膚障害は、ラテックスアレルギーの可能性があります。」)
ウンベラータの樹液もこの天然ゴムの成分を含みますので、作業中は必ずゴム手袋や園芸用の手袋を装着し、皮膚に直接触れないよう厳重に注意してください。もし皮膚についてしまったら、すぐに大量の流水でヌルヌルが取れるまで洗い流してください。
注意2:吸水阻害(発根の妨げ)
もう一つの重要な理由が、植物側への影響です。この樹液は本来、植物が傷口を塞ぎ、病原菌の侵入を防ぐための「かさぶた」の役割を果たします。しかし、水差しにおいては、この樹液が切り口で固まってしまうと、挿し穂が水を吸うための管(道管)を物理的に塞いでしまいます。
これでは、せっかく吸水面を広くするために斜め切りした努力が水の泡です。発根できません。
【対策】カットしたら、即・洗い流す!
対策は簡単です。カットした挿し穂は、すぐに流水で洗い流すこと。ボウルに溜めた水に浸けても良いですが、次々に樹液が出てくるので、流水でヌルヌルした感触がなくなるまで、数分間しっかり洗い流すのが一番確実かなと思います。これで「かぶれ防止」と「吸水率の確保」の二つの問題が同時に解決できますよ。
ウンベラータの挿し木、水差しの管理と対策

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挿し穂の準備ができたら、いよいよ水差しスタートです。清潔なコップや花瓶に、樹液を洗い流した挿し穂を入れます。でも、コップの水に入れておけばOK、というわけではありません。ここからは「腐らせない」ための衛生管理と、「根が出た後」の土上げという、もう一つの山場が待っています。失敗しないための管理方法を見ていきましょう。
置き場所と環境(光・温度)
まず、置き場所です。根がない挿し穂は非常にデリケートです。
- 光:「直射日光の当たらない、明るい日陰」がベストポジションです。レースのカーテン越しの窓辺などが理想ですね。直射日光は、葉の蒸散を過度に促し、脱水症状の原因になるため絶対にNGです。かといって、真っ暗な場所では光合成ができず、発根のためのエネルギーを作れないので、これもダメ。「明るい」けど「日は当たらない」場所を探してください。
- 温度:これは時期の選定とも重なりますが、「20℃以上を保つ」ことが成功率を高めます。ウンベラータの適正温度は20~25℃です。この温度を維持することで、挿し穂は「今は生育期だ!」と認識し、発根活動を活発にしてくれます。エアコンの風が直接当たる場所は、極端な乾燥を招くので避けてくださいね。
容器の選び方
容器は、コップ、空き瓶、花瓶など、水が溜められれば何でも構いません。ただ、私が絶対的におすすめするのは「透明なガラス製のもの」です。
理由は2つあります。
- 根の状態が「見える」:発根したかどうか、根がどれくらい伸びたか、根の色は健康的か(腐っていないか)が、一目瞭然です。
- 水の「濁り」が「見える」:水が少しでも濁り始めたら、それは細菌が繁殖し始めたサインです。不透明な容器だと、この危険なサインを見逃しがちです。
日々の成長と異常のサイン、両方を視覚的に確認できる透明な容器は、水差し管理の最強のツールかなと思います。
発根促進剤(メネデール)の使い方
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よく「メネデールなどの発根促進剤は必要ですか?」と聞かれますが、結論から言うと、必須ではありません。元気な挿し穂で、時期(5月〜7月)と温度(20℃以上)が合っていれば、水道水だけでも十分発根します。ウンベラータは本当に生命力が強い植物です。
ただ、私は「お守り」のような感覚で使うことが多いですね。特に初めて挑戦するときや、ちょっと枝が細くて体力的に心配なとき、剪定時期が少し遅れてしまったときなどは、使うと安心感が違います。
メネデールは肥料ではなく、植物の活力を引き出す「活力剤」です。鉄イオンが含まれていて、光合成を助けたり、発根を促す効果が期待できると言われています。
使う場合は、高価なものですし、入れすぎは逆効果になることもあるので、必ず規定の希釈倍率(通常は100倍希釈)を守ってください。毎日の水交換のたびに、新しく作る水に規定量を混ぜて使います。コップ一杯の水なら、ほんの数滴で十分ですね。
他の発根促進剤(ルートンなど)との違い
園芸店に行くと、「ルートン」のような粉末状の発根促進剤もあります。これは植物ホルモン(オーキシン)を含み、より強力に発根を促すものです。ただし、これは一般的に「土挿し」の際に、切り口にまぶして使うものです。
水差しで使うと水に溶け出してしまい、濃度管理も難しく、腐敗の原因にもなりかねません。水差しで使う場合は、メネデールのような「液体活力剤」タイプが適していると私は思います。
挿し穂が腐る原因と対処法

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水差しで一番多く、そして一番悲しい失敗が、これ、「挿し穂が腐る」ことです。期待して毎日眺めていたのに、ある日ふと見ると切り口が黒ずんできたり、水が白く濁ったり、挿し穂全体がヌメっとしてきたり…。これは非常に危険なサインです。
原因はほぼひとつ。「水の交換を怠った」ことによる、水中での細菌の繁殖です。
水差しは、「挿し穂が発根するスピード」と「水中で細菌が増えるスピード」の競争なんです。特に気温が20℃以上ある環境は、挿し穂の発根にも最適ですが、同時に細菌の繁殖にとっても天国のような環境です。水を放置すれば、水中のわずかな有機物(挿し穂から溶け出たものなど)をエサにして、細菌は爆発的に増殖します。
そして、その細菌が、挿し穂のデリケートな切り口(傷口)から侵入し、組織を破壊し始めます。これが「腐敗」の正体です。
この競争に勝つ方法はただ一つ。とにかく「毎日」水を交換すること。細菌の濃度が危険なレベルに達する前に、水をリセットするんです。これが水差し成功の最大の鍵であり、一番面倒ですが、一番重要な作業です。
もし腐りかけたら…(緊急オペ)
諦めないでください!腐敗が始まったばかりなら、まだ助かる可能性があります。
- すぐ挿し穂を水から取り出します。
- 腐敗した部分(黒く変色した部分、ドロドロした部分)を、清潔なハサミ(必ずアルコール消毒してください!)で、健康な緑色の組織が見えるところまで、思い切ってカットし直します。
- 切り口を、再度流水でよく洗います。(樹液も出ます)
- 使っていた容器は、食器用洗剤で隅々まで綺麗に洗い、雑菌をリセットします。
- 新しい清潔な水(と、お好みでメネデール)を入れ、挿し穂を戻します。
そして、今日からは絶対に毎日の水交換を誓ってください。このオペで助かるかどうかは五分五分ですが、何もしなければ100%腐敗が進行してしまいます。
根が出ない時のチェックポイント
「毎日水を替えて、腐ってはいないんだけど…2週間、3週間経っても、まったく根が出る気配がない…」そんな時は、一度、環境や準備段階を見直してみましょう。
適切な時期(5月〜7月)と環境(20℃以上)で、毎日の水交換をしていれば、早ければ2週間ほどで切り口に変化(後述のカルスや、小さな白い根)が見え始めます。1ヶ月経っても何の音沙汰もない場合は、以下の点を確認してみてください。
「根が出ない」4大チェックポイント
- 時期は合っていますか? 何度も言いますが、11月以降の「休眠期」に実行していませんか?気温が低ければ、植物は活動を停止します。根を出す余裕はありません。
- 温度は20℃以上ありますか? 「明るい日陰」を意識しすぎて、玄関や北側の窓辺など、家の中でも特に気温が低い場所に置いていませんか?人間が快適でも、植物にとっては寒いかもしれません。リビングなど、一番安定して暖かい場所がおすすめです。
- 親株は元気でしたか? そもそもカットしてきた枝が、親株の中でも弱々しい枝や、病気(ハダニなど)にかかっていた枝ではありませんでしたか?元の枝に発根するための体力が蓄えられていないと、根を出すことはできません。
- 樹液の処理はしましたか? カットした後の白い樹液を洗い流さず、切り口が固まってしまっていませんか?道管が塞がれていると、水を吸うことすらできず、発根活動に移れません。
これらを見直してもダメな場合は、残念ですがその挿し穂の個体としてのパワーが足りなかったのかもしれません。腐っていないなら、そのまま管理を続けてみるのも一つですが、あまり期待はせずに、次の生育期に元気な枝で再チャレンジするのが良いかもしれませんね。
これまでの内容以外にも別の観点からウンベラータのトラブルに関して記載した記事もありますので、こちらも確認してみてください。→ ウンベラータに白い斑点が出来てしまった?原因と対策を解説
白いモヤモヤ(カルス)は取るべき?
水差しをしていると、切り口やその周辺に「白いモヤモヤした塊」ができてくることがあります。
これ、初めて見ると「カビ!?失敗した!」と焦るかもしれませんが、慌てないでください。これは「カルス」といって、植物が傷口を修復しようとする細胞の集まりです。人間でいう「かさぶた」の下で皮膚が再生している状態に近いですね。基本的には「もうすぐここから根が出るよ」という良いサインであることが多いです。
なので、カルスが出てきたら「お、頑張ってるな!」と見守ってあげるのが基本です。
ただし、「育ちすぎ」に注意!
このカルス、良いサインではあるんですが、まれにモコモコと異常に発達しすぎて、分厚いコブのようになってしまうことがあります。こうなると、本来その下から出てくるはずの繊細な根の出口を、自分自身で塞いでしまうという皮肉な事態に陥ることがあります。
こうなると「根が出ない」原因になってしまうので、私はカルスがあまりにも分厚く、硬く発達しすぎているなと感じたら、水交換のついでに清潔な指で優しくこすり落としています。全部取る必要はなく、少し表面を削って刺激を与え、根の出口を確保してあげるイメージですね。取り除いても植物の生命力でまた再生しますし、その刺激で発根が促されることもあるようです。
ただし、これはあくまで「異常繁殖した場合」の対処です。少しモヤモヤっとしてきた程度なら、触らずに見守ってあげてくださいね。
根が5cmで土上げのタイミング
毎日の水交換と観察を続け、無事に白い根っこが出てきたら、いよいよ水差し最後のステップ「土上げ(鉢上げ)」です。おめでとうございます!…と言いたいところですが、実はここが水差し最大の難関かもしれません。
なぜなら、植物にとって環境が180度変わる、最もストレスのかかる瞬間だからです。「水中(湿度100%、常に水に触れている)」から「土中(乾燥と湿潤の繰り返し、自力で水分を探す)」への大引越しです。このショックをいかに和らげるかが、成功の分かれ道です。
そこで重要になるのが、引越しの「タイミング」です。
目安は、根がだいたい5cmくらいに伸びたら、土に植え替えるベストタイミングです。根の本数が数本出て、それぞれが5cm程度伸びていれば万全ですね。
- 短すぎる(1〜2cm):根が短すぎると、まだ土の中で水分や養分を吸収する力が弱く、環境の変化に耐えられずに根付かない可能性が高いです。
- 長すぎる(10cm以上):これが一番危険です。水中に長く浸かりすぎた根は、水環境に最適化された「水根(みずね)」になってしまっています。水根は、酸素の少ない水中でも生きられるように、非常に脆く、細く、土の中に力強く張っていく力がありません。
この状態で土に植え替えると、植え替え時の物理的なショックで簡単に折れてしまったり、土の環境(乾燥)に適応できずに枯れてしまうことが非常に多いんです。
「5cm」というのは、まだ土環境に適応できる柔軟性を残しつつ、最低限の体力をつけた、まさに絶妙な移行タイミングなんですね。
土上げの準備物 チェックリスト
- 鉢:必ず「小さめ」の鉢にしてください。挿し穂(苗)に対して鉢が大きすぎると、土の量が多くなって水やりの水分がなかなか乾かず、過湿状態が続きます。デリケートな新しい根は、この環境だと100%「根腐れ」を起こします。苗がグラグラしない程度の、最小限の鉢(3号〜4号ポットくらい)からスタートするのが鉄則です。
- 土:「水はけの良い」清潔な土を選びましょう。不安な方は、市販の「観葉植物用の培養土」を選べば間違いありません。古い土や庭の土は、雑菌や害虫の卵が潜んでいる可能性があるので、挿し木の土上げには絶対に使わないでください。
- 鉢底石・鉢底ネット:鉢の底に敷き、水はけをさらに良くし、土の流出を防ぐために必須です。これも根腐れ防止の重要な役割があります。
土上げのステップバイステップ
- 鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を鉢の高さの1/5くらい敷き詰めます。
- その上に、観葉植物用の土を鉢の1/3程度の高さまで入れます。
- 水差しから取り出した苗を、繊細な根を絶対に折らないように注意しながら、鉢の中央に配置します。
- 苗が倒れないように片手で支えながら、根っこの隙間を埋めるように、鉢の縁から3〜4cm下(ウォータースペース)まで、フワッと土を入れていきます。この時、土をギューギューと強く押し固めないでください。根が呼吸できなくなります。
- 最後に、鉢底から水が勢いよく流れ出るまで、「水をたっぷり」と与えます。これをすることで、土の微塵(みじん)が洗い流され、根と土がしっかりと密着します。
ウンベラータの挿し木、水差し成功のコツ
最後に、ウンベラータの挿し木、特に水差しを成功させるためのコツ、そして最大の山場である「土上げ後」の管理についてまとめますね。
先ほども書きましたが、水中で育った根は、土の中の環境とは全く違います。いきなり土の世界に連れてこられた挿し穂(もう「苗」ですね)は、大きな「ショック(トランジション・ショック)」を受けています。この植え替え直後の約2週間〜1ヶ月間が、その後の生死を分けます。
「水根」から、土の環境に適応した力強い「土根(つちね)」へと、根が自身の性質を変化させていくための、非常にデリケートな期間です。この移行をいかに優しくサポートしてあげるかが、私たち管理者の腕の見せ所ですね。
土上げ直後の「3大厳禁」
この3つだけは、絶対に守ってください。これを破ると、今までの苦労が水の泡になる可能性が非常に高いです。
- 直射日光、厳禁!:
新しい根はまだ土から水分をうまく吸えません。それなのに強い日光に当てると、葉からの蒸散ばかりが激しくなり、吸水が追いつかず、葉が「葉焼け」を起こしたり、株全体がぐったりとしおれて枯れてしまいます。必ず「直射日光の当たらない明るい日陰」、水差し中と同じ場所で、まずは静かに休ませてください。 - 水のやりすぎ(過湿)、厳禁!:
「水中にいたんだから、水が恋しいだろう」と心配して、土が乾いてもいないのに毎日水をやり続ける…。これは一番やりがちな、そして最も致命的な失敗です。土の中は水中と違い、酸素が必要です。常に水浸しでは根が呼吸できず、100%「根腐れ」します。植え替え直後に一度たっぷり与えたら、その後は「手で土を触って、表面だけでなく中の水分も感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)」たっぷりと与える、というメリハリをつけます。この「乾燥」と「湿潤」のサイクルこそが、水根から土根への変化を促します。
- 肥料、絶対厳禁!:「元気になってほしいから」と、植え替え直後に肥料(特に化成肥料や液体肥料)をあげるのも絶対にNGです。これが一番やりがちな失敗かもしれません。デリケートな新しい根は、肥料の濃い養分(塩類)に耐えられず、「根焼け」を起こして一瞬で枯死してしまいます。
人間でいえば、大手術の直後にいきなり焼肉食べ放題に連れて行くようなものです。まずは胃に優しいお粥(水だけ)で回復を待つべきです。肥料をあげるのは、新しい葉が展開し始めるなど、明らかに「あ、土に根付いたな」と成長のサインが安定してから。それまでは水だけで十分すぎるほど十分です。
土上げ後のトラブルシューティング
慎重に管理していても、トラブルが起きることもあります。
- 葉が落ちる:土上げ後、残しておいた葉が黄色くなって落ちることがよくあります。これは、環境変化のストレスで、植物が「今は葉を維持する体力がない」と判断し、自ら葉を落としてエネルギー消費を抑えようとする生理現象であることが多いです。1枚や2枚落ちても、幹がしっかり緑色で元気なら、慌てずに水やり管理(乾いたらやる)を続けてください。環境に慣れれば、新しい芽が出てくる可能性が高いです。
- いつまでも成長しない(根付かない):1ヶ月経っても新しい芽が出る気配がなく、幹もしわしわになってきた…。これは、残念ながら土上げに失敗し、根がうまく機能していない(根腐れしたか、乾燥で枯れたか)可能性が高いです。原因は、前述の「3大厳禁」のどれかを破ってしまったか、土上げのタイミング(水根になりすぎていた)が適切でなかったことが考えられます。
ウンベラータの水差しは、「時期(気温20℃以上)」「衛生管理(毎日の水交換)」「土上げ後のケア(水やり・置き場所・肥料厳禁)」の3点を守れば、決して難しくありません。剪定で出た枝から、新しい命が育っていくプロセスは本当に感動しますし、園芸のスキルも格段にアップすると思います。ぜひ、楽しみながらチャレンジしてみてくださいね。