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こんにちは。観葉スタイル、運営者の「まさび」です。
観葉植物を探していると、「ティーリーフ」と「ドラセナ」、この二つ、本当によく似ていて混乱しませんか?
特に園芸店で「赤ドラセナ」という名前で売られている、あの鮮やかな赤い葉の植物。でも、少し離れた場所には「コルディリネ・ルビー」なんて名前で、そっくりな植物が並んでいたり…。
私も昔、ガーデンセンターで「これって結局どっちなんだろう?」「値段も微妙に違うけど、何が違うの?」と、鉢を何度も見比べては本気で悩んだことが何度もあります。
見た目がそっくりなだけでなく、有名な「幸福の木」がどちらの仲間なのか、いまいちハッキリしなかったり。育て方に違いはあるのか、特に冬の寒さ(耐寒性)や屋外での管理が可能か、といった情報は切実ですよね。
「根の色で見分ける方法がある」と聞いても、さすがに購入時に鉢から引っこ抜いて土の中まで確認するわけにもいきませんし…。長年、このモヤモヤを抱えている愛好家の方、実は多いんじゃないかなと思います。
この記事では、そんな長年の「どっち問題」をスッキリ解消するために、ティーリーフとドラセナの決定的(!)な違いについて、植物学的な背景から、具体的な見分け方、そして毎日の管理(育て方)の違いまで、私自身の経験も踏まえながら、じっくりとまとめてみました。
この記事を読み終える頃には、もう二度とお店で迷わなくなるはずです!
ポイント
- ティーリーフとドラセナの植物学的な正体と分類
- なぜ「赤ドラセナ」という名前の混乱が起きたのか
- 根や葉柄(葉の付け根)を使った具体的な見分け方のポイント
- 日光の必要量、耐寒性、水やりなど決定的な育て方の違い
コンテンツ
ティーリーフとドラセナの植物学的な違い

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まずはじめに、一番大事な「そもそも何が違うの?」という核心部分から見ていきましょう。この2つ、パッと見は似ていますが、実は植物学的に全く別のグループ(属)に属しているんです。
「え、分類の話?難しそう…」と思われるかもしれませんが、ここが全ての基本です。なぜなら、この「属」が違うことで、彼らの故郷(原産地)が異なり、結果として「好む環境=育て方」が全く変わってくるからなんですね。
ここを理解しておかないと、「ドラセナだと思って育てていたら、実は寒さに強いコルディリネだった(逆もまた然り)」という勘違いが起こり、最悪の場合、枯らしてしまう原因にもなりかねません。まずは「彼らが何者なのか」をしっかり押さえていきましょう。
ティーリーフはコルディリネ属

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まず、「ティーリーフ」と呼ばれる植物。これは一般的に「コルディリネ属(Cordyline)」の植物を指します。日本では「コルジリネ」と呼ばれることも多いですね。
ハワイなどで「ティ・リーフ (Ti leaf)」と呼ばれ、神聖な植物として扱われているのは、まさしくこれです。フラダンスのスカート(レイ)や、儀式の際の魔除け、さらには食べ物を包んで蒸し焼きにする(ラウラウ)など、現地の文化に深く根付いています。
植物学的な話を少しだけしますと、この「コルディリネ属」と、後述する「ドラセナ属」は、昔は「リュウゼツラン科」や「リュウケツジュ科」など、分類が色々分かれていて研究者の間でも混乱があったようです。
ですが、近年のAPG分類体系という新しい分け方では、どちらも「キジカクシ科(Asparagaceae)」という大きなファミリーに属している、という見解が主流になっています。
植物の分類は時代によって変わることもありますが、国際的に権威のある英国の王立植物園キュー(Kew)のデータベースでも、これらははっきりと別の『属』として分類されています。(出典:Kew Science, Plants of the World Online)
同じ「科」に属する遠い親戚、みたいなイメージですが、大事なのは「属」が違う、という点です。
日本でよく見るコルディリネの仲間
日本で「コルディリネ」として流通しているものには、大きく分けて2つの系統があると私は認識しています。
- ターミナリス系(C. terminalis / C. fruticosa):これがいわゆる「ティーリーフ」と呼ばれる系統です。ハワイや東南アジアなどが原産で、葉が赤やピンク、黄色、斑入りなど非常にカラフルな園芸品種(‘ルビー’、‘ファイヤーブランド’、‘キウイ’など)が豊富です。後で詳しく話しますが、こちらは寒さにはあまり強くありません。
- オーストラリス系(C. australis):こちらはニュージーランドなどが原産で、日本語では「ニオイシュロラン」とか「センネンボク」と呼ばれることもあります。ターミナリス系とは異なり、葉は細長く、緑色や銅葉(‘レッドスター’など)が主流です。最大の特徴は耐寒性が非常に強いこと。関東以西の暖地なら、庭木やシンボルツリーとして地植えで冬越ししているのをよく見かけますね。
この2系統は、同じ「コルディリネ属」でありながら、性質(特に耐寒性)が全く違うので、これもまた混乱の元なんですよね…。
赤ドラセナと呼ばれる誤解

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では、なぜこんなに混乱するのか。最大の原因が、この「赤ドラセナ」という名前にあると私は思っています。
先ほどお話しした、葉が赤い「コルディリネ・ターミナリス系(ティーリーフ)」が、なぜか昔から園芸市場で「赤ドラセナ」や「アカドラ」という流通名(商品名)で売られてきた歴史があるんです。
名前のねじれ現象(最重要)
「赤ドラセナ」という名前で売られていても、その植物学的な正体は「コルディリネ属」である、という非常にややこしい事態が、今も普通に起こっています。
もちろん、ドラセナ属の中にも葉が赤い品種(例えばドラセナ・コンシンネ‘レインボー’など)は存在します。しかし、一般的に「赤ドラセナ」として広く流通している、あの葉が広くて鮮やかな赤紫色をしているものの多くは、コルディリネなんですよね。
なぜ、こんな誤解が生まれたのか?
これはあくまで私の推測ですが…。
- 昔は分類が曖昧だった:昔は植物の分類自体が今ほど整理されておらず、見た目が似ている(幹立ちして葉が放射状に出る)ことから、十把一絡げに「ドラセナ」と呼ばれていた名残なのかもしれません。
- 「ドラセナ」の方が売りやすかった:「幸福の木」などで「ドラセナ」という名前が先に有名になり、縁起の良いイメージがあったため、それに乗っかる形で「赤ドラセナ」として売り出した方が、消費者(私たち)に響きやすかった…という、市場の都合もあったのかな、なんて勘ぐってしまいます。
この「名前のねじれ」が引き起こす最大の問題は、やはり「育て方のミスマッチ」です。
例えば、「赤ドラセナ」という名前だから「ドラセナ(=寒さに激弱)」だと思い込み、過保護に室内で管理していたら、実は耐寒性のあるコルディリネ・オーストラリス系で、日光不足で徒長してしまった…とか。
その逆で、コルディリネ・オーストラリス(地植えOK)と同じ感覚で、「赤ドラセナ(正体は寒さに弱いコルディリネ・ターミナリス)」を冬にベランダに出しっぱなしにして、一晩でダメにしてしまった…とか。
これはもう、私たち愛好家が「名前(流通名)ではなく、正体(属名)を見抜く」知識を身につけるしかない「あるあるトラップ」のようなものなんですよね。
決定的な見分け方:根の色
じゃあ、どうやってその正体を見抜けばいいの?という話ですが、最も確実で、植物学的にも決定的な方法があります。それは「根の色」です。
これはもう、疑いようのないレベルで色が違います。
根の色の違い(最重要・決定的)
- コルディリネ(ティーリーフ):根は真っ白です。太く、少し多肉質で、貯水タンクのような役割を持っていそうな、しっかりした白い根をしています。
- ドラセナ:根は鮮やかなオレンジ色(または黄色っぽい色)をしています。初めて見た時は「え、腐ってる?」と心配になるかもしれませんが、これが彼らの健康な根の色なんです。
ただ、この最大の弱点は、先にも書いた通り「購入時に確認しづらい」ことですよね…。
根を確認できるタイミング
現実的に、私たちが根の色をチェックできるのは、以下のタイミングかなと思います。
- 購入時(鉢底穴から):鉢をひっくり返して、鉢底穴から根が飛び出していないかチェックします。もし、白い太い根がコンニチハしていたら、それは「コルディリネ」でほぼ確定です。オレンジ色の根が見えていれば「ドラセナ」ですね。
- 購入時(根元の土):もし生産者さんのところで植え付けられてから時間が浅い株だと、根元の土(表土)をほんの少しだけ指で(優しく!)かき分けると、地表近くに張った根が見えることがあります。ただし、これはお店の商品でやるのはマナー違反になる可能性もあるので、自己責任で、そっと確認する程度にしましょう…。
- 植え替え時(ベストタイミング):これが一番確実です。購入してきて、春(5月~6月頃)の植え替え適期に鉢から抜いた瞬間、すべてが明らかになります。私も「赤ドラセナ」として買った株を植え替える時、根が「白」だった瞬間に「やっぱり君はコルディリネだったか!」と答え合わせするのが恒例行事みたいになっています(笑)。
葉柄の有無で見分ける方法
根が見られない時に、地上部(葉や茎)で判断するなら「葉柄(ようへい)」に注目するのが、次に分かりやすいポイントだと思います。
葉柄とは、葉っぱの本体(葉身:ようしん)と、茎(幹)をつないでいる「細い軸」の部分のことです。この「軸」があるかないか、で結構違いが出ます。
コルディリネ(ティーリーフ)の特徴:葉柄がある
コルディリネ、特にティーリーフ(ターミナリス系)は、この葉柄がはっきりと存在します。 葉っぱ本体と茎(幹)の間に、明確に「軸」の部分があり、その軸が茎から生えています。このため、葉が茎から少し離れてフサフサと広がり、全体的にボリューム感のある樹形になりやすいですね。
ドラセナの特徴:葉柄がない(葉鞘が茎を抱く)
一方、ドラセナの仲間は、この明確な葉柄がありません。 葉の付け根(葉鞘:ようしょう)が、タケノコの皮のように、茎(幹)をぐるっと「抱きしめる」ような形で直接付いています。
イメージが湧かなければ、あの「幸福の木(マッサンゲアナ)」を思い浮かべてください。葉が幹に直接くっついていますよね。そして、古い葉が枯れて落ちると、その「巻き付いていた跡」が幹に残り、それがドラセナ特有の「節」の模様になります。
簡易比較表:葉柄の違い
| 項目 | コルディリネ(ティーリーフ) | ドラセナ(幸福の木など) |
|---|---|---|
| 葉柄(軸) | あり(明確な軸がある) | なし(葉の付け根が茎を抱く) |
| 見た目の印象 | 葉が茎から離れ、フサフサと茂る | 葉が茎に直接くっついている |
| 代表例 | 赤ドラセナ(と呼ばれるもの) | 幸福の木(マッサンゲアナ) |
この「葉柄の有無」は、品種によっては微妙なものもありますが(例えばドラセナ・コンシンネも葉鞘が茎を抱くタイプです)、典型的な「ティーリーフ」と「幸福の木」を比べる上では、非常に分かりやすい判断材料になると思います。
幸福の木はどちらの仲間か
ここで、この記事でも何度も例に出している、観葉植物の王様的存在「幸福の木」についても、あらためてハッキリさせておきましょう。
あの太い幹と、緑の葉に黄色い縞模様(斑)が入った姿でおなじみの「幸福の木」。 これは紛れもなく「ドラセナ属」の仲間です。
正式な名前(学名)は「ドラセナ・フラグランス‘マッサンゲアナ’(Dracaena fragrans 'Massangeana')」と言います。「ドラセナ」としっかり名前に入っていますね。
「幸福の木」の由来
この「幸福の木」という縁起の良い名前は、ハワイで家の前にこの木を植えておくと幸福が訪れる、という言い伝えに由来すると言われています。
(※この「幸福を呼ぶ木」の伝説は、ハワイ原産のコルディリネ(ティーリーフ)の文化と、アフリカ原産のドラセナ・フラグランスが混同されて広まった、という説もあるようですが、今や「幸福の木=マッサンゲアナ」として完全に定着していますね。)
ちなみに、このドラセナ・フラグランスは、アフリカの熱帯地域が原産です。つまり、生まれ故郷からして「寒さが大の苦手」という宿命を背負っているわけです。これは育て方において非常に重要なポイントになります。
ドラセナ属のメジャーな仲間たち
「ドラセナ属」には、幸福の木以外にも、日本で人気の観葉植物がたくさんあります。
- ドラセナ・コンシンネ:「真実の木」という別名でも知られていますね。細い葉がシャープな印象です。
- ドラセナ・サンデリアーナ:「ミリオンバンブー」や「ラッキーバンブー」として売られている、竹のような姿の植物です。
- ドラセナ・レフレクサ:「ソング・オブ・インディア」など、葉の模様が美しい品種があります。
これらの仲間たちも、もちろん全員「ドラセナ属」です。ということは、根っこはみんな「オレンジ色」で、多くが寒さに弱い熱帯生まれ、ということですね。
ティーリーフとドラセナ、違いが出る育て方

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さて、植物学的な違いや見分け方がスッキリしたところで、ここからが私たち愛好家にとって一番大事な「育て方」の違いについてです。
前半で「分類(属)が違うと育て方が変わる」と書きましたが、その最大のポイントが「①日光の必要量」と「②耐寒性(寒さへの強さ)」です。この2つは、置き場所や冬越しの方法に直結する、枯らす・枯らさないの分岐点とも言える重要な違いなんです。
それぞれの好む環境を知って、ご自身のライフスタイルやお部屋の環境に合うのはどちらか、見極めていきましょう。
育てやすさに関する違い

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まず、「どっちが育てやすいですか?」と聞かれたら…。これは非常に悩ましい質問ですが、私個人の意見としては、「日本の一般的な室内環境(=日当たりが最高とは言えないリビングなど)への適応力」という観点であれば、「ドラセナ」に軍配が上がるかな、と感じています。
理由は、ドラセナの多くが「耐陰性(日陰に耐える力)」を比較的持っているからです。もちろん、彼らも元々は光合成をする植物なので、暗い場所が「好き」なわけではありません。あくまで「耐えてくれる」力ですね。
一方、ティーリーフ(コルディリネ)、特に葉が赤い品種は、やはり日光が大好きです。 「育てやすさ」の定義は人それぞれですが、私にとっての「育てやすさ」とは、「あまり手がかからず、決まった場所で安定して育ってくれること」だと思っています。
そういう意味で、室内管理が前提となる日本の住宅環境では、ドラセナの方が「置き場所の選択肢が広い」=「育てやすい」と感じる方が多いのではないでしょうか。
ただし!コルディリネの中でも、緑葉の「ストリクタ」のような品種は、比較的暗い場所にも耐えてくれる気がします。やはり、品種による差は大きいですね。
日光の必要量の違い

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これが、育て方における最大の違いと言っても過言ではありません。置き場所がこれで決まります。
コルディリネ(ティーリーフ):日光が大好き!
特に葉が赤い品種(「赤ドラセナ」として売られているコルディリネ・ターミナリス系)は、とにかく日光が大好きです。
なぜかというと、あの美しい赤やピンクの葉色を維持するために、たくさんの光エネルギー(光合成)が必要だから、と私は解釈しています。緑色の葉緑素が少ない分、他の部分で頑張って光を集めようとしているのかもしれません。
もし日光が不足すると、どうなるか?
- 葉色が褪せる(緑化):せっかくの鮮やかな赤色がくすみ、だんだんと緑色っぽくなってしまいます。「あれ?こんな地味な色だったっけ…」とガッカリすることに。
- 徒長(間延び):光を求めて、茎や葉柄がヒョロヒョロと間延びした姿(徒長)になってしまいます。
春から秋の生育期は、屋外の直射日光が当たらない「明るい日陰」(軒下や木漏れ日が差す場所)か、室内のレースカーテン越しの日光がたっぷり当たる「窓際の一等地」を確保してあげるのが理想です。
真夏の直射日光は「葉焼け」に注意!
日光が好きとはいえ、日本の真夏(特に西日)の強烈な直射日光は強すぎます。急に当てると、葉が真っ白や茶色にチリチリと焼けてしまう「葉焼け」を起こすことも。
特に室内から急に屋外に出すと危険です。もし屋外で管理する場合は、「遮光ネット」を使うか、午前中だけ日が当たるような場所を選んであげてくださいね。(ドラセナの葉焼けはSOS?原因と対処、復活まで解説します!についても、別の記事で詳しく解説しています。)
ドラセナ:耐陰性がある(暗い場所に「耐える」)
一方、ドラセナ(幸福の木など)の多くは「耐陰性」を持っています。 これは「暗い場所でも元気に育つ」という意味ではなく、あくまで「光が少ない環境でも、枯れずにじっと耐える力がある」ということです。
もちろん、彼らのベストポジションも「レースカーテン越しの明るい室内」です。その方が葉の模様もキレイに出ますし、元気に新芽も出してくれます。
ただ、リビングの少し奥まった場所や、北側の窓辺など、コルディリネではすぐに調子を崩してしまうような場所でも、ドラセナなら「現状維持」で耐えてくれることが多いんです。これが「育てやすい」と言われる所以ですね。
ただし、注意点もあります。
- 長期間の暗所はNG:耐えるのにも限界があります。長期間暗い場所に置くと、体力が落ちて葉が垂れ下がり、病気や害虫(特にカイガラムシ)の被害にあいやすくなります。
- 光不足で徒長はする:耐えてはくれますが、新芽は光を求めてヒョロヒョロと間延びしがちです。
- 水やりとのバランス:暗い場所=土が乾きにくい、ということです。この話は次の「水やり」で詳しくします。
「暗くても大丈夫」という言葉を鵜呑みにせず、できるだけ明るい場所で管理してあげるのが、結局は元気に育てる一番の近道ですね。
耐寒性の違いと屋外越冬
日光と並んで、決定的に違うのがこの「耐寒性」です。特に冬の管理、ベランダや屋外に出しっぱなしにできるか否かは、住環境によって死活問題ですよね。
比較表:耐寒性と冬越し(重要!)
| 種類 | 系統・代表種 | 耐寒温度(目安) | 屋外越冬(関東以西) | 冬の管理 |
|---|---|---|---|---|
| ドラセナ | 幸福の木、コンシンネ等 | 10℃以上(安全圏) | 不可(絶対にNG) | 暖かいリビング等、室内に必須 |
| コルディリネ | ターミナリス系 (赤ドラセナ、ティーリーフ) | 5℃~8℃程度 | 不可(推奨しない) | 室内に取り込むのが安全 |
| オーストラリス系 (ニオイシュロラン等) | -5℃~0℃程度 (品種による) | 地植え・鉢植え共に可能 (※幼苗除く) | 屋外でOK(寒冷地除く) |
ドラセナは「寒さが大の苦手」
もう一度言いますが、ドラセナ属(幸福の木、コンシンネ、ミリオンバンブーなど)は、熱帯アフリカなどの暑い地域が原産です。彼らの辞書に「冬」という文字はありません。
そのため、寒さには非常に弱いです。 一般的に、安全に冬越しできる温度は「10℃以上」とされています。人間が暖房なしで「ちょっと肌寒いな」と感じる室温(15℃前後)なら余裕ですが、10℃を下回る環境が続くと、一気に調子を崩します。
もし5℃以下の環境にさらされたら? ほぼ一発アウトです。葉が黒く変色し、ブヨブヨになって溶けるように枯れていきます。これは低温障害と呼ばれる症状で、一度こうなると復活は非常に困難です。
ですから、日本のほとんどの地域で、ドラセナの屋外越冬は不可能です。秋風が冷たくなってきたら(最低気温が15℃を下回るようになったら)、すぐに暖かい室内に取り込んでください。
冬の室内管理のコツ(ドラセナ)
室内でも「窓際」は注意が必要です。日中は日当たりが良い特等席ですが、夜間は外気でガラスが冷え、放射冷却で室温以上に気温が下がることがあります。夜間だけでも、部屋の中央など、温度変化の少ない場所に移動させてあげると万全ですね。
コルディリネは「品種による」
一方、コルディリネ属は原産地が広いため、品種によって耐寒性が「天と地ほど」違います。ここが一番の注意点です。
- ターミナリス系(ティーリーフ、赤ドラセナ):こちらはハワイや東南アジア原産なので、やはり寒さには弱いです。ドラセナほどではありませんが、越冬には最低でも5℃~8℃程度は欲しいところ。ドラセナ同様、冬は室内に取り込むのが絶対安全です。「赤ドラセナ」という名前で買った株は、こちらに該当すると思って、冬は室内に入れてあげてください。
- オーストラリス系(ニオイシュロラン、レッドスターなど):こちらはニュージーランドなどの、比較的涼しい(寒い)地域が原産です。そのため耐寒性が非常に強く、品種や個体によってはマイナス5℃程度まで耐えるものもあります。関東以西の平地であれば、地植えで雪をかぶっても平気で越冬している姿をよく見かけますね。
「コルディリネだから大丈夫」と、赤い葉のティーリーフ(ターミナリス系)を、オーストラリス系と同じ感覚で地植えにしたり、冬にベランダに放置したりすると、一晩で枯れてしまいます。
「赤い葉のコルディリネ(=ティーリーフ)は、ドラセナと同じく冬は室内!」 こう覚えておくのが、一番シンプルで間違いがないと思います。
適切な水やり頻度の違い
水やりの基本は、どちらも同じです。 「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり」 そして、鉢皿に溜まった水は必ず捨てる(根腐れ防止)。これは観葉植物の共通ルールですね。
ただし、彼らが置かれている「環境」が違うため、結果的に「土が乾くスピード」が変わってきます。それに合わせて、水やりの「頻度(間隔)」を調整する必要があります。
コルディリネ(ティーリーフ)の場合
- 環境:日光を好むため、明るい窓際やベランダに置かれることが多い。
- 結果:光がよく当たり、風通しも良いため、土が乾くスピードが「早い」傾向があります。
- 水やり:特に生育期の春~秋は、水切れに注意が必要です。葉が大きく枚数も多いので、蒸散(葉から水分が逃げること)も活発です。土の表面が乾いていないか、こまめにチェックしてあげましょう。
ドラセナの場合
- 環境:耐陰性があるため、リビングの奥など、比較的暗めの場所に置かれることもある。
- 結果:光が少なく、風通しも悪くなりがちなため、土が乾くスピードが「遅い」傾向があります。
- 水やり:これがドラセナを枯らす最大の原因「根腐れ」に直結します。 耐陰性があるからと暗い場所に置き、土がまだ湿っているのに「習慣で」水をあげてしまうと、鉢の中が常にジメジメした状態になります。
すると、根が呼吸できずに酸欠になり、腐ってしまうんです。 ドラセナのトラブルの8割は「水のやりすぎ(根腐れ)」か「冬の寒さ」だと私は思っています。コルディリネ以上に、「土がしっかり乾いたか」を指で触って確認するクセをつけると安心です。
季節ごとのメリハリ(両者共通)
水やりは、季節ごとにメリハリをつけるのが上手に育てる最大のコツです。
- 春・秋(生育期):「乾いたらたっぷり」の基本通り。新芽が動く、一番楽しい時期です。
- 夏(生育期~停滞期):水はすぐ乾きますが、高温多湿で根腐れしやすい時期でもあります。特にドラセナは、気温が高すぎると生育が鈍ることも。水やりは、気温が下がる「夕方~夜」にあげるのがオススメです。
- 冬(休眠期):気温が下がり、生育がストップします。水もほとんど吸い上げません。 この時期に生育期と同じペースで水をやると、100%根腐れします。水やりの回数をぐっと減らし、「土が乾いてから、さらに数日待って」から、暖かい日の午前中に少なめにあげる程度にします。「乾かし気味」に管理するのが、冬越しの鉄則ですね。
主な増やし方の違い
どちらも生育旺盛なので、ご家庭で「増やす」楽しみがあるのも魅力ですよね。どちらも主に「挿し木」で比較的簡単に増やすことができます。
最適な時期は、どちらも生育期で気温・湿度ともに十分な5月~8月頃ですね。梅雨時が一番成功率が高いかもしれません。
挿し木(茎挿し)の基本的な手順
これは両者ほぼ共通です。伸びすぎた茎を剪定(カット)したついでに、ぜひ挑戦してみてください。
- 挿し穂(ほ)の準備:元気な茎を、10~15cmほどの長さでカットします。この時、必ず「節(葉が出ていた跡)」が含まれるようにします。
- 葉を減らす:下の方の葉を取り除き、上の方の葉も大きすぎる場合は半分ほどの大きさにカットします。(水分の蒸散を減らし、発根に集中させるため)
- 挿す:赤玉土(小粒)や、挿し木専用の清潔な用土に、節が埋まるように挿します。
- 管理:水をたっぷりあげたら、根が出るまで(数週間~数ヶ月)は、直射日光の当たらない明るい日陰で、土が乾かないよう湿度を保って管理します。
(ドラセナ・コンシンネの挿し木を成功させるコツと時期とは?については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。)
ドラセナ特有の「幹挿し(胴切り)」
ドラセナ、特に「幸福の木」や「コンシンネ」は、幹が太く丈夫なので、「幹挿し(胴切り)」というダイナミックな増やし方もできます。
これは、伸びすぎた幹をノコギリなどで途中でバッサリとカットし、その「幹」自体を土に挿す(または植える)方法です。幹の途中から新しい芽が吹いてくる姿は、生命力を感じてとても面白いですよ。
カットした上の部分(葉がついている方)も、もちろん「挿し木」として使えますし、残された下の部分(株元)からも新しい芽が吹いてくることが多く、一石二鳥ならぬ一石三鳥な方法です。
コルディリネの場合
コルディリネ・ターミナリス(ティーリーフ)系も、ドラセナとほぼ同様に「挿し木」で簡単に増やせます。 一方、コルディリネ・オーストラリス系は、挿し木も可能ですが、株元から「子株」が出てくることが多いため、それを分けて増やす「株分け」も一般的です。また、種から育てる「実生(みしょう)」で増やされることも多いですね。
ティーリーフとドラセナ 違いの総まとめ
さて、ここまで「ティーリーフとドラセナ 違い」について、植物学的な背景から、見分け方、育て方の決定的な違いまで、かなり詳しく見てきました。
もう「赤ドラセナ」という名前に惑わされることはないはずです(笑)。
最後に、混乱しやすいポイントを、私「まさび」的な視点でもう一度おさらいします。
「まさび」的 まとめポイント(最終確認)
- ティーリーフは「コルディリネ属」、幸福の木は「ドラセナ属」。植物学的に別物(親戚だけど他人)。
- 市場で「赤ドラセナ」として売られている赤い葉の植物は、大抵「コルディリネ・ターミナリス系」。
- 絶対的な見分け方は根の色! コルディリネは「白」、ドラセナは「オレンジ」。
- 地上部の見分け方は葉柄(軸)! ハッキリあるのがコルディリネ、無い(幹を抱く)のがドラセナ。
- 育て方の一番の違いは「日光」と「耐寒性」。
- コルディリネ(赤葉):日光が大好き(窓際必須)。寒さには弱いがドラセナよりはマシ(5℃~)。
- ドラセナ(幸福の木):耐陰性がある(リビングOK)。寒さには激弱(10℃必須)。
結局、どちらを選ぶべきか?
もし今、あなたがお店でこの2つの前で迷っているなら…。
- 「ベランダや、日当たり抜群の窓際で、鮮やかな赤やピンクの葉を楽しみたい!」 → それならコルディリネ(ティーリーフ)がオススメです。その代わり、冬は室内に入れてあげてください。
- 「リビングの明るい場所で、緑の(または斑入りの)葉を安定して楽しみたい」「観葉植物は初心者」 → それならドラセナ(幸福の木など)がオススメです。その代わり、冬は絶対に暖かい部屋で管理し、水のやりすぎにだけ注意してください。
この2つは、本当に長い間、園芸業界の「ややこしい代表」みたいな存在でしたが、それぞれの正体と特性(好きな環境)が分かれば、どちらも非常に個性的で魅力的な植物です。
名前(流通名)に惑わされず、その植物の「正体(属名)」と「特性」を知ること。それが、観葉植物と長く、楽しく付き合っていく一番のコツかな、と私はいつも思っています。
ぜひ、ご自身のライフスタイルや置き場所の環境にピッタリ合った子を選んで、素敵なグリーンライフを楽しんでくださいね。
※本記事で紹介している植物の育て方、耐寒性、分類などに関する記述は、あくまで一般的な目安や一説です。お住まいの地域の気候や、ご自宅の栽培環境、また植物の個体差によって大きく変わる場合があります。
※特に、植物の健康や安全(耐寒性、毒性など)に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行っていただくとともに、ご不明な点は、お近くの園芸店や植物の専門家にご相談されることを強くおすすめします。