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ウンベラータが元気ない!葉が落ちる・黄色い原因と復活法は?

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ウンベラータが元気ない!葉が落ちる・黄色い原因と復活法

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こんにちは。観葉スタイル、運営者の「まさび」です。

大切に育てているウンベラータの大きなハート型の葉が、ある日突然パラパラと落ちてしまったり、鮮やかな緑色がくすんで黄色く変色したりすると、本当に焦ってしまいますよね。「私の育て方が悪かったのかな…」「もう枯れてしまうのかな…」と、不安で胸が締め付けられるような気持ち、痛いほどわかります。

実は何を隠そう、私自身もウンベラータを育て始めた当初、冬の寒さ管理に失敗して、自慢の大きな木を丸坊主にしてしまった苦い経験があります。毎朝起きるたびに床に落ちている葉っぱを拾い集めるあの虚しさといったら、言葉になりませんでした。

しかし、そこから必死に勉強し、植物の生理機能を理解してケアを続けた結果、私のウンベラータは見事に復活し、今では以前よりも青々とした葉を茂らせてリビングのシンボルツリーとして輝いています。

諦めないでください。ウンベラータは、私たちが想像している以上に非常に生命力が強く、たくましい植物です。

葉が落ちる原因や根腐れのサインを正しく見極め、それぞれの症状に合った適切な復活のプロトコル(手順)を踏めば、また元気な姿を取り戻してくれる可能性は十分にあります。今回は、私の失敗談や長年の栽培経験をもとに、今すぐやるべき対処法をどこよりも詳しく、そして分かりやすくお伝えします。

ポイント

  • 葉の変色パターンや落葉の仕方から原因を特定する詳細なチェックポイント
  • プロでも間違えやすい「根腐れ」と「根詰まり」の決定的な違いと見分け方
  • 葉がすべて落ちてしまった「丸坊主」の状態からでも復活させる具体的な再生手順
  • もう二度と枯らせないための、季節ごとのメリハリのある正しい管理方法

ウンベラータが元気ない時の症状と原因診断

ウンベラータが元気ない時の症状と原因診断

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「元気がない」とひとことで言っても、そのサインは植物の状態によって千差万別です。

葉が黄色いのか、垂れているのか、それとも黒ずんでいるのか。まずは、目の前のウンベラータがどのようなSOSを出しているのか、まるで主治医になったつもりで冷静に観察することから始めましょう。症状が異なれば、処方すべき「治療法」も全く変わってくるからです。

葉が黄色い変色は日照不足や根腐れか

ウンベラータを育てている方から最も多く寄せられる相談が、「葉が黄色くなって落ちてしまう」という症状です。つい数日前までは綺麗な緑色だった葉が、徐々に黄色くなり、やがて茶色くなって落ちていく現象。

これは、植物体内で何らかのトラブルが起きている証拠ですが、その原因を特定するためには「どの葉が」「どのように」黄色くなったかを見極める必要があります。大きく分けて「生理障害」と「病的な障害」の2つのパターンがあり、ここを見誤ると対策が逆効果になるため、慎重な判断が必要です。

1. 日照不足によるエネルギー不足(生理障害)

まず最初に疑うべき、そして最も可能性が高い原因は「日照不足」です。ウンベラータは、インテリア雑誌などでは部屋の隅や廊下、洗面所などにお洒落に飾られていることが多いですが、本来は熱帯アフリカの陽光が降り注ぐ環境で自生している高木です。

耐陰性(暗さに耐える力)があるといっても、それは「枯れない」というだけであって、「健康に育つ」わけではありません。

部屋の奥まった場所や、北向きの暗い部屋に長期間置いていると、植物は光合成によって十分なエネルギー(糖分)を作り出すことができません。すると植物は、「このままではエネルギー収支がマイナスになり、共倒れになる」と判断します。

そこで、維持コストのかかる古い葉(主に下の方についている葉)から、窒素やマグネシウムといった「植物体内を移動可能な栄養分」を回収し、これから成長しようとする先端の新芽や茎へと転流させます。栄養を吸い取られて「出がらし」状態になった古い葉は、役目を終えて黄色くなり、自ら切り捨てられるのです。

このパターンの特徴は、以下の2点です。

  • 下の方の葉から順番に黄色くなっていく新芽は緑色のままであることが多いです。
  • 葉がパラパラと落ちる黄色くなった後、自然と離層が形成されて落ちます。

もし心当たりがあるなら、植物育成ライトを導入するか、レースのカーテン越しの日光が当たる窓際に移動させる必要があります。

2. 根腐れ・根詰まりによる機能不全(病的障害)

もう一つは、より深刻な「根腐れ」や「根詰まり」の可能性です。これは植物の命に関わる緊急事態です。

もし、土が湿っているのに葉が黄色くなる、あるいは下葉だけでなく、新芽や中間の葉まで黄色く変色している場合、さらには葉の緑色がまだら模様のように不健全に抜けている場合は、根が深刻なダメージを受けている危険性が高いです。

根が機能しないと、水分や養分を吸い上げることができません。

その結果、地上部は水不足と同じような状態になり、葉の葉緑素(クロロフィル)が分解されて黄色くなります。特に、「水やりをしたのに葉の色が戻らない」「土がいつまでも乾かない」という場合は、ほぼ間違いなく根のトラブルです。

自然な代謝(新陳代謝)の可能性も

春から秋の成長期に、新芽がどんどん展開して全体の調子が良い状態で、一番下の古い葉だけが1枚、2枚と黄色くなって落ちるのは「新陳代謝」です。これは人間で言えば髪の毛が生え変わるのと同じ生理現象なので、全く心配いりません。黄色くなった葉は手で摘み取ってあげましょう。

冬の寒さが原因で葉が落ちる際の対策

ウンベラータは熱帯生まれの植物なので、日本の冬、特に「寒さ」が本当に苦手です。私が過去に枯らしかけた原因も、まさにこの寒さ対策の甘さでした。日本には四季がありますが、熱帯植物にとって日本の冬は「死の世界」に近い過酷な環境であることをまずは理解してあげてください。

5℃と10℃の壁:植物が耐えられる限界

ウンベラータが快適に過ごせる温度は20℃以上です。気温が15℃を下回ると成長が緩やかになり、10℃を下回ると生理活動が極端に鈍くなります。この「10℃」というのがひとつのボーダーラインです。

そして、さらに気温が下がり5℃を切ると、細胞内の水分バランスが崩れ、細胞膜が破壊される低温障害(人間でいう凍傷のようなもの)を受けてしまいます。

寒さを感じたウンベラータは、自己防衛本能が働きます。気温が下がると根からの水分吸収能力が著しく低下するため、葉からの蒸散(水分が空気中に逃げること)をそのままにしておくと、体内の水分が枯渇してしまいます。

そこで、水分ロスを防ぐために、緊急避難的に葉の付け根に「離層(りそう)」という組織を作り、葉を切り落とすスイッチを入れます。これが、冬場に急に葉がハラハラと落ちるメカニズムです。これは病気ではなく、生き残るための必死の戦略なのです。

「窓際」は夜間に氷点下近くになることも

特に注意したいのが、「昼間は暖かいリビングの窓際」という落とし穴です。日中は太陽の光が入ってポカポカしていても、日が落ちた途端、窓際は放射冷却によって急激に冷え込みます。最近の住宅は断熱性が高いとはいえ、ガラス一枚隔てた外気は氷点下になることもあります。

この時、窓際(特に床付近)の温度は、部屋の中央に比べて5℃〜10℃も低くなることがあります。

この「昼と夜の激しい温度差(寒暖差ショック)」こそが、植物にとって最大のストレスとなります。人間がサウナと水風呂を何度も繰り返すと体に負担がかかるように、植物もエネルギーを消耗し、耐えきれなくなって葉を落としてしまうのです。

具体的な寒さ対策アクション

冬場に急に葉が落ち始めたら、まずは置き場所を窓際から部屋の中央、あるいは壁際へ移動させてみてください。これだけで落葉がピタリと止まることもあります。もし部屋のレイアウト的に移動が難しい場合は、以下の対策を講じましょう。

  • 厚手のカーテンを閉める夜間は必ずカーテンを閉め、冷気を遮断します。
  • 底冷えを防ぐ冷たい空気は床に溜まります。鉢の下にキャスター付きの台、段ボール、発泡スチロール、コルクマットなどを敷き、床からの冷気が直接鉢(根)に伝わらないようにします。
  • 簡易温室を作る夜間だけ、植物全体に大きな段ボール箱やビニール袋を被せるのも、見た目は悪いですが保温効果が高く、非常に有効な手段です。

詳しくは、ウンベラータの寿命や冬越しについて解説した以下の記事も参考にしてください。寒さによる枯死を防ぐためのより深い知識が得られます。

ウンベラータの寿命は?枯れる原因と長く育てるコツを解説! - 観葉スタイル

根腐れの特徴である土の臭いを確認

「根腐れ」は、ウンベラータを枯らしてしまう最大の原因であり、気づいた時には手遅れになっていることも多い「サイレントキラー」です。

多くの人が「水のやりすぎ」が原因だと考えますが、厳密には水そのものが毒なわけではありません。本質的な原因は、土が常に水浸しになることで土壌粒子の隙間から空気が追い出され、「土壌中の酸素不足(酸欠)」に陥ることです。

嫌気性細菌の増殖メカニズム

植物の根も、私たちと同じように酸素を吸って呼吸しています。しかし、土が常に濡れていると酸素が供給されず、根は窒息状態になります。

酸欠状態が続くと根の細胞が死滅し始めますが、さらに悪いことに、酸素のない環境(嫌気環境)を好む「嫌気性細菌(腐敗菌)」が土の中で爆発的に増殖します。この悪玉菌が、弱った根の細胞壁を分解し、ドロドロに溶かして腐らせてしまうのです。これが根腐れの正体です。

五感を使った診断チェックリスト

根腐れが進行しているかどうかは、見た目だけでなく、嗅覚や触覚を使って多角的に診断する必要があります。

  • 臭い(嗅覚でチェック) 最も確実なサインです。土の表面に鼻を近づけたり、鉢底の穴の匂いを嗅いだりしてみてください。健康な土なら、森のような土の香りや、無臭に近い状態です。しかし、もし「ドブのような腐敗臭」「ツンとするアンモニア臭」「カビ臭いにおい」がした場合は、土の中で細菌による腐敗が進行しています。
  • 幹の硬さ(触覚でチェック) 幹の根元(土に埋まっている部分付近)を指で押してみてください。健康な状態ならカチカチに硬く、張りがあります。しかし、もしブヨブヨと柔らかく凹む感触があったり、指でこすると樹皮がズルっと剥がれたり、中から茶色い汁が出てくる場合は、腐敗が根から吸い上げられ、幹の維管束(導管)まで進行している「末期症状」です。この段階まで来ると、通常の管理での回復は不可能です。
  • 安定感(触覚でチェック) 株元を持って軽く揺らしてみましょう。健康な株は根が土をしっかり掴んでいるためビクともしませんが、根腐れしていると根が溶けてなくなっているため、グラグラと不安定に揺れます。まるで歯槽膿漏で歯が抜ける寸前のような状態です。

水やり後の受け皿に注意

鉢の下の受け皿に水を溜めたままにしていませんか?「どうせ吸うだろう」「加湿になるだろう」と思って放置するのは厳禁です。これは根を長時間水に浸けて窒息させているのと同じ行為です。水やり後は、受け皿に溜まった水は必ず捨ててくださいね。

葉色が悪いならハダニ等の害虫を疑う

葉色が悪いならハダニ等の害虫を疑う

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葉が黄色というより、「なんとなく白っぽく色が抜けている」「葉の表面に針でつついたような白いカスリ状の斑点がある」という場合は、生理障害や病気ではなく、害虫の仕業である可能性が高いです。特に室内管理では、特定の害虫が植物の体力を奪います。

忍び寄る吸汁害虫「ハダニ」

ウンベラータにとって最大の敵とも言えるのがハダニです。体長0.5mmほどの非常に小さな虫で、肉眼では赤い粒や黒い点にしか見えません。彼らは葉の裏側に寄生し、鋭い口針を細胞に突き刺して、植物の栄養分(葉緑素を含む汁)を吸い取ります。

吸われた部分は葉緑素がなくなるため白く色が抜け、被害が広がると葉全体が白っぽく掠れたような色になり、光合成ができなくなって落葉します。

ハダニは「高温乾燥」を好む性質があります。そのため、雨が当たらない室内や、エアコンの風が直接当たるような場所では、天敵もおらず湿度が低いため、爆発的に増殖します。

メスは1日に何個も卵を産み、短期間で成虫になるため、放置するとあっという間に数千匹に増えます。被害が進むと、葉の周りや枝の分岐点に、薄い蜘蛛の巣のような糸を張ることがあります。

ベタベタ汚れは「カイガラムシ」

また、葉の表面や、鉢の周りの床(フローリング)がベタベタしていませんか?もし透明なベタベタした液(甘露)がついている場合は、「カイガラムシ」や「アブラムシ」が潜んでいます。

これらは植物の汁を吸って、糖分を含んだ排泄物をまき散らします。この排泄物を栄養源として「すす病」という黒いカビが発生し、葉が黒く汚れる二次被害も引き起こします。

カイガラムシは、白い綿のような塊だったり、茶色い硬い殻を被っていたりします。成虫になると薬剤が効きにくくなるため、見つけ次第、歯ブラシや濡らしたティッシュで物理的にこすり落とすのが最も効果的です。

水切れで葉が垂れる症状の見分け方

水切れで葉が垂れる症状の見分け方

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ウンベラータの大きなハート型の葉が、だらりと力なく垂れ下がっているのを見たことはありませんか?これは植物の細胞内の水分圧(膨圧)が低下し、葉を広げて支えるための張りを保てなくなっている状態、いわゆる「萎れ」です。

ここで植物の命を左右するほど重要なのが、その原因が「単純な水切れ(乾燥)」なのか、それとも「根腐れ」なのかを見極めることです。

この2つは「葉が垂れる」という見た目の症状は同じですが、体内での状態は真逆です。対処法も「水をやる」vs「水を断つ」と正反対になるため、ここでの誤診は致命的となります。

診断項目水切れ(乾燥)根腐れ(過湿)
土の状態表面も中もカラカラに白っぽく乾いている。鉢を持ち上げると非常に軽い。指を第一関節まで入れても黒っぽくジメジメ湿っている。鉢はずっしりと重い。
葉の様子葉色は緑のまま、全体的にクタクタと垂れる。新芽も柔らかく萎れる。垂れると同時に、葉が黄色く変色したり、黒ずんだ斑点が出たりする。
幹の状態シワが寄ることはあるが、硬さはある。根元がブヨブヨと柔らかくなっていることがある。
水やり後の反応水をあげて数時間〜半日でシャキッと元に戻る。水をあげても戻らない。むしろ翌日さらに垂れ下がり、悪化する。

誤った「優しさ」が命取りに

もし、土がまだ湿っているのに葉が垂れている場合は、根が腐って機能を失い、水を吸い上げられなくなっている明確なサインです。根が腐っているのに地上部は水不足になっているという矛盾した状態です。

ここで「元気がないから水をあげよう」と水を足してしまうと、酸欠状態の根にさらに追い打ちをかけ、腐敗を一気に加速させてトドメを刺すことになります。

この場合は、即座に水やりをストップし、風通しの良い場所で土を乾かすことに全力を注いでください。サーキュレーターの風を鉢(土)に当てて、強制的に乾燥させるのも有効です。

葉が下を向く症状についてのより詳細な原因と対策は、以下の記事でも解説しています。判断に迷ったらぜひ参考にしてください。

ウンベラータの葉が下を向く原因は?復活させる水やりと対処法 - 観葉スタイル

元気ないウンベラータを復活させる方法

元気ないウンベラータを復活させる方法

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原因がある程度特定できたでしょうか?ここからは、弱ってしまったウンベラータを救出するための具体的な「復活ミッション」に移りましょう。

症状の進行度(レベル)に合わせて、焦らず適切なケアを行ってください。植物には自然治癒力があります。私たちができるのは、その治癒力を最大限に引き出す環境を整えてあげることです。

置き場所を変えて復活させる基本ケア

まだ葉が少し黄色い程度や、なんとなく葉の向きが悪い、元気がないといった「軽度の不調」であれば、環境を見直すだけで劇的に回復することがよくあります。植物にとって最適な環境こそが、どんな肥料よりも効果的な特効薬だからです。

光の「リハビリ」を行う(光順化)

まずは置き場所の見直しです。ウンベラータにとっての特等席は、「レースのカーテン越しの日光がたっぷり当たる、風通しの良い場所」です。もし今まで暗い場所に置いていた場合は、明るい場所へ移動させますが、ここで注意点があります。

暗い場所に慣れていた葉を、いきなり強い光(直射日光)に当てると、葉の組織がびっくりして火傷する「葉焼け」を起こし、白く色が抜けて枯れてしまいます。人間が真夏に肌を焼くのと同じです。

最初は窓から少し離れた場所や明るい日陰に置き、1週間ごとに1メートルずつ窓際に近づけていくようなイメージで、徐々に光に慣れさせる「光順化(ひかりじゅんか)」というリハビリ期間を設けてください。

肥料ではなく「活力剤」を

よくある間違いが、「元気がないから栄養ドリンク(肥料)をあげよう」として、白い固形肥料やアンプル剤を挿してしまうことです。これは絶対にNGです。弱っている根にとって、窒素・リン酸・カリなどの濃い肥料成分は刺激が強すぎます。

浸透圧の関係で逆に根から水分を奪われ、「肥料焼け」を起こして枯れてしまいます。人間で言えば、胃腸炎で高熱を出して寝込んでいる時に、無理やりステーキやカツ丼を食べさせるようなものです。

弱っている時は、肥料は全て取り除いてください。代わりに、鉄分やミネラルを含み、根の発根をサポートする「植物活力剤(メネデールやリキダスなど)」を使用します。

規定量より少し薄めに希釈して水やりの際に与えるのがおすすめです。これは食事ではなくサプリメントのようなもので、穏やかに回復を助けてくれます。

根詰まりを解消する植え替えの手順

水をあげても土に染み込まずいつまでも水溜まりになる、あるいは鉢底の穴から根がたくさんはみ出している場合は、鉢の中で根がパンパンに詰まった「根詰まり」が原因で元気がなくなっています。

根が呼吸できず、養分も吸収できない、いわば「満員電車」のような状態です。この場合は、新しい土と広い鉢へ引っ越しさせる「植え替え」が必要です。

絶対に守るべき「時期」

ただし、植え替えは根に大きな負担をかける外科手術のようなものです。行う時期を間違えると命取りになります。適期は、ウンベラータの成長期である5月中旬から9月中旬の暖かい時期です。

気温が低い冬場に弱っているからといって植え替えを行うと、根が修復されずそのまま枯れてしまうリスクが非常に高いです。

もし冬場に根詰まりに気づいた場合は、春が来るまで水やりを工夫して乗り切るのが賢明です。どうしても水が入らない場合は、割り箸などで土に垂直に穴を開けて水の通り道を作ってあげましょう。

失敗しない植え替えのステップ

  • 準備:一回り大きな鉢(大きすぎると土が乾きにくくなり過湿の原因になるので注意)と、水はけの良い「観葉植物用の土」を用意します。
  • 抜く:株を鉢から優しく引き抜きます。根が固まっている場合は、鉢の側面を叩いて隙間を作ります。
  • 整理:根鉢(根と土の塊)を軽くほぐします。この時、黒ずんでボロボロと崩れる腐った根や、長く伸びすぎて鉢の中でとぐろを巻いている根は、清潔なハサミで切り落として整理します。健康な白い根は極力傷つけないようにしましょう。
  • 植える:新しい鉢に鉢底石を敷き、新しい土で植え付けます。割り箸などの棒で土をつつき、根の隙間までしっかり土が入るようにします。
  • 養生:植え替え直後はたっぷりと水を与え(微塵を洗い流すため)、その後1週間〜10日ほどは直射日光の当たらない、風通しの良い明るい日陰で静かに休ませます。この期間は肥料を与えてはいけません。

 

剪定して丸坊主の状態から再生させる

剪定して丸坊主の状態から再生させる

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もし、冬の寒さや重度の根腐れで葉が全て落ちてしまったり、幹の上部がシワシワに枯れ込んでしまったりしても、まだ諦めるのは早いです。

ウンベラータの最大の武器はその恐るべき「萌芽力(ほうがリょく)」です。幹の内部さえ生きていれば、葉が一枚もない「丸坊主」の状態からでも再生が可能です。

勇気を出して「外科手術」を

まず、幹の状態を確認します。幹の上部から少しずつハサミを入れてみてください。切り口が茶色くパサパサに乾燥している、あるいは黒く腐っている部分はすでに死んでいます。

さらに下へ切り進め、切り口から白い樹液がじわっとにじみ出てくる「緑色の層(形成層)」が見える部分まで到達したら、そこが生きているラインです。

ブヨブヨに腐ってしまった枝や幹は、健康な部分との境界線で思い切ってノコギリや剪定バサミでカットします。「こんなに短く切って大丈夫?ただの棒になってしまった…」と不安になるかもしれませんが、腐敗菌を残す方が植物全体に菌が回って危険です。

切り口には、雑菌の侵入と水分の蒸発を防ぐために「癒合剤(トップジンMペーストやカルスメイトなど)」を塗っておくと安心です。

再生までの長いトンネル

健康な幹だけを残して植え替え(根腐れの場合は腐った根も切除)を行い、明るく暖かい場所(20℃以上が理想)で管理します。葉がないので植物からの水分の蒸散がほとんどありません。

そのため、土がなかなか乾かなくなります。水やりは「土が完全に乾いてから」さらに数日待ってから行うなど、非常に控えめに行います。

早ければ1ヶ月、気温が低いと数ヶ月かかることもありますが、やがて幹の側面から赤い小さな突起(新芽)がプチっと顔を出します。あの瞬間の感動は、ガーデナーにしか味わえない喜びです。そこからは驚くほどのスピードで葉が展開し、半年もすれば立派な姿に戻ります。

再生のための剪定や、切り落とした枝を使った挿し木については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

ウンベラータの葉の間引き方法!剪定時期と失敗しないコツは? - 観葉スタイル

今後の予防に向けた正しい育て方

今後の予防に向けた正しい育て方

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無事にウンベラータが復活したら、もう二度と同じ悲劇を繰り返さないために、予防ケアを習慣化しましょう。ポイントは、植物を過保護にするのではなく、自立を促す「メリハリ」のある管理です。

水やりの黄金ルール

水やりは「土の表面が白っぽく乾いてから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと」が基本ですが、さらに踏み込んで「指で土を触る」ことを習慣にしてください。表面が乾いていても、指を第一関節まで入れるとまだ湿っていることがよくあります。

この状態で水をやると根腐れ一直線です。「完全に乾ききってから水をやる」というサイクルを作ることで、根は水を求めて伸びようとし、強く太い根系が育ちます。水分計(サスティーなど)を使うのも視覚的にわかりやすくておすすめです。

「葉水」は毎日のスキンシップ

霧吹きで葉の表と裏に水をかける「葉水(はみず)」は、単なる水分補給ではありません。ハダニの予防に絶大な効果があるほか、葉の表面の汚れを落として気孔の詰まりを防ぎ、光合成効率を高める効果もあります。

できれば毎日、忙しくても2〜3日に1回は葉水を行ってください。特に葉の裏側へのスプレーが重要です。

風を操る

室内管理で意外と見落としがちなのが「風通し」です。空気が滞留すると、蒸れや病害虫の原因になります。

特に水やり後の土を乾かすためにも、サーキュレーターを使って、部屋の空気を優しく循環させましょう。ただし、植物に直接強風を当てるのはストレスになるので、壁や天井に向けて空気を回すのがコツです。

ウンベラータが元気ない時は早めの対処を

ウンベラータが元気をなくしてしまうのには、必ず理由があります。彼らは言葉を話せませんが、葉を落としたり、色を変えたりすることで、必死に「環境が合わないよ」「根っこが苦しいよ」というメッセージを送ってくれています。

最後に改めてお伝えしたいのは、「早期発見・早期対処」の大切さです。根腐れも初期段階であれば、水やりを控えて乾燥させるだけで回復することもあります。

逆に、見て見ぬ振りをして幹がブヨブヨになるまで放置してしまうと、復活の難易度は格段に上がり、再生までに長い時間を要することになります。

毎朝のコーヒータイムに、少しでいいので「今日の葉っぱの調子はどうかな?」と観察してあげてください。葉の色ツヤ、立ち上がり方、土の乾き具合。日々の小さな変化に気づけるようになれば、あなたはもう立派なグリーンのパートナーです。

あなたのウンベラータが、また青々とした大きなハートの葉を広げ、健やかに育ってくれることを心から応援しています!

  • この記事を書いた人
パキラを持つ運営者

まさび

『観葉植物のある暮らしスタイル』管理人のまさびです。失敗から学んだ実体験と深い知識で、観葉植物の育て方(特にパキラ)を優しく解説。あなたのグリーンライフを応援します。

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