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ウンベラータがひょろひょろ!原因と太くする復活術を解説!

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ウンベラータがひょろひょろ!原因と太くする復活術を解説

観葉スタイル・イメージ

こんにちは。観葉スタイル、運営者の「まさび」です。

リビングの主役としてお迎えしたはずのフィカス・ウンベラータが、気づけばヒョロヒョロと頼りない姿になってしまっていませんか?「毎日お水もあげているし、枯らさないように大切にしているのに、どうして茎ばかりひょろりと伸びてしまうんだろう…」と、不安を感じている方も多いはずです。

実は、その「ひょろひょろ」という状態は、単なる成長不良ではなく、植物があなたに必死に伝えている「SOSサイン」なのです。

私自身も、ウンベラータを育て始めたばかりの頃、同じ悩みに直面しました。窓際から少し離れた場所に置いていたお気に入りの株が、光を求めてまるで助けを呼ぶかのように茎を細く伸ばし、葉っぱがだらりと垂れ下がってしまったのです。

当時は「水が足りないのかな?」と勘違いして水をあげすぎてしまい、あわや根腐れで枯らす寸前まで追い込んでしまった苦い経験があります。

しかし、そこで植物の生理現象を正しく理解し、思い切った環境改善と剪定を行ったことで、そのウンベラータは見違えるほど太く、逞しい樹形に生まれ変わりました。

この経験から言えるのは、「ひょろひょろの状態は、まだ手遅れではない」ということです。むしろ、適切なケアを行うことで、今まで以上に愛着の湧く、あなただけのユニークな樹形に仕立て直す絶好のチャンスとも言えます。

この記事では、なぜウンベラータがそのような姿になってしまうのかという植物学的な原因から、初心者の方でも失敗せずに太い幹を取り戻すための具体的な「復活術」までを、私の実体験を交えて徹底的に解説します。

専門的な知識がなくても大丈夫です。一つひとつ順を追って、一緒に解決していきましょう。

この記事を読むことで理解できること

ポイント

  • ウンベラータが光を求めて徒長(とちょう)してしまう植物ホルモンのメカニズム
  • 根腐れや根詰まりが原因で茎が痩せてしまう際の、土壌トラブルの見極め方
  • ヒョロヒョロの状態から、ガッシリとした太い幹に再生させるための剪定(せんてい)テクニック
  • 切り落とした枝を無駄にせず、挿し木で新しい株を増やすための具体的な手順

ウンベラータがひょろひょろになる原因と診断

ウンベラータがひょろひょろになる原因と診断

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毎日見ていると、少しずつの変化にはなかなか気づきにくいものです。しかし、ある日ふと「なんだかうちの子、頼りないな」「買った時と形が全然違うな」と感じたら、それは植物が限界を迎えている証拠かもしれません。

ウンベラータがひょろひょろになってしまうのには、環境や管理方法に明確な原因があります。まずは、その原因が「光」にあるのか、「土」にあるのか、それとも「栄養」にあるのか、現状を正しく診断することから始めましょう。

日光不足が引き起こす徒長のリスク

日光不足が引き起こす徒長のリスク

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ウンベラータがひょろひょろと細長く伸びてしまう最大の原因、それはズバリ「日照不足」による徒長(とちょう)です。

ウンベラータの原産地は熱帯アフリカであり、本来は強烈な太陽の光を浴びて育つ植物です。現地のウンベラータは、太い幹と分厚い葉を持ち、非常にガッシリとした姿をしています。

しかし、日本の住宅事情、特に室内管理においては、植物が健全に育つために必要な光量(照度)を確保するのが難しいケースが多々あります。

植物は、光が不足すると「このままでは光合成ができずに死んでしまう!」と強烈な危機感を覚えます。すると、植物ホルモンの一種である「オーキシン」の働きによって、少しでも高い場所、少しでも光が当たる場所へ到達しようと、茎を縦方向に急激に伸ばし始めます。

この時、光合成によって作られる栄養分(炭水化物)が不足しているにもかかわらず、無理やり細胞を縦に引き伸ばして成長するため、細胞壁が薄く、中身がスカスカの軟弱な茎が出来上がってしまうのです。

これが「ひょろひょろ」の正体です。つまり、元気がないから細いのではなく、「生き残るために、質を犠牲にしてでも背丈を伸ばすことに全エネルギーを注ぎ込んだ結果」なのです。

特に、人間の目には「明るい」と感じる部屋でも、植物にとっては「薄暗い洞窟」と同じレベルの暗さであることは珍しくありません。窓から数メートル離れた場所や、遮光カーテン越しの弱い光では、ウンベラータの旺盛な食欲(光への欲求)を満たすことはできないのです。

徒長を見分けるポイント

  • 節間の間延び: 葉と葉の間隔(節間)が、以前よりも明らかに広くなっていませんか?間延びした節は、徒長の典型的なサインです。
  • 光への屈曲: 茎が窓の方角に向かって、極端に曲がって伸びていませんか?これは「光屈性(こうくっせい)」と呼ばれる反応で、光を求めている証拠です。
  • 茎の細さ: 新しく伸びた茎が、割り箸のように細く、頼りない状態ではありませんか?
  • 葉の色ツヤ: 葉の色が薄くなり、厚みがなくなってペラペラしていませんか?

この状態を放置すると、自重を支えきれずに茎が折れてしまったり、病害虫に対する抵抗力が落ちてしまったりします。「もっと光を!」という植物の叫びを、まずは受け止めてあげてください。

根詰まりや根腐れのサインを確認

根詰まりや根腐れのサインを確認

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「うちは南向きの窓辺に置いているから、光不足のはずがない」という場合でも、ウンベラータが元気をなくし、ひょろひょろと痩せて見えてしまうことがあります。その次に疑うべきは、土の中で起きている「根のトラブル」です。

ウンベラータは非常に成長が早い植物です。地上部が大きくなれば、それを支える地下部(根)も同じように大きく広がっていきます。もし、同じ鉢で2年以上育てていたり、鉢底から根がはみ出していたりする場合は、「根詰まり」を起こしている可能性が非常に高いです。

根詰まりとは、鉢の中が根っこでパンパンになり、新しい根を伸ばすスペースも、酸素を取り込む隙間もなくなってしまった状態のことです。

根が詰まると、水や養分をスムーズに吸い上げることができなくなります。人間で言えば、ストローが詰まって飲み物が飲めない状態と同じです。

その結果、地上部の茎や葉に十分な水分が行き渡らず、細胞の張り(膨圧)が失われて、全体がダラリと垂れ下がったような、力のない姿になってしまいます。

さらに恐ろしいのが「根腐れ」です。これは、水のやりすぎや水はけの悪い土が原因で、土の中が酸欠状態になり、根の細胞が壊死してしまう現象です。根腐れを起こした根は、水を吸い上げる機能を失います。

皮肉なことに、土は水でびしょ濡れなのに、植物の体内は深刻な脱水症状に陥るのです。これにより、茎がシワシワになり、まるで老木のように細く枯れたような質感になってしまいます。

根腐れ・根詰まりの危険なサイン

チェック項目症状の詳細
水の染み込み水を与えてもなかなか染み込まず、土の表面に水たまりができる(根詰まりの可能性)。
幹の感触幹の根元を指で押すと、ブヨブヨと柔らかく、樹皮が剥がれそうな感触がある(根腐れの可能性大)。
土の臭い土の表面や鉢底から、ドブのような、あるいは腐った卵のような嫌な臭いがする。

これらのサインが見られた場合、一刻も早い処置が必要です。肥料を与えるなどの小手先の対処ではなく、植え替えなどの抜本的な治療が必要になります。

葉が落ちる症状と変色の関係

ひょろひょろした姿とセットでよく起こるのが、「葉っぱのトラブル」です。葉は植物にとっての健康バロメーターであり、その変色の仕方や落ち方を見ることで、ひょろひょろの原因をより正確に特定することができます。

まず、葉が全体的に薄い緑色(黄緑色)になり、下の方の古い葉から黄色くなってパラパラと落ちていく場合。これは典型的な「日照不足」の症状です。光が足りない環境では、植物はすべての葉を維持するだけのエネルギーを生産できません。

そのため、光合成効率の悪い古い葉(下葉)から順番に栄養を回収し、自ら切り捨てて(落葉させて)、成長点である頂芽や新しい葉にエネルギーを集中させようとするのです。「リストラ」のようなものだと考えると分かりやすいかもしれません。

一方で、葉の縁(ふち)から茶色く枯れ込んできたり、新芽が出てきても小さく黒ずんでポロリと落ちてしまったりする場合は、「根の異常(根腐れや根詰まり)」を強く疑う必要があります。

根がダメージを受けると、葉の先端まで水分やミネラルをポンプアップすることができなくなります。その結果、末端組織から壊死が始まり、葉が枯れ込んでいくのです。

また、エアコンの風が直接当たっている場合も、極度の乾燥によって葉がチリチリになり、茎が水分を奪われて細くなることがあります。ウンベラータの大きな葉は、ただでさえ蒸散(水分を空気中に放出すること)が激しい器官です。

そこに風が当たり続けると、供給量以上に水分が失われてしまい、植物は身を守るために葉を落とそうとします。

このように、葉の症状は「なぜひょろひょろになったのか」を教えてくれる重要な手がかりです。単に「葉が落ちた」と悲しむのではなく、落ち方や色を観察して、原因に合わせた対策を講じることが復活への近道となります。

幹を太くするための肥料の選び方

愛着のあるウンベラータが弱っているのを見ると、「早く元気になってほしい!」という親心から、つい活力剤や肥料をあげたくなるものです。しかし、ここで一つ重要な注意点があります。それは、「肥料は元気な時にあげるご飯であり、弱っている時の薬ではない」ということです。

特に、根が弱っている状態や、光不足で徒長している最中に濃厚な肥料を与えると、消化不良を起こして根を痛めたり(肥料焼け)、徒長をさらに加速させたりするリスクがあります。

まずは日当たりを確保し、適切な水やりで株の体力を回復させることが最優先です。その上で、幹を太くガッシリと成長させるフェーズに入ったら、肥料の「成分バランス」に注目してみましょう。

市販の肥料には、必ず「チッ素(N)」「リン酸(P)」「カリ(K)」という3つの数字が書かれています。この中で、茎や葉を茂らせる効果があるのが「チッ素」です。

しかし、チッ素が多すぎると、植物は縦へ縦へと伸びる力が強くなりすぎてしまい、組織が軟弱になって徒長を助長してしまうことがあります。「メタボ気味」な成長と言ってもいいかもしれません。

そこで、幹を太くし、木質化(もくしつか:茎が木のように硬くなること)を促進させたい場合に重視すべきなのが、「カリ(K)」という成分です。

カリは「根肥(ねごエ)」とも呼ばれ、根の発育を促すとともに、光合成で作られた養分を効率よく幹や根に運搬・蓄積させる役割を担っています。また、植物の細胞壁を丈夫にし、暑さや寒さ、病害虫に対する抵抗力を高める効果もあります。

まさびのワンポイント私が実践しているのは、春の成長期前半はバランスの良い肥料(N-P-Kが10-10-10など)で葉を増やし、夏から秋にかけては「カリ」が多めに配合された肥料(微粉ハイポネックスなど)に切り替える方法です。

これにより、冬越しに向けた体力づくりと、幹の肥大を同時に狙うことができます。

適切な肥料管理を行うことで、ウンベラータは内側から強くなり、ひょろひょろした姿から脱却することができます。肥料の種類や与え方についての詳細は、信頼できるメーカーの公式サイトも参考にしてみてください。

(出典:株式会社ハイポネックスジャパン『【観葉植物】フィカス・ウンベラータの育て方』

植え替えで根の環境を改善する

もし、診断の結果「根詰まり」や「根腐れ」が疑われる場合、あるいは2年以上植え替えを行っていない場合は、土壌環境を根本からリセットするために植え替えを行う必要があります。健康な根っこなくして、太い幹は絶対に育ちません。

ウンベラータの根は、呼吸をするためにたくさんの酸素を必要とします。そのため、使用する土は「保水性」だけでなく、水がサーッと抜けて空気が入り込む「排水性(通気性)」が極めて重要になります。

ホームセンターで売られている一般的な「観葉植物の土」でも育ちますが、それだけでは水持ちが良すぎて、室内環境では根腐れリスクが高まることがあります。

そこでおすすめなのが、市販の土に「赤玉土(あかだまつち)の小粒」を2割〜3割ほど混ぜ込むブレンド方法です。

赤玉土は粒状の土なので、土の中に適度な隙間を作り出し、排水性を劇的に向上させてくれます。「水をあげると、すぐに鉢底から流れ出てくる」くらいのスピード感が、ウンベラータの根にとっては理想的な環境なのです。

植え替えの手順は以下の通りです。

手順

  1. 時期を選ぶ: 必ず5月〜9月の暖かい時期に行います。冬場の植え替えは枯れる原因になるので厳禁です。
  2. 根の整理: 鉢から株を抜いたら、土を優しく落とします。この時、黒く変色してブヨブヨになった腐った根や、枯れてスカスカになった根は、清潔なハサミで全て切り落とします。白くて硬い元気な根だけを残すのがポイントです。
  3. 鉢のサイズアップ: 鉢は、今使っているものより「一回り(直径が3cm程度)」大きなものを選びます。「どうせ大きくなるから」といきなり巨大な鉢に植えると、土の量が多すぎて乾かなくなり、根腐れの原因になります。
  4. 植え付け: 新しい土を使って植え付け、最後にたっぷりと水を与えます。植え替え直後は根がダメージを受けているので、2週間ほどは直射日光を避けた明るい日陰で休ませてあげましょう。

 

植え替えは植物にとって大手術ですが、成功すれば見違えるように水を吸うようになり、新しい葉を次々と展開してくれるようになります。

具体的な植え替えの手順や必要な道具については、こちらの記事でも詳しく解説しています。植物の種類は異なりますが、基本的な考え方や手順は共通しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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ひょろひょろしたウンベラータの剪定と復活術

ひょろひょろしたウンベラータの剪定と復活術

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環境を整え、根の状態を改善したら、いよいよ伸びきってしまった見た目を物理的に修正するフェーズに入ります。それが「剪定(せんてい)」です。「せっかく伸びた枝を切るのは可哀想」「失敗して枯れたらどうしよう」と不安に思う方も多いでしょう。

しかし、ウンベラータは生命力が非常に強く、適切な時期に適切な方法で切れば、必ず新しい芽を出してくれます。

むしろ、ひょろひょろした枝をそのままにしておく方が、植物にとっては負担となり、美しい樹形を取り戻すチャンスを逃すことになります。ここでは、外科手術のような剪定によって、ウンベラータを再生させる具体的なテクニックをお伝えします。

剪定の時期と失敗しない切る場所

剪定の時期と失敗しない切る場所

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剪定を成功させるために、絶対に守らなければならないルールが一つあります。それは「時期」です。ウンベラータの剪定は、成長が最も活発になる5月から8月の間に行うのが鉄則です。

気温が20℃を下回る秋以降や、休眠期である冬場に剪定を行うと、植物には傷口を修復したり、新芽を出したりする体力が残っていません。最悪の場合、切ったところから菌が入って枯れ込んでしまうこともあります。「思い立ったが吉日」ではなく、「暖かくなったら吉日」と覚えておいてください。

次に、具体的に「どこを切ればいいのか」という問題です。切る場所の目安となるのが、幹にある「節(ふし)」です。節とは、かつて葉っぱが生えていた跡のことで、幹に横線が入っている部分です。

実は、この節のすぐ上の部分には「成長点(または潜伏芽)」と呼ばれる、新しい芽を作るための細胞が眠っています。

ですので、剪定をする際は、「残したい高さにある節の、約1cm〜2cm上」をスパッと切るようにしましょう。節ギリギリで切ってしまうと成長点を傷つける恐れがあり、逆に長く残しすぎると、枯れ込んだ部分が目立って見た目が悪くなります。

また、剪定の際には必ず「清潔で切れ味の良いハサミ」を使うことが重要です。汚れたハサミや切れ味の悪いハサミを使うと、切り口の組織が潰れて治りが遅くなったり、雑菌が入って病気になったりするリスクがあります。

ウンベラータの成長サイクルや、季節ごとのケアの詳細については、以下の記事でも深く掘り下げています。剪定後の管理にも役立つ情報が満載ですので、あわせてご覧ください。

ウンベラータの寿命は?枯れる原因と長く育てるコツを解説!

丸坊主にして樹形を作り直す方法

丸坊主にして樹形を作り直す方法

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「全体的にヒョロヒョロすぎて、一部を切るだけではどうにもならない…」「下の葉が全部落ちてしまって、てっぺんにしか葉がない」というような重症のケースでは、思い切って葉っぱをすべて切り落とし、幹だけにしてしまう「丸坊主(まるぼうず)」という荒療治が効果的です。

「えっ、葉っぱを全部なくして大丈夫なの?」と驚かれるかもしれませんが、根さえ元気であれば全く問題ありません。むしろ、中途半端に葉を残すよりも、一度リセットしてしまった方が、バランスの良い樹形を作り直すことができます。

植物には「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質があります。これは、茎の先端にある芽(頂芽)が優先的に成長し、下の方にある脇芽の成長を抑えるというルールです。ひょろひょろと一本立ちで伸びてしまうのは、この性質が強く働いているためです。

しかし、剪定によって頂芽(てっぺん)を切り落とすと、この抑制ルールが解除されます。

すると、植物は「上がダメなら横から出そう!」と方針転換し、切り口の下にある複数の節から一斉に新しい芽(脇芽)を出し始めます。これにより、一本の棒だったウンベラータが、枝分かれしたボリュームのある姿へと劇的に変化するのです。

丸坊主剪定を行ってから約2週間〜1ヶ月ほどで、幹の至る所から小さな赤い突起(新芽)が顔を出します。その生命力の強さを目の当たりにした時、きっと大きな感動を覚えるはずです。

丸坊主後の水やり注意点

葉っぱを全て失った植物は、蒸散(水分の放出)を行うことができません。そのため、剪定前と同じペースで水を与え続けると、土がいつまでも乾かずに根腐れを起こしてしまいます。

新芽が展開してくるまでは、土の表面が完全に乾いてからさらに3〜4日待って水をあげるなど、意識的に「乾燥気味」の管理に徹してください。毎日の葉水(幹水)で湿度を保つのは効果的です。

切り戻した枝を挿し木で増やす

剪定でバッサリと切り落とした枝。そのままゴミとして捨ててしまうのは、あまりにももったいないですよね。実は、その枝(穂木)を使えば、簡単に新しいウンベラータの苗を作ることができます。これを「挿し木(さしき)」と言います。

ひょろひょろと伸びた枝でも、生命力はしっかりと宿っています。親株の再生を待ちながら、その子供たちも育ててみる。そんな楽しみ方ができるのも、園芸の醍醐味です。

成功率を高めるための具体的な手順をご紹介します。

手順

  1. 枝の準備: 先端の芽を含んだ、10cm〜15cmくらいの長さの枝を用意します。2〜3節分が含まれているのが理想です。
  2. 葉の調整: 葉がたくさんついていると、そこから水分がどんどん蒸発してしまい、根が出る前に枝が干からびてしまいます。葉は先端の1〜2枚だけを残し、さらにその葉もハサミで半分〜3分の1の大きさにカットします。見た目は少し可哀想ですが、生き残るために必要な処置です。
  3. 樹液の洗浄: ウンベラータを切ると、白い粘り気のある樹液が出てきます。これが切り口で固まると、導管を塞いで水を吸えなくなってしまいます。切り口を流水でよく洗い流し、樹液が出なくなるまでしっかりと処理しましょう。
  4. 水揚げ: コップに入れた水に切り口を浸し、1時間ほど水を吸わせます(水揚げ)。
  5. 土に挿す: 肥料分の入っていない清潔な土(赤玉土の小粒、バーミキュライト、または市販の挿し木用土)に、割り箸などで穴を開け、枝を優しく挿します。この時、肥料入りの培養土を使うと、切り口から雑菌が入って腐る原因になるので避けてください。

あとは、直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土を絶対に乾かさないように管理します。順調にいけば、2週間〜1ヶ月ほどで発根し、新しい葉が動き始めます。透明なプラスチックコップなどで簡易的な温室を作って被せてあげると、湿度が保たれて成功率がさらに上がりますよ。

曲げ木で自分好みの形に仕立てる

ひょろひょろと細く伸びてしまった茎は、一見するとデメリットに思えますが、見方を変えれば「柔らかくて加工しやすい」という大きなメリットにもなります。この可塑性(かそせい:形を変えやすい性質)を利用して、まっすぐな棒状ではなく、S字カーブや螺旋状の動きがある、おしゃれな樹形に仕立ててみるのはいかがでしょうか。これを「曲げ木(まげき)」と呼びます。

お店で売られているような曲がりのあるウンベラータは高価ですが、自分でやればタダです。しかも、自分の好みの角度や形を自由にデザインできるのです。

必要な道具は、100円ショップやホームセンターで手に入る「園芸用ワイヤー(アルミ線)」や「ビニール紐」だけです。特別な技術は必要ありません。

ワイヤーを使う方法

盆栽のように、幹にワイヤーを螺旋状に巻きつけていきます。そして、ゆっくりと慎重に、幹を曲げたい方向へ力を加えて形を整えます。ワイヤーの保持力で形を固定する方法です。幹が細い場合はこの方法が最も自由度が高いです。

紐(ひも)を使う方法

幹をぐっと曲げて、そのカーブの頂点や枝に紐をかけ、鉢の縁や支柱に紐を結びつけて引っ張ります。弓を引くようなイメージで固定する方法です。ワイヤーよりも手軽で、幹を傷つけにくいのが特徴です。

曲げ木を行った状態で半年〜1年ほど成長させると、幹が太くなると同時にその形で組織が固まります(木質化)。固定していたワイヤーや紐を外しても、美しいカーブがそのまま残ります。「失敗したひょろひょろの株」が、世界に一つだけの「芸術作品」に変わる瞬間です。

ウンベラータのひょろひょろ対策まとめ

いかがでしたでしょうか。ウンベラータがひょろひょろになってしまうのは、決してあなたの育て方が下手だからではありません。「もっと光が欲しいよ」「根っこが苦しいよ」という、植物からの健気なメッセージなのです。

その声に耳を傾け、まずは日当たりと風通しの良い特等席に移動させてあげてください。そして、土の状態を確認し、必要であれば植え替えで呼吸できる環境を整えてあげましょう。体力が戻ってきたら、勇気を出して剪定を行うことで、ウンベラータは必ず応えてくれます。

一本のひょろりとした茎が、太く逞しい幹に変わり、そこから力強い枝葉が広がっていく過程を見守るのは、何にも代えがたい喜びです。今の状態を「失敗」と捉えるのではなく、「理想の樹形を作るための第一歩」と捉えて、復活のプロセスを存分に楽しんでみてくださいね。

【補足】ひょろひょろ再発を防ぐ!よくあるQ&A

ここまで、ウンベラータのひょろひょろ対策について解説してきましたが、実際にケアを始めると「こういう時はどうすればいいの?」という細かい疑問が出てくるものです。ここでは、Instagramのフォロワーさんや読者の方からよくいただく質問に、Q&A形式でお答えします。

Q1. 室内が20℃以上あれば、冬でも剪定していいですか?

A. 基本的にはおすすめしません。 最近の住宅は気密性が高く暖かいですが、植物は「日照時間」や「光の強さ」で季節を感じ取っています。冬は光が弱く、回復に必要なエネルギーを十分に作れません。剪定のダメージから回復できずに枯れ込んでしまうリスクが高いので、春(GW明けくらい)まで待つのが無難です。

Q2. 剪定した切り口には何か塗ったほうがいいですか?

A. 切り口が大きい場合は「癒合剤(ゆごうざい)」を塗ると安心です。 細い枝ならそのまま乾燥させても大丈夫ですが、親指くらいの太さがある幹を切った場合は、切り口から雑菌が入ったり、乾燥しすぎて枯れ込んだりするのを防ぐために、ホームセンターで売っている「トップジンMペースト」や「カルスメイト」などの癒合剤を塗っておくと、治りが早くきれいになります。

Q3. 緑色の柔らかい茎は、いつか茶色くて硬い木になりますか?

A. はい、時間をかけてゆっくりと木質化(もくしつか)していきます。 最初は緑色で瑞々しい茎も、成長とともに茶色い樹皮をまとい、硬い木へと変化します。この変化を促すためにも、やはり「日光」と「風(揺らされる刺激)」、そして「カリ分を含む肥料」が重要になります。

1年を通した管理カレンダー(ひょろひょろ防止版)

最後に、一度復活させたウンベラータを二度とひょろひょろにさせないための、年間の管理スケジュールをまとめました。これを目安に、メリハリのあるお世話を心がけてみてください。

季節置き場所・光水やり・肥料・ケア
春 (4月〜6月)徐々に明るい窓際へ移動。 レースカーテン越しの光をしっかり当てる。新芽が動き出したら水やりの回数を増やす。 剪定・植え替えのベストシーズン! 緩効性肥料を置き始める。
夏 (7月〜9月)一番明るい場所へ。 ※真夏の直射日光は葉焼けするので注意。成長最盛期。土が乾いたらたっぷりと。 週1回の液肥などでスタミナ補給。 葉水は毎日行う。
秋 (10月〜11月)日差しが弱まるので、より窓の近くへ。 寒くなる前に室内の定位置を決める。徐々に水やりの間隔を空ける。 幹を太くする「カリ肥料」を与えるチャンス。 剪定はストップ。
冬 (12月〜3月)ガラス越しの日光を最大限に浴びせる。 窓際は夜冷えるので、夜は部屋の中央へ。休眠期。土が乾いてから3〜4日後に。 「乾燥気味」に管理して耐寒性を高める。 肥料は一切与えない。

ウンベラータは、一度コツを掴んでしまえば、これほど成長を見るのが楽しい植物はありません。「ひょろひょろ」は、あなたが「植物と話せるようになる」ための第一歩です。この記事が、あなたのウンベラータとの素敵な毎日の助けになれば、これ以上嬉しいことはありません。

  • この記事を書いた人
パキラを持つ運営者

まさび

『観葉植物のある暮らしスタイル』管理人のまさびです。失敗から学んだ実体験と深い知識で、観葉植物の育て方(特にパキラ)を優しく解説。あなたのグリーンライフを応援します。

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