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こんにちは。観葉スタイル、運営者の「まさび」です。艶のある鮮やかなグリーンの葉っぱが魅力的なポトス。お部屋にひとつあるだけで、空間がパッと明るくなりますよね。
私も大好きな植物で、リビングや洗面所などいろいろな場所に飾っています。植物好きの友人とお茶をしていると、必ずと言っていいほど「ポトスってどんどん増えて可愛いよね」という話題で持ちきりになります。
でも、愛犬や愛猫と暮らしている飼い主さんにとって、どうしても気になるのが「この植物、ペットに危険じゃないのかな?」という点ではないでしょうか。
ふと目を離した隙に、愛猫が葉っぱにじゃれついていたり、愛犬が落ち葉をクンクンしていたりするのを見て、ヒヤッとした経験がある方もいるかもしれません。
実はポトスには、ペットが口にすると危険な成分が含まれており、誤食するとさまざまな症状を引き起こす可能性があります。大切な家族を守るためには、正しい知識と対策が必要です。
この記事では、ポトスがなぜ危険なのか、万が一食べてしまったらどうなるのか、そしてポトスの代わりに安心して飾れるおすすめの観葉植物にはどんなものがあるのかを、私の経験も交えながらわかりやすくお話しします。
ポイント
- ポトスに含まれる毒性成分「シュウ酸カルシウム」の正体と仕組み
- 猫や犬が誤って食べた時に現れる具体的な症状と緊急時のサイン
- 万が一の誤食事故が起きた際の家庭での応急処置と病院への受診基準
- ポトスの代わりとして安心して飾れる安全な観葉植物と具体的な対策
コンテンツ
ポトスは猫や犬に危険?毒性と症状の真実

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「ポトスは丈夫で育てやすい」というのが私たち植物好きの共通認識ですが、実はその丈夫さの裏には、外敵から身を守るための強力な防御システムが隠されています。
植物は動くことができないため、虫や動物に食べられないよう、体内に「化学兵器」のような物質を備えて進化してきました。
ここでは、なぜポトスが犬や猫にとって危険な存在となり得るのか、そのメカニズムと具体的な症状について、少し専門的なお話も噛み砕いて解説していきますね。
ポトスの毒性はシュウ酸カルシウムが原因

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まず結論からお伝えすると、ポトスの葉や茎には「シュウ酸カルシウム」という成分が含まれています。これがペットにとって有害な物質の正体です。
この物質は、ポトスだけでなく、モンステラやディフェンバキアといったサトイモ科の植物全般に含まれている共通の厄介者でもあります。
「シュウ酸カルシウム」と聞くと化学の授業みたいで難しそうですが、簡単に言うと「目に見えないミクロの針」だとイメージしてください。専門的には「針状結晶(ラフィド)」と呼ばれます。
ポトスの細胞の中には、このガラス細工のように鋭利な針状の結晶が、何百、何千という束になって「異形細胞(idioblast)」という特殊なカプセルの中に隠されています。
普段、このカプセルは静かに閉じていますが、犬や猫が葉っぱをガブッと噛んだり、強い力で踏みつけたりした瞬間、細胞に物理的な圧力がかかります。
すると、カプセルが爆発するように壊れて、内包されていた無数の針が「バシュッ!」と勢いよく飛び出し、口の中の粘膜や舌、喉の奥の柔らかい組織に物理的に突き刺さるのです。これはミクロのレベルで起きている現象ですが、想像しただけでも痛そうですよね…。
身近な例で言うと、生のパイナップルやキウイを食べ過ぎた時に、舌がピリピリしたり血が滲んだりした経験はありませんか?あれも実は、フルーツに含まれるシュウ酸カルシウムの結晶と酵素が舌を刺激している現象なんです。
ポトスの場合は、あのピリピリ感が何十倍にも増幅されたような衝撃が、口の中全体に走ると考えてみてください。
さらに怖いのが酵素の力
ただ針が刺さるだけではありません。ポトスには針と一緒に「タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)」という成分も含まれています。動物が噛んで針が刺さると、同時にこの酵素も放出され、針によってできた無数の微細な傷口から組織の内部へと侵入します。
この酵素が組織を溶かしながら炎症物質(ヒスタミンなど)を遊離させることで、単なる「チクッとする痛み」が、焼けるような「激痛」へと変わり、激しい炎症や腫れを急速に引き起こす原因となります。
この防御システムは非常に即効性があるため、噛んだ動物はすぐに「これは食べ物ではない!危険だ!」と学習します。
植物にとっては、自分自身の身を守るための素晴らしい生存戦略なのですが、何も知らない私たちの愛するペットたちにとっては、恐ろしい罠となってしまうのです。
ポトスの毒性について、より詳しいメカニズムや他のサトイモ科植物との比較を知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
猫がポトスを食べてしまった時の症状
猫ちゃんは、もともと狩猟本能が強いため、風に揺れるポトスのつるや葉っぱを見ると、ついつい手を出したくなる生き物です。
また、きれい好きな彼らは頻繁にグルーミング(毛づくろい)を行うため、口の中の感覚が非常に敏感にできています。舌の表面にはザラザラした突起があり、異物を感知する能力が高いのですが、これがポトスの毒性に関しては裏目に出てしまうことがあります。
もし猫がポトスを興味本位で噛んでしまった場合、シュウ酸カルシウムの針が舌や口内の粘膜に一斉に刺さります。その結果、噛んだ直後から数分以内という非常に早い段階で、次のような激しい拒絶反応を見せることが多いです。
口腔内への激しい刺激反応
- 口を気にする仕草(Pawing at mouth):突然、狂ったように前足で口を掻きむしる動作をします。これは、口の中に刺さった見えない針の痛みと違和感をどうにかして取り除こうとする必死の行動です。
- 過剰なよだれ(Hypersalivation):痛みと粘膜への刺激に対する防御反応として、唾液が大量に分泌されます。時には、カニのように口から泡を吹いて、顎の下がビショビショになるほど溢れ出る様子が見られます。
- 頭を振る(Head shaking):口の中の焼けるような不快感から逃れようと、ブルブルと激しく頭を振ることがあります。
- 異常な鳴き声:痛みでパニックになり、聞いたこともないような低い唸り声や、悲痛な声を上げることがあります。
目に見える身体的変化
- 口内の腫れと発赤:唇、舌、歯茎、口の奥の粘膜が真っ赤に充血し、パンパンに腫れ上がります。舌が腫れすぎると口の中に収まらなくなり、口を半開きにしたままになることもあります。
- 嚥下障害(飲み込みにくそうにする):喉の奥が腫れることで、水やご飯を飲み込むことができなくなります。唾液さえ飲み込めずに垂れ流してしまうのはこのためです。
特に猫の場合、体のサイズが小さく、喉の構造も繊細です。もし舌の根元や喉(咽頭部)が激しく腫れ上がってしまうと、空気の通り道である気道が圧迫されて狭くなりやすいというリスクがあります。
「いつもと鳴き声が違う」「ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音がする」といった場合は、呼吸困難の前兆である可能性があり、特に注意が必要です。
腎臓への影響についての補足
猫の飼い主さんが特に敏感になるのが「腎不全」のリスクだと思います。
ユリ科の植物(カサブランカなど)は花粉を舐めただけで急性腎不全を起こす猛毒ですが、ポトスの「不溶性シュウ酸カルシウム」は、基本的には腎臓に直接ダメージを与えるものではありません。
ただし、激しい口の痛みで水を飲めなくなり、さらに嘔吐を繰り返すことで重度の脱水状態になると、二次的に腎臓へ負担がかかる可能性はゼロではありません。
犬が誤食した場合の危険性と対処法
ワンちゃんの場合、猫とは少し違った行動パターンとリスクがあります。
猫が「味見」をするように少しずつ噛むのに対し、犬(特に好奇心旺盛な子犬や食欲旺盛なレトリバーなどの大型犬)は、「食べられるかな?」と思ったら躊躇なく「バクッ!」と口に入れ、あまり噛まずに丸呑みしてしまう傾向があるからです。
また、留守番中の退屈しのぎに、鉢ごとひっくり返して葉っぱを大量に引きちぎって遊んでしまうケースも少なくありません。
そのため、犬の場合は口の中の痛みに加えて、飲み込んだ後の消化器系の症状が強く出ることがあります。胃の中に到達したシュウ酸カルシウムの結晶と植物の繊維が、胃壁を直接刺激し続けるからです。
| 症状の分類 | 具体的な様子と犬特有のリスク |
|---|---|
| 口腔内の症状 | よだれ、口をクチャクチャさせる、前足で口をこする。猫に比べると痛みに強い個体も多く、我慢してしまうことも。 |
| 消化器の症状 | 激しい嘔吐:胃の粘膜が刺激され、食べたものをすべて吐き出そうとします。胆汁(黄色い液体)や泡を吐くこともあります。 食欲不振:胃の不快感と口の痛みで、大好きなオヤツさえ拒否するようになります。 下痢:稀ですが、腸まで刺激が達すると軟便や下痢になることがあります。 |
| 目の症状 | 植物を噛みちぎって遊んでいる最中に、飛び散った樹液や結晶が目に入ることがあります。目が充血したり、前足で目をこすったり、ショボショボさせて開かなくなったりします(結膜炎や角膜炎のリスク)。 |
もし愛犬がポトスを誤食している現場を発見したら、飼い主さんはパニックにならず、まずは落ち着いて行動することが大切です。口の中にまだ葉っぱが残っているなら、優しく取り除いてあげてください。
そして、スポイトやシリンジがあれば水で口の中を洗い流してあげると、針状結晶が物理的に流れて痛みが和らぐことがあります。ただし、嫌がって暴れる場合は誤嚥(気管に水が入ること)の危険があるため、無理強いは禁物です。
【絶対禁止】自己判断での催吐処置はNG!
ネット上には「オキシドールや塩を飲ませて吐かせる」という民間療法が書かれていることがありますが、これは獣医師の指示がない限り絶対にやめてください。ポトスの結晶は鋭利な針です。
無理に吐かせると、食道を通過する際に再び粘膜を傷つけ(往復ビンタのように二重のダメージを与えます)、食道炎や食道穿孔といったさらに重篤な事態を招く恐れがあります。
また、塩の過剰摂取は高ナトリウム血症による中毒死のリスクさえあります。
ポトスの致死量と危険な誤解について
ここでひとつ、冷静になっていただきたい重要なポイントがあります。愛犬や愛猫がポトスを食べてしまった飼い主さんは、「毒=死んでしまう!」と最悪のケースを想像してパニックになりがちです。
しかし、獣医学的な知見に基づくと、ポトスを少し噛んだだけで即死するようなケースは極めて稀であると言われています。
なぜかというと、ポトスの毒性は「遅効性の猛毒(体内でゆっくり回って臓器を壊す)」タイプではなく、「即効性の激痛(食べた瞬間に物理的な痛みを与える)」タイプだからです。この「痛み」こそが、実は最大の安全装置になっています。
ワンちゃんもネコちゃんも、一口噛んで「痛い!」「口が熱い!」と感じたら、本能的にそれ以上食べるのをやめ、吐き出そうとします。
これを専門用語で「自己制限的(Self-limiting)」な中毒と呼びます。そのため、致死量に達するほどの大量の葉っぱを、痛みを我慢してまで完食することは、通常では考えにくいのです。
この点は、花瓶の水を舐めただけで腎臓が壊れて死に至るユリや、心臓を止めるキョウチクトウといった「真の猛毒植物」とは決定的に異なる性質です。
ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)のデータベースにおいても、ポトス(Golden Pothos)は「Toxic(有毒)」に分類されていますが、その症状は主に口内炎や消化器症状であり、全身性の臓器不全による死亡例は非常に少ないとされています。
(出典:ASPCA Toxic and Non-Toxic Plants List)
とはいえ、「死なないから安全」という意味では決してありません。痛みや不快感はペットにとって大きなストレスですし、体質や基礎疾患によっては重症化するリスクもゼロではありません。
「過度にパニックになって救急車を呼ぶ必要はないかもしれないが、決して楽観視して放置してはいけない」という、冷静かつ慎重なスタンスを持つことが大切です。
嘔吐や痙攣など病院へ行くべきサイン

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「じゃあ、どのくらいの症状なら様子を見てよくて、どんな状態なら病院へ行くべきなの?」という判断基準(トリアージ)は、飼い主さんにとって一番悩ましいところですよね。
基本的には「迷ったら電話で相談」が正解ですが、以下のような危険なサインが見られる場合は、夜間であっても躊躇せず動物病院へ連絡し、受診してください。
緊急性が高い危険なサイン
- 呼吸が苦しそう(呼吸困難):これが最も危険な状態です。喉の奥がアナフィラキシー様反応で激しく腫れ上がり、空気の通り道を塞いでしまっている可能性があります。舌の色が紫色(チアノーゼ)になっていたり、首を伸ばして懸命に息を吸おうとしていたりする場合は一刻を争います。
- 嘔吐が止まらない:一度や二度吐いてスッキリするのではなく、何度も激しく吐き続け、水も受け付けない場合。急速に脱水が進み、特に子猫や子犬、老犬にとっては命に関わる状態になり得ます。
- 著しい元気消失(虚脱状態):呼びかけに反応しない、ぐったりして動かない、視線が定まらないといった状態は、単なる口の痛み以上の全身的なショック状態を示唆しています。
- 目の異常:目が開かないほどパンパンに腫れている、あるいは角膜が白く濁っている場合。失明のリスクを防ぐため、早急な眼科処置が必要です。
動物病院を受診する際のポイント
スムーズな診察のために、以下の情報をメモして獣医師に伝えると非常に役立ちます。
獣医師に伝えるべき情報
- 何を:植物の名前(「ポトス」と伝えるだけでなく、可能であれば現物か、葉っぱの写真をスマホで撮って持参すると確実です)。
- どの部分を:葉っぱなのか、茎なのか、根っこなのか。
- どのくらい:葉っぱ半分程度なのか、丸々一枚なのか、あるいは鉢の土ごと掘り返したのか。
- いつ:発見した時間や、最後に元気だった時間。
- 既往歴:現在治療中の病気やアレルギーの有無。
病院での治療は、解毒剤(アンチドート)が存在しないため、基本的には対症療法になります。
痛みを和らげるための鎮痛剤、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン剤やステロイド、脱水を補正するための点滴、胃粘膜を保護する薬などが状況に応じて投与されます。重症でなければ、数日から1週間程度で回復することがほとんどです。
猫や犬とポトスの共存へ!安全な代替植物

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ここまで、少し怖い話を詳しくしすぎてしまったかもしれません。「こんなに危険なら、もう植物を置くのは諦めるしかないのかな…」と肩を落としている飼い主さんもいるのではないでしょうか。
でも、どうか安心してください。「ペットがいるから植物のある暮らしは諦めなきゃいけない」なんてことは、決してありません!
世界には何万種類もの植物があり、その中にはポトスのように育てやすくて、見た目も可愛らしいけれど、万が一ペットが口にしても安全な植物(Non-Toxic)がたくさん存在しています。
ここからは、植物マニアであり愛猫家でもある私が、自信を持っておすすめできる「ポトスの代わりになる植物」たちを紹介していきます。
「安全だから仕方なく選ぶ」のではなく、「これが可愛いから選びたい!」と思えるような魅力的な子たちばかりですよ。
ポトスの代わりになる安全な観葉植物

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安全な植物を選ぶ際の最大の基準は、先ほども登場したASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)などの公的な毒性リストで「無毒(Non-Toxic)」と分類されているかどうかです。私が実際に自宅で育ててみて、「これはポトス好きさんにも刺さるはず!」と感じた選りすぐりの植物たちをピックアップしました。
【決定版】おすすめの安全植物リスト
- テーブルヤシ(Chamaedorea elegans) フサフサした涼しげな葉が特徴の小型のヤシです。猫ちゃんにとっては、風に揺れる葉が猫じゃらしに見えるようで、ついつい遊んでしまうこともありますが、成分的には無毒です。むしろ「猫草」の代わりに食べる子もいるくらい安全です(食べ過ぎると繊維質で吐くことはありますが中毒ではありません)。耐陰性も強く、ポトスと同じように少し暗い場所でも元気に育ちます。
- オリヅルラン(Chlorophytum comosum) ポトスの魅力である「垂れ下がる姿」を再現できる最高の代替植物です。親株からランナーと呼ばれる茎を伸ばし、その先に子株をつけた姿が折り鶴のように見えることから名付けられました。これをハンギングにすると、ポトスに負けないくらいボリュームが出ておしゃれになります。根っこに水分を蓄える性質があり、乾燥にも強いのでズボラさんにもぴったりです。
- ボストンファーン(Nephrolepis exaltata) ボリュームたっぷりのシダ植物です。鮮やかなライムグリーンの葉がワサワサと茂る姿は、お部屋を一瞬で森のような癒やし空間に変えてくれます。シダなので湿気を好み、お風呂場や洗面所など、ポトスを置きたくなるような水回りの環境とも相性抜群。猫が葉の間に入り込んで隠れ家にするのも可愛いですよ。
- エバーフレッシュ(Pithecellobium confertum) こちらは少し大きめの木ですが、夜になると葉を閉じて眠る(就眠運動)姿が愛らしい植物です。繊細な葉姿はインテリア性が高く、どんな部屋にも馴染みます。無毒なので、床置きのシンボルツリーを探している方には最適です。
パキラやガジュマルは猫に安全か
観葉植物の定番中の定番、「パキラ」や「ガジュマル」についても、「これらはどうなの?」という疑問をよくいただきます。ホームセンターや100円ショップでも手に入る身近な植物だからこそ、気になりますよね。
まずパキラですが、これは私が胸を張って言いますが、犬猫に対して安全(Non-Toxic)な植物の代表格です!ポトスのようなツル性ではありませんが、「丈夫さ」「耐陰性」「成長の早さ」という点ではポトスに負けません。
「とりあえず何か一つ、安全で枯れにくいグリーンを置きたい」という方には、迷わずパキラをおすすめします。幹を編み込んだおしゃれな仕立ても多く、インテリアの主役になれます。
パキラの安全性や置き場所については、こちらの記事でさらに詳しく解説していますので、導入を検討している方はぜひご覧ください。
パキラの毒性は?ペットや赤ちゃんへの安全性と置き場所を解説!
一方でガジュマルについては、少し慎重になる必要があります。一般的に多くのサイトで「安全」と紹介されていますが、植物分類学的にはゴムの木やベンジャミンと同じ「クワ科イチジク属(Ficus)」の仲間です。
このフィカス属の植物は、幹や葉を傷つけると白い粘り気のある「樹液(ラテックス)」を出すのが特徴です。
この白い樹液には、ゴムの成分が含まれており、人間でも肌が弱い人が触れるとかぶれることがあります(ラテックスアレルギー)。
ペットの場合も同様で、樹液に触れると皮膚炎を起こしたり、舐めると口の中が荒れたり、嘔吐や下痢といった消化器症状を引き起こすリスクがあります。
ポトスのように「刺さって激痛!」というほどの攻撃性はありませんが、パキラやペペロミアのような「完全無害」な植物と同列に扱うのは少し危険です。
「絶対に置いてはいけない」というレベルではありませんが、もしガジュマルを置くなら、イタズラ好きな猫ちゃんが幹で爪とぎをして樹液を出してしまわないよう、置き場所に工夫が必要な「グレーゾーン」の植物だと私は考えています。
ペペロミアは無毒でポトスに似ている
私が「ポトスの代わり」として、個人的に最強におすすめしたいのが、コショウ科の「ペペロミア」という植物です。ペペロミアは世界に1000種類以上あると言われる大家族なのですが、そのバリエーションの豊かさがすごいんです。
特におすすめなのが、「ペペロミア・オブツシフォリア(別名:ベビーラバープラント)」という種類です。この植物、葉っぱが肉厚でツヤツヤしていて、丸みを帯びた形がポトスやゴムの木にそっくりなんです!
「斑入り(マーブル模様)」の品種もあり、見た目はまるでゴールデンポトスやマーブルクイーンのよう。でも、毒性は一切ありません。
また、「ペペロミア・プロストラータ(別名:タートルストリング)」のように、細い茎を伸ばしてツルが垂れ下がるタイプもあります。葉っぱに亀の甲羅のような模様が入っていてとてもユニークです。
「ポトスのあの垂れ下がる感じが好きだったのに…」というハンギング派の方は、ぜひこのペペロミアを探してみてください。
ペペロミアは「ペーパードライ」とも呼ばれるほど乾燥に強く、水をやりすぎるよりも少し忘れているくらいの方が元気に育つので、管理の手間もポトスと同じくらい、いやそれ以上に楽ちんですよ。
ハンギングでポトスを吊るす安全対策

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ここまで代替植物を紹介してきましたが、「それでもやっぱり、どうしてもポトスを飾りたい!」という方もいると思います。その気持ち、痛いほどわかります。
ポトスのあの生命力溢れる姿、どんな環境にも適応する強さは、他の植物には代えがたい魅力がありますもんね。
もし、ペットがいる環境でポトスを置くなら、中途半端な対策ではなく、徹底的な「物理的隔離(ゾーニング)」が必要です。しつけで「食べちゃダメ」と教えるのは、植物に関してはほぼ不可能だと思ってください。
一番確実で、かつインテリアとしてもおしゃれなのが、ペットの手が絶対に届かない天井や壁の高い位置から吊るす「ハンギング」です。
ハンギングの具体的なアイデア
- マクラメハンガーを活用する:紐で編まれたプラントハンガーに鉢を入れて吊るす方法です。ナチュラルな雰囲気がポトスと相性抜群です。
- ダクトレール(ライティングレール)を使う:照明用のレールに専用のフックを取り付ければ、部屋の好きな位置に植物を吊るせます。ペンダントライトとグリーンを並べると、カフェのような空間になりますよ。
- 突っ張り棒(ドローアラインなど):天井と床で突っ張るタイプのインテリアポールを使い、高い位置にトレイを設置します。これなら賃貸でも壁に穴を開けずに済みます。
設置する高さは、床から1.5メートル〜2メートル以上をキープしましょう。ただし、猫ちゃんは「忍者」です。近くにキャットタワーや本棚、ソファの背もたれ、カーテンレールなどがあると、それを足場にして驚くようなジャンプ力で飛び移ってきます。
「ここなら届かないだろう」という人間の甘い予測は簡単に裏切られますので、猫の導線をシミュレーションして、絶対に飛び移れない孤立した「空中の聖域」を作ることが重要です。
また、ハンギングで育てていると、ポトスはどんどんツルを伸ばして下に垂れてきます。成長して床に近づいてしまうと意味がありませんので、こまめに剪定(カット)をして、長さをキープすることも忘れずに。
ハンギングで育てて伸びすぎたポトスの剪定方法や、切ったつるの活用術については、こちらの記事も参考にしてみてください。
ポトスと猫や犬が暮らすためのまとめ
今回は、ポトスの毒性と、ペットと安心して暮らすための代替植物についてお話ししてきました。
ポトスには「シュウ酸カルシウム」という針状の成分と酵素が含まれており、犬や猫が食べると口の中の激しい痛みや腫れを引き起こすリスクがあります。
致死性は低いとはいえ、大切な家族に痛い思いをさせるのは避けたいですよね。基本的には「ペットの届く場所には置かない」のが鉄則です。
でも、だからといってグリーンのある暮らしを諦める必要はありません。パキラやペペロミア、オリヅルランなど、科学的に安全性が証明された魅力的な植物はたくさんあります。
また、どうしてもポトスを愛でたい場合は、ハンギングなどの知恵を駆使して「絶対に触れさせない環境」を作れば、リスクを最小限に抑えて共存することも可能です。
大切な家族であるペットの安全を守りながら、私たち人間も植物に癒やされる。そんな素敵な「共生」の形を、ぜひ見つけてみてくださいね。あなたのボタニカルライフが、ペットと共に笑顔あふれるものになりますように。