
観葉スタイル・イメージ
こんにちは。観葉スタイル、運営者の「まさび」です。
「幸福の木」としておなじみのドラセナ・マッサンゲアナ、ぐんぐん育ってくれるのは嬉しい反面、気がつくと伸びすぎて天井に届きそう…なんてこと、ありませんか?
「リビングのシンボルツリーとして迎えたけど、こんなに大きくなるとは!」と、嬉しい悲鳴を上げている方もいらっしゃるかもしれませんね。私も、ベランダで育てている植物たちが予想以上に成長して、置き場所に悩むことがよくあります。
いざ剪定しようと思っても、切る時期はいつがいいのか、どこできるのが正解なのか、もし失敗して枯れるたらどうしよう…と、ちょっと不安になりますよね。大切な「幸福の木」にハサミを入れるのは、なかなかの勇気がいります。私も最初はそうでした。「ここで切って、本当に新芽は出てくるの?」と、ハサミを持ったまま固まってしまった経験があります。
この記事では、そんなドラセナ・マッサンゲアナの剪定に関する悩みを解消できるよう、伸びすぎた株を整える「切り戻し剪定」はもちろん、日々のメンテナンスである葉先のカット方法、さらには剪定した枝を活かす挿し木や水挿しの方法まで、私が実践しているやり方や調べた情報をまとめてみました。
万が一、剪定後に新芽が出ない、幹が腐る、ぶよぶよになってしまった時の復活術にも触れていますので、ドラセナ・マッサンゲアナの剪定で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
ポイント
- 剪定に最適な時期と具体的な方法
- 枯れた葉先や下葉の正しい処理
- 剪定後に新芽が出ない・幹が腐る時の対処法
- 切った枝を無駄にしない挿し木と水挿しのやり方
コンテンツ
ドラセナ・マッサンゲアナの剪定:基本と時期

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剪定と聞くと「なんだか難しそう…」と身構えてしまうかもしれませんが、基本的な「なぜ切るのか」「いつ切るのか」さえ押さえておけば、決して怖い作業ではありません。
まずは、ドラセナ・マッサンゲアナにとって負担が少なく、成功率をグッと上げるための「基本のキ」からおさらいしていきましょう。植物にとって剪定は「手術」のようなもの。道具の準備やタイミングを間違えると、かえって弱らせてしまうこともありますからね。大切な準備段階です。
剪定の時期は5月~7月の成長期に

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ドラセナ・マッサンゲアナの剪定で、成功の8割を決めると言っても過言ではないのが、「実行する時期」だと私は思っています。
植物には、活発に成長する「生育期」と、寒さをしのぐために活動を休止する「休眠期」があります。ドラセナ・マッサンゲアナのような熱帯原産の植物の場合、日本の気候では5月中旬から9月中旬あたりが生育期にあたりますね。
この生育期の中でも、特にエネルギーが最高潮に達し、気温も安定してくる「5月~7月」が剪定のベストシーズンです。梅雨入り前後の、湿度も気温もしっかりある時期が、彼らにとっては一番パワフルな季節なんですね。
なぜ5月~7月がベストなのか?
- 回復力が最大: 植物の生命力が最も強い時期なので、剪定で受けたダメージ(切り口)からの回復が非常に早いです。
- 新芽がすぐ出る: 成長エネルギーが有り余っているため、切ったところから新しい芽(脇芽)を吹かせる力が強く、剪定後すぐに若々しい新芽が元気に育ち始めます。
- 病気のリスク軽減: 回復が早いため、切り口が長期間開いたままにならず、雑菌が侵入するリスクを最小限に抑えられます。
逆に、絶対に避けるべきなのが、秋(10月以降)から冬(~3月頃)にかけての「休眠期」です。
この時期は、ドラセナの生育は完全にストップしています。いわば、冬眠しているような状態ですね。このタイミングで剪定(手術)してしまうと、どうなるでしょうか。
- ダメージを回復するエネルギーがない
- 新芽を吹かせる体力がない
- 切り口が塞がらず、そこから雑菌が入ったり、枯れ込んだりする
結果として、剪定した切り口から徐々に枯れ込みが始まり、最悪の場合、株全体が弱って枯れてしまう…という、一番避けたい事態になりかねません。
「冬場で室内に取り込んだけど、やっぱり伸びすぎが気になる…」と思っても、そこはグッと我慢です。春になって、暖かく(最低でも20℃前後が安定して続く)なってから、実行するのが成功への一番の近道だと思います。
天候も重要!「晴れて乾燥した日」を選ぼう
時期に加えて、当日の「天候」も意外と重要です。
剪定は植物に「傷口」を作ること。雨の日や湿度が極端に高い日は、切り口がなかなか乾きません。湿った状態が続くと、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
できるだけ、「よく晴れて、空気が乾燥した日」を選んで作業するのがおすすめです。切り口が素早く乾燥することで、天然の「かさぶた」が早くでき、病原菌の侵入リスクを最小限に抑えられますよ。
剪定に必要な道具と消毒の重要性

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時期と天候を決めたら、次は道具の準備です。剪定は植物にとって「外科手術」のようなもの、と先ほど書きましたが、だからこそ道具の「清潔さ」が本当に、本当に重要になってきます。
不潔なメスで手術をしたら感染症になるリスクが高まるのと同じで、汚れたハサミで幹を切ることは、雑菌を切り口に直接すり込んでいるようなもの。これが原因で幹が腐ることは、本当によくある失敗例なんです。
用意するものは、最低限この3つかなと思います。
| 道具 | 役割・ポイント |
|---|---|
| 剪定バサミ | ドラセナ・マッサンゲアナの幹は、見た目以上に硬く、木質化しています。生半可なハサミだと刃が立たないか、切り口が潰れてしまいます。切れ味の良い、清潔な園芸用の剪定バサミを必ず用意しましょう。 |
| 消毒用品 | ハサミの刃を消毒するためのものです。熱湯消毒が手軽で確実ですが、市販のエタノールスプレー(アルコール)や、中性洗剤(食器用洗剤)でよく洗うだけでも効果があります。 |
| 癒合剤(ゆごうざい) | 太い幹を切った時の「絆創膏」代わりです。切り口を物理的にコーティングし、雑菌の侵入や、切り口からの水分の蒸発を防ぎます。「トップジンMペースト」や「カルスメイト」などが有名ですね。 |
ハサミの消毒、どうやる?
「消毒」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、方法は簡単です。
- 熱湯消毒: やかんやポットで沸かした熱湯を、ハサミの刃全体にゆっくりかけるだけです。火傷には十分注意してくださいね。
- アルコール消毒: 薬局などで売っている消毒用エタノールをスプレーしたり、キッチンペーパーに含ませて刃をしっかり拭き取ります。
- 洗剤洗浄: 食器用洗剤で刃をゴシゴシ洗い、よくすすいで水気を拭き取るだけでも、かなりの除菌効果が期待できます。
私は、作業前にアルコールスプレーで「シュッ」と拭き取る方法を一番よくやっています。これが一番手軽かもしれません。
癒合剤は塗ったほうがいい?
癒合剤については、「生育期なら塗らなくても自然治癒する」という意見もありますし、実際、細い枝なら私も塗らないこともあります。
ですが、ドラセナ・マッサンゲアナの「切り戻し剪定」のように、太い幹(直径1cm以上目安)をバッサリ切る場合は、失敗のリスクを確実に避けるために、私は使用を強く推奨します。
癒合剤の役割
癒合剤は、切り口に「フタ」をする役割を果たします。
- 雑菌の侵入防止: 切り口という「開いた傷口」を物理的に塞ぎ、空気中の雑菌やカビ菌が侵入するのを防ぎます。
- 水分の蒸発防止: 植物は切り口からも水分が蒸発します。特に太い幹だと、蒸発量も多くなり、株の負担になります。これを防ぎ、体力を温存させます。
特に「トップジンMペースト」などの殺菌剤が含まれているタイプは、切り口の腐敗防止に高い効果が期待できるかなと思います。
なお、癒合剤の中には農薬登録されているものもあります。使用する際は、製品のラベルに記載されている使用方法や注意事項をよく読み、正しく使うことが大切です。(出典:農林水産省「農薬の適正な使用(安全な使用)」)
枯れた葉先のカット方法とコツ
ここからは、具体的な剪定テクニックです。まずは一番手軽な「日々のメンテナンス」から。
「幹を切るほどじゃないけど、葉先が茶色く枯れてきて見た目が悪い…」ということ、ドラセナを育てていると本当によくありますよね。これは病気ではなく、主に以下の原因で葉の先端まで水分が行き渡らなくなったサインかなと思います。
- 空気の乾燥: 特に冬場のエアコン暖房などで、室内の空気が乾燥していると起こりやすいです。
- 水切れ: 水やりのタイミングが遅れ、一時的に土がカラカラになった。
- 根詰まり: 鉢の中で根がパンパンになり、うまく水を吸えなくなっている。
この場合、葉全体が枯れているわけではないので、葉ごと取り除く必要はありません。枯れている茶色い部分だけを、清潔なハサミでカットすればOKです。
美観を損なわない!葉先カットのテクニック
ここで重要なのが「切り方」です。何も考えずに、葉に対してハサミを真横(一文字)に入れて「パツン」と切ってしまうと…。
NGな切り方: 切り口が平らな直線になり、いかにも「切りました」という感じがして不自然に目立ってしまいます。それに、切ったところからまた茶色く枯れ込んでくることも多いです。
OKな切り方: おすすめは、ドラセナの葉の元の形(先端が尖った細長い形状)に合わせるように、ハサミを斜め(V字や山形)に入れることです。
茶色い部分と緑色の部分の「境目」よりも、少しだけ茶色い部分を残すイメージで、葉の形に沿ってカットします。こうすると、剪定した跡が周りの葉に紛れて、パッと見では切ったことがわからないくらい自然な見た目を保てますよ。葉が一回り小さくなるイメージですね。
もし、葉先の枯れが頻繁に起こる場合は、水やりの頻度を見直したり、葉水(霧吹き)で湿度を保つ、あるいは「根詰まり」を疑ってドラセナ・マッサンゲアナの植え替えを検討する必要があるかもしれません。
枯れた下葉の取り除き方
ドラセナ・マッサンゲアナは、成長するにつれて幹の下の方の古い葉が黄色くなったり、茶色くなったりして、やがて自然に枯れて落ちていきます。
「えっ、枯れてきた!大丈夫!?」と心配になるかもしれませんが、これは「新陳代謝」なので、上部の葉は元気で、先端から新しい芽も出ているようなら、病気や水やりの失敗ではなく、自然な生理現象である可能性が非常に高いです。
下葉が枯れるのは「成長の証」かも
ドラセナは、下葉を落としながら幹を太くし、上へ上へと伸びていく性質があります。古い葉に送っていたエネルギーを、新しい葉や成長点に集中させるためですね。ですから、下葉が枯れるのは「お役御免」のサインであり、むしろ順調に成長している証とも言えます。
とはいえ、枯れた葉がぶら下がっているのは、見た目もあまり良くないですよね。それに、枯れ葉は害虫の隠れ家になることもあるので、取り除いてしまいましょう。
完全に枯れている葉は、手で軽く引っ張るだけで簡単に取れることも多いです。
もし手で取れない葉をハサミで切る場合は、少し注意が必要です。幹の生え際ギリギリで無理に切ろうとしたり、強く引きちぎったりすると、まだ生きている幹の表皮まで一緒に剥がしてしまい、そこから雑菌が入る原因になります。
幹本体を傷つけないよう、付け根の生え際から0.5cmから1cmほど、あえて茎の部分(葉柄)を残してカットするのがおすすめです。残った葉柄は時間とともに乾燥し、やがて自然にポロリと幹から取れます。こうすることで、幹本体へのダメージをゼロにすることができますよ。
伸びすぎを防ぐ切り戻し剪定
さて、いよいよ本題の「切り戻し剪定」です。
- 天井に届きそうなくらい、背が高くなりすぎた
- 成長のバランスが悪く、片方だけ伸びて樹形が崩れた
- 下葉が全部落ちて、上の方にしか葉がない「ひょろひょろ」状態になった
こうした場合に行うのが「切り戻し剪定」です。これは、幹の途中でバッサリとカットして高さを強制的にリセットし、新しい芽(脇芽)を吹かせて仕立て直す、一番ダイナミックな剪定方法ですね。
もちろん、実行する時期は、前述の通り生育期(5月~7月)が鉄則です。
「こんな太い幹を切って、本当に大丈夫?」と不安になるかと思いますが、ドラセナ・マッサンゲアナは非常に生命力が強い植物です。切る位置と時期、そして後の管理さえ間違えなければ、切り口の下からちゃんと新しい芽を複数出してくれて、こんもりとした若々しい姿に生まれ変わってくれます。
「どこで切るか」の具体的な位置については、次の章で詳しく解説しますが、とにかく太い幹を切ることになるので、「清潔な剪定バサミ」と「癒合剤」の準備は必須、と覚えておいてくださいね。
ドラセナ・マッサンゲアナの剪定と挿し木の方法

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基本がわかったところで、いよいよ実践編ですね。「幸福の木」にハサミを入れる具体的な手順です。「どこで切れば芽が出るのか?」という一番の疑問から、剪定後の非常に重要なアフターケア、そして切った枝を再利用する「挿し木」の方法まで、詳しく見ていきましょう。
剪定はどこを切る?節の上が正解

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切り戻し剪定で一番悩むのが、「この太い幹の、どこで切ればいいの?」という問題ですよね。
答えは、幹の表面をよーく観察すると分かります。ドラセナの幹には、竹のように、リング状の模様(かつて葉が付いていた跡)が等間隔で入っていますよね。これが「節(ふし)」です。
実はこの「節」には、新しい芽になる「休眠芽」という、成長のスタンバイをしている芽が隠れています。剪定で幹の先端がなくなると、植物は「このままじゃマズイ!」と、切り口のすぐ下にある、一番近い「節」に隠れていた休眠芽を目覚めさせ、そこから新しい脇芽を吹かせるんです。
つまり、切る位置を間違えると、新芽が出てこない…ということが起こり得ます。
切り戻しで切る位置の正解
ズバリ、「新芽を出させたい場所(節)の、ほんの少し上」が正解です。
例えば、「今の高さが150cmだけど、床から80cmくらいの高さで新芽を分岐させて、こんもりさせたいな」と考えたとします。
- まず、床から80cmあたりの位置にある「節」を見つけます。
- その節の、1cm~2cmほど「上」で、幹を水平にカットします。
なぜ「節の真上」ではなく「少し上」かというと、切り口はどうしても少し枯れ込む(乾燥する)ことがあるため、節のギリギリで切ってしまうと、大切な休眠芽までダメージを受けてしまう可能性があるからです。少しマージン(余裕)を持たせるイメージですね。
複数の幹がある場合は?
ドラセナ・マッサンゲアナは、太い幹から複数の細い幹が立ち上がっている仕立てのものが多いですよね。この場合、すべての幹を一度に同じ高さで切り戻す必要はありません。
むしろ、全部の葉を一度になくしてしまうと、光合成ができなくなり、株の負担が大きくなりすぎてしまいます。
おすすめは、段階的に剪定する方法です。
- 例えば4本立ちなら、今年はまず背の高い2本だけを選んで剪定し、残りの2本は葉を残しておく。
- 残した葉で光合成を続けさせながら、株の体力を維持します。
- 剪定した2本から無事に新芽が育ってきたのを確認したら、翌年、残りの2本を剪定する。
このようにすれば、株全体の負担を最小限に抑えつつ、数年かけて全体をリフレッシュさせることが可能です。また、あえて高低差をつけて剪定することで、よりボリューム感のある自然な樹形に仕立て直すこともできますよ。
剪定後の水やりと管理の注意点
剪定が無事に終わったら、ひと安心…と行きたいところですが、実は「剪定作業そのもの」よりも、「剪定後のアフターケア」の方が重要かもしれません。
ここで管理を失敗すると、「剪定は成功したけど、その後の管理で枯らした」という最悪の事態になりかねません。特に「水やり」は、剪定前とはガラッと変える必要があります。
置き場所:まずは「安静」に
剪定直後のドラセナは、大手術を終えたばかりの患者さんと同じ。回復に集中できる「病室」のような環境に置いてあげる必要があります。
具体的には、「直射日光を避けた、風通しの良い、明るい日陰」がベストです。
- 直射日光厳禁: 剪定で体力が落ちている時に強い日差し(特に西日)に当てると、葉焼けを起こしたり、株が弱る原因になります。
- 風通しが重要: 風通しが良い場所で、切り口(癒合剤を塗っていても)を素早く乾燥させることが、雑菌の繁殖を防ぐことに繋がります。
新芽が元気に動き出すまでは、いつもの一等地(リビングの日当たりが良い場所)ではなく、少し奥まったレースカーテン越しの場所などで、静かに休ませてあげましょう。
水やり:【最重要】「超」控えめに!
剪定後の管理で、初心者が最も陥りやすい、そして最も致命的な失敗が、「水のやりすぎによる根腐れ」です。
なぜでしょうか?
剪定後に根腐れしやすいメカニズム
- 切り戻し剪定で、今まであった葉の量が激減(またはゼロに)します。
- 植物は、主に葉から水分を放出(蒸散)することで、根から新しい水を吸い上げます。
- 葉が激減したことで、蒸散する量が極端に減ります。
- その結果、根が土から水を吸い上げる力も著しく低下します。
- この状態で、剪定前と同じペース(例:1週間に1回)で水やりを続けると…?
- 土は常に湿ったままとなり、土の中の酸素が不足します。
- 根が呼吸できなくなり(窒息状態)、やがて腐敗します。
これが「根腐れ」の正体です。
剪定後、特に切り戻しで葉を大幅に減らした場合は、水やりの常識を一度リセットしてください。
剪定後の水やりは、「土の表面が乾いてから、さらに数日~1週間待ち、土の中まで『完全に』乾いたのを確認してから」与えるくらい、超・超・乾燥気味にするのが正解です。
「土の中まで乾いた」のを確認するには、指を土の奥まで(第二関節くらいまで)差し込んでみたり、乾いた竹串を挿して土が付いてこないか確認するのが確実ですね。
この「水やり」の失敗が、根腐れだけでなく、次の「新芽が出ない」問題にも直結してきます。もし根腐れに不安がある場合は、エバーフレッシュの根腐れ|原因と復活させる方法を徹底解説の記事も参考にしてみてください。
肥料:【厳禁】回復中は「絶食」が基本
「手術後で弱っているから、栄養ドリンク(肥料)をあげよう」…これは、絶対にやってはいけないことです。
弱っている時の肥料は、栄養補給になるどころか、かえって根にダメージを与え、「肥料焼け」という症状を引き起こします。弱った胃腸に、いきなりカツ丼を食べさせるようなものですね。
剪定直後の株は、ダメージからの回復に全エネルギーを集中させており、肥料を吸収する余力はありません。
肥料は、剪定から最低でも1~2週間は絶対に控えます。液体肥料もダメです。
肥料を再開するのは、切ったところから新しい芽がしっかりと動き出し、葉が開き始めるのを「確認してから」。それから、まずは規定よりも薄めた液体肥料から、恐る恐る再開するくらいが安全ですよ。
新芽が出ないときの原因と対処法
「剪定して1ヶ月経つのに、待てど暮らせど新芽が出てこない…」
こうなると、本当に不安になりますよね。「もしかして、あの時切ったのがマズかったんじゃ…」と。でも、新芽が出てこないのには、必ず何か原因があります。慌てずに、以下の5つの点をチェックしてみてください。
新芽が出ない主な原因チェックリスト
- 根詰まり:鉢の中で根がパンパンになっている(根詰まり)と、水も養分も正常に吸えません。この場合、新芽を出す余力が株に残っていません。剪定と同じく、生育期(5~7月)に一回り大きな鉢に植え替えることを検討する必要があります。
- 株自体が弱っている:剪定前から、根腐れや病気、寒さによるダメージなどで株自体が弱っていた場合、剪定という「手術」のダメージに耐えられず、新芽を出す体力が残っていないことがあります。この場合は、残念ながら回復が難しいかもしれません。
- 時期が不適切(休眠期の剪定):最も多い原因です。秋~冬の休眠期に剪定した場合、植物に新芽を出すエネルギーが残っていません。この場合、残念ながら暖かくなる(5月頃)まで待つしかありません。その間も、水やりは超控えめに。
- 剪定後の「水のやりすぎ」:これも非常に多い原因。前述の通り、剪定後に水をやりすぎて、土の中で根腐れを起こしているケースです。根が機能不全に陥っているため、新芽を出すことができません。まずは水やりを即ストップし、徹底的に土を乾燥させてください。
- 日照不足:耐陰性があるドラセナですが、日差しが全く入らない暗すぎる場所(例:窓のない玄関や浴室)では、光合成ができず、新芽を出すエネルギーを作れません。剪定後は「明るい日陰」が基本です。レースカーテン越しなど、柔らかい光が当たる場所へ移動させてみましょう。
新芽が出てこない原因のほとんどは、「時期」か「その後の管理(特に水やり)」にあると私は思います。まずは土の状態をチェックして、乾かし気味に管理しながら、辛抱強く待ってみてください。
幹が腐る・ぶよぶよになった時の復活術
剪定後に、切り口が黒ずんできたり、幹の一部が柔らかく「ぶよぶよ」になってきたら、それは非常に危険なサインです。
原因は、切り口からの雑菌の侵入、または、前述の「根腐れ」が進行して幹にまで腐敗が及んだ場合のどちらかであることが多いです。
でも、諦めるのはまだ早いかもしれません。腐敗の進行度合いによって、対処法が異なります。
対処法1:初期症状(一部が変色・柔らかい)
腐敗がまだ局所的で、幹の表面だけが少し柔らかい…といった初期症状の場合の対処法です。
- 清潔なカッターナイフやハサミを用意します(作業前に必ずアルコールなどで消毒してください)。
- 腐敗して柔らかくなっている部分、変色している部分を、健康な(硬い)木質部が見えるまで、すべて削り取ります。中途半端に残すと、そこからまた腐敗が広がります。
- 削り取った後は、癒合剤などを塗らず、風通しの良い場所で切り口を徹底的に乾燥させます。湿らせると腐敗菌が活動しやすくなるため、空気に触れさせて乾燥させ、菌の活動を抑えるのが目的です。
- 水やりは当然、ストップです。
対処法2:重度の腐敗(幹が広範囲でぶよぶよ)
幹の広範囲がぶよぶよになっていたり、悪臭がする場合、残念ながらその株(親株)の回復は非常に困難です。腐敗は上部へ、そして下部の根へと急速に進行します。
しかし、この状態からでもドラセナ・マッサンゲアナを救済する最後の手段があります。
それは、腐敗が達していない「先端の健康な部分」を挿し木として再生させることです。
- 腐敗部分よりも十分「上」の、まだ健康で硬い部分の幹を見極めます。
- 腐敗部分が移らないよう、清潔なハサミで、健康な部分をカットします(切り取ります)。
- カットした先端部分を「挿し穂」として、次章で解説する「挿し木」の手順で、新しい株として育て直します。
親株は助からなくても、その「子」を残すことができるかもしれません。最後の最後まで、諦めないでみてください。
剪定した枝の挿し木(水挿し含む)で増やす方法
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観葉スタイル・イメージ
切り戻し剪定で切り落とした枝、そのままゴミ袋に入れるのは、ちょっと待ってください!
ドラセナ・マッサンゲアナは非常に生命力が強いので、この切り落とした枝(挿し穂)を使って、簡単に新しい株を増やす「挿し木」が可能です。剪定は、株を増やす絶好のチャンスでもあるんですね。
挿し木(土挿し)の全手順
挿し木が腐る最大の原因は「土の中の雑菌」です。清潔な道具と土を用意するのが成功の第一歩です。
- 挿し穂の準備
剪定で切り落とした枝を、10~15cmほどの長さ(節が2~3個含まれるのが理想)にカットします。あまり短いと発根する体力がなく、長すぎると水分の蒸散が多すぎて失敗しやすくなります。
- 切り口の処理
土に挿す側の切り口を、清潔でよく切れるカッターナイフなどで「斜め」にスパッとカットし直します。断面積を広くすることで、吸水効率が上がり、発根する面積も増えるため、成功率が高まります。
- 葉の処理
挿し穂にはまだ根がなく、水を吸い上げる力が弱いです。それなのに葉がたくさん付いていると、葉からの水分の蒸散に追い付かず、すぐに萎びてしまいます。付いている葉をハサミで半分ほどの大きさにカットするか、先端の2~3枚だけ残して、下の葉は取り除きます。
- 水揚げ
切り口を斜めにカットした後、挿し穂全体を2~12時間ほど水に浸け、十分に水分を吸わせます。この時、メネデールなどの発根促進剤(活力剤)を薄めた水を使うと、さらに成功率が上がります。
- 用土の準備
挿し木が腐る最大の原因は、土の中の雑菌や肥料分です。赤玉土(小粒)やバーミキュライト、挿し木専用土など、肥料分を含まない清潔な用土を準備します。新品の土を使いましょう。
この用土に「根腐れ防止剤」(ゼオライトなど)を混ぜておくと、土壌を清潔に保ち、成功率がさらに上がります。観葉植物の土選びについては、ドラセナに利用する土!おすすめのポイントと根腐れしない選び方でも詳しく解説しています。 - 挿し木
用意した用土に、あらかじめ棒などで穴をあけておきます。挿し穂の切り口を傷つけないように優しく挿し、周りの土を軽く押さえて固定します。
- 挿し木「発根まで」の重要管理術
挿し木は、発根するまでの管理が親株の管理と大きく異なるため、注意が必要です。
挿し穂の管理:親株と「真逆」と覚えよう
水やり:【乾燥厳禁】
剪定後の親株は「乾燥気味」に管理しましたが、挿し穂は正反対です。挿し穂には根がないため、一度乾燥させるとすぐに枯れてしまいます。発根するまでは、土の表面が常に湿っている状態をキープします。受け皿に水を溜めない程度に、こまめに水やりをします。
置き場所:【高温多湿】
25℃~30℃くらいの高温多湿な環境で、直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。発根には高い温度と湿度が必要です。
肥料:【絶対厳禁】
発根するまで、肥料は絶対に与えてはいけません。挿し穂には肥料を吸収する根がなく、土に与えられた肥料は「菌」の栄養になってしまいます。高温多湿の環境で菌が繁殖し、挿し穂の切り口から腐敗する…これが挿し木の最大の失敗原因です。
この管理を続けて数週間~数ヶ月(ドラセナは発根に少し時間がかかることもあります)経ち、新芽が動き出したり、軽く引っ張っても抵抗を感じるようになったら、発根成功のサインです。
水挿し(水栽培)の方法
「土を準備するのが面倒…」という方には、もっと手軽な「水挿し」という方法もあります。
上記の手順1~3(挿し穂の準備、切り口処理、葉の処理)まで行った挿し穂を、水を入れた花瓶やコップに挿しておくだけです。
ただし、成功させるには重要なコツがあります。
- 水は毎日交換する: 水が腐ると、切り口も一緒に腐ってしまいます。水が濁るのを防ぐため、できれば毎日、新鮮な水に交換してください。
- 根腐れ防止剤を入れる: 水挿し用の根腐れ防止剤(ゼオライトやミリオンAなど)を少し入れておくと、水が腐りにくくなり、成功率が上がります。
やがて切り口から白い根が数cm伸びてきたら、観葉植物用の土に植え替えます(鉢上げ)。
ただ、水挿しは手軽な反面、水の中(水中根)から土の中(土中根)への環境変化にドラセナが対応できず、鉢上げ後に失敗してしまう可能性も、土挿しよりは少し高いかな、という側面もありますね。
ドラセナ・マッサンゲアナの剪定:要点まとめ
ドラセナ・マッサンゲアナの剪定、いかがでしたでしょうか。結構な長文になってしまいましたが、それだけ奥が深く、ポイントを押さえることが大切な作業なんだなと、私自身も改めて感じています。
ポイントさえ押さえれば、決して難しい作業ではないかなと思いますし、むしろ樹形を自分の思い通りにデザインできる、とてもクリエイティブな作業でもあります。
最後に、今回の重要な要点をもう一度まとめておきますね。
| アクション | 要点 |
|---|---|
| 剪定の時期 | エネルギーが豊富な生育期(5月~7月)の晴れた日。休眠期(秋冬)は厳禁。 |
| 道具 | 必ず消毒した切れるハサミ。太い幹には癒合剤を塗ると安心。 |
| 切る位置 | 新芽を出したい「節」の1~2cm上でカットする。 |
| 剪定後の親株管理 | 水やりを「超」控えめ(乾燥気味)にし、根腐れを防ぐ。肥料は新芽が動くまで厳禁。 |
| 挿し穂の管理 | 親株とは真逆で、「乾燥厳禁」「高温多湿」をキープ。肥料は発根するまで厳禁。 |
| トラブル対処 | 「新芽が出ない」時は水のやりすぎを疑う。「腐ったら」健康な部分まで削って乾燥させる。 |
伸びすぎたドラセナ・マッサンゲアナを剪定でスッキリと整え、さらに挿し木で新しい仲間が増えると、植物との暮らしが二倍、三倍と楽しくなりますよ。
大切な「幸福の木」にハサミを入れるのは勇気がいるかもしれませんが、今回の記事が、その一歩を踏み出すきっかけになれば、こんなに嬉しいことはありません。ぜひ、暖かい季節になったらチャレンジしてみてください。
免責事項
この記事で紹介している内容は、あくまで私個人の経験や、一般的に言われている情報に基づいています。植物の状態や生育環境はそれぞれ異なるため、すべてのケースで成功を保証するものではありません。
特に、植物の健康状態に深刻な不安がある場合や、高価な株、思い入れの強い株の処置を行う際は、失敗のリスクを避けるためにも、お近くの園芸店や造園業者、観葉植物の専門家にご相談されることを強くおすすめします。最終的な判断は、ご自身の責任においてお願いいたします。