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大切に育てているドラセナの幹が枯れた状態になると、とても心配になりますし、どう対処して良いか分からなくなります。ドラセナの幹がスカスカになっているのはなぜですか?あるいは、木の幹がブヨブヨするのはなぜですか?これらの症状は、ドラセナが発している危険信号です。
このような症状には、ドラセナの幹が枯れる原因が隠されています。多くは水やり、置き場所、温度管理といった基本的な育て方に関連しています。しかし、ドラセナは非常に生命力が強い植物であり、状態によっては復活の可能性も残されています。
この記事では、まず幹が枯れてしまった原因を症状別に特定し、適切な植え替えによる緊急対処法を詳しく解説します。さらに、二度と同じ失敗を繰り返さないよう、正しい水やり、日当たり、風通しの確保から、管理が難しい夏の管理や冬越しのコツまで、ドラセナを健康に育てるための予防策を幅広くご紹介します。
ポイント
- ドラセナの幹が枯れる具体的な症状と原因
- 枯れた幹から復活させる方法があるかどうかの見分け方
- 根腐れした場合の正しい植え替え手順
- 幹を枯らさないための季節ごとの正しい育て方
コンテンツ
ドラセナの枯れた幹|症状と原因の特定

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参考
- ドラセナの幹がスカスカになっているのはなぜですか?
- 木の幹がブヨブヨするのはなぜですか?
- ドラセナの幹が枯れる原因は何ですか?
- 枯れた幹からの復活は可能?
- 復活のための正しい植え替え
ドラセナの幹がスカスカになっているのはなぜですか?
ドラセナの幹を触ってみて、スカスカ、あるいはカサカサと乾燥している感触がある場合、それは幹の内部組織が水分を完全に失い、機能停止している状態を示しています。これは植物にとって非常に深刻なサインであり、その部分はすでに枯死している可能性が高いです。
最も多い原因は、長期間の深刻な水不足です。土がカラカラに乾ききった状態が長期間続くと、根から水分を吸収できなくなります。植物は生き延びるために、まず葉を落とし、次に幹に蓄えられた水分まで使い果たしてしまいます。その結果、幹の内部が空洞化し、スカスカになってしまうのです。
また、水やりはしているつもりでも根が正常に機能していないために水分を吸い上げられないケースも多々あります。
根が機能しない主な理由
- 根詰まり:鉢の中で根がパンパンに詰まっていると、新しい根が伸びるスペースがなく、古い根は水を吸う力が衰えます。
- 根腐れの初期症状:水のやりすぎで根の一部が腐り始めると、その部分からは水分を吸収できなくなります。
このように、根からの水分供給がストップすると、結果として幹が乾燥し、スカスカになることにつながります。
スカスカな幹の注意点
一度スカスカになってしまった幹の部分は、残念ながら元に戻ることはありません。水分や養分を運ぶ「維管束(いかんそく)」という組織が完全に死滅してしまっているためです。この場合、生きている部分を見つけ出し、その部分を救出する対処(胴切りや挿し木)が必要になります。
木の幹がブヨブヨするのはなぜですか?

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幹がスカスカになるのとは対照的に、幹が指で押すとブヨブヨ、あるいはフカフカと柔らかくなっている場合、これは内部組織が腐敗している危険なサインです。多くの場合、スカスカの状態よりも緊急性が高く、早急な対処が求められます。
最も一般的な原因は、「根腐れ」の進行です。水のやりすぎ、または鉢の受け皿に水が溜まったままになっていると、土の中が常に過湿状態になります。
土中の酸素が欠乏し、根が呼吸できずに窒息します。すると、酸素を嫌う嫌気性菌が繁殖し、まず根が腐り始めます。その腐敗が、水を吸い上げる導管を通じて幹にまで進行してしまうのです。
もう一つの主要な原因は、冬場の「低温障害(凍害)」です。ドラセナは熱帯アフリカ原産の植物であり、寒さに非常に弱いです。
特に「幸福の木」として知られるドラセナ・マッサンゲアナなどは、10℃以下の環境が続くと、幹の細胞内の水分が凍結して細胞壁が破壊されます。その結果、組織が壊死し、解凍されたときにブヨブヨとした状態になってしまうのです。
ブヨブヨを発見したらすぐに対処を
幹の腐敗は、カビや細菌によって非常に早く進行します。ブヨブヨした部分を放置すると、健康な部分にまで腐敗が広がってしまいます。発見したらすぐに、腐敗した部分をすべて取り除き、生きている部分を救出する処置(胴切りや植え替え)を行ってください。
ドラセナの幹が枯れる原因は何ですか?
ドラセナの幹が枯れてしまう主な原因は、前述の症状からもわかる通り、日々の管理方法、特に「水」「温度」「根の状態」にあることが多いです。スカスカやブヨブヨといった深刻な症状を引き起こす要因は、主に以下の5つに分類されます。
これらの原因は単独で起こることもありますが、実際には複数の原因が複合的に絡み合っているケースが非常に多いです。例えば、「冬場の寒い場所に置き(低温障害)」+「土が乾かないうちに水やりをする(根腐れ)」という組み合わせは、ドラセナにとって最も危険な状況と言えます。
「育てやすい」と聞いていたのに、なぜ枯れてしまったのか…。原因がわかれば、次から対策できます。ご自身の育て方と下の表を照らし合わせて、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。
| 原因 | 具体的な状況 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 水のやりすぎ(根腐れ) | 土が乾く前に水を与え続ける。受け皿の水を捨てない。土の水はけが悪い。 | 幹がブヨブヨする。土から異臭がする。葉が黄色く垂れ下がる。 |
| 水不足(乾燥) | 土がカラカラの状態が長期間続く。水やりの量が毎回少ない(土の表面しか濡れていない)。 | 幹がスカスカになる。葉が張りを失い垂れ下がる。葉先が茶色く枯れ込む。 |
| 寒さ(低温障害) | 冬場に10℃以下の場所に置いている。特に夜間の窓際は外気並みに冷え込む。 | 幹がブヨブヨになる。葉が黒ずんでデロリと溶けたように落ちる。 |
| 日当たり(葉焼け・徒長) | 真夏の直射日光に当てて葉が焼ける。逆に、暗すぎる場所で光合成ができず衰弱する。 | 葉が白や茶色に変色する(葉焼け)。幹が細く弱々しくなる(徒長)。 |
| 根詰まり | 2年以上植え替えをしていない。鉢底から根がびっしり出ている。 | 水をやってもすぐに土が乾く。水を吸い上げられず、結果的に幹が乾燥しやすくなる。 |
(参考:KINCHO園芸 病害虫ナビ)
枯れた幹からの復活は可能?

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幹が枯れたように見えても、ドラセナは生命力が非常に強い植物です。幹の一部(特に根元や中間)がダメになっても、他の部分(上部や根の一部)が生きている可能性は十分にあります。
復活できるかどうかを見極める最も確実な方法は、幹の内部の色と水分を確認することです。
復活の判断方法
作業前には、使用するカッターナイフや剪定バサミをライターの火で炙るか、アルコールで消毒し、清潔な状態にしてください。これは、切り口から雑菌が入るのを防ぐためです。
枯れたと思われる幹の表面を少し削ってみるか、上部から1cmずつ慎重に切り詰めてみてください。
- 内部が緑色または白っぽく、みずみずしい場合:その部分はまだ生きています。維管束が機能している証拠であり、復活の可能性が高いです。
- 内部が茶色、黒色、または乾燥してパサパサしている場合:残念ながらその部分は完全に枯れています(壊死しています)。
生きている部分があった場合の対処法
生きている部分が見つかったら、「胴切り」や「挿し木」という方法で再生を図ります。
- 胴切り(どうぎり):枯れた部分(ブヨブヨやスカスカの部分)を、生きている部分のキワですべて切り落とします。切り口は水平に、鋭利な刃物でスパッと切ってください。切り口には、雑菌の侵入を防ぎ、水分の蒸散を抑えるための「癒合剤(ゆごうざい)」(トップジンMペーストなど)を必ず塗布します。気温が高い時期であれば、残った幹の側面や切り口のすぐ下から新しい芽が出てくることがあります。
- 挿し木(さしき):もし幹の上部(葉に近い部分)が生きている場合は、その部分を救出します。健康な部分を10cm〜15cmほどの長さに切り、葉を数枚残して下の葉は取り除きます。切り口を数時間水に挿して吸水させた後、清潔な挿し木用の土や赤玉土に挿して発根させます。水挿し(水に挿したまま発根させる方法)も可能です。
これらの作業は、植物にとって大きな負担(手術)となります。成功率を高めるため、できるだけ植物の生育期である春(5月〜7月頃)に行うのが理想です。気温が安定して高い時期は、発根や新芽の展開が早くなります。
復活のための正しい植え替え

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幹がブヨブヨしている場合、その原因は根腐れである可能性が非常に高いです。この場合、生きている部分を救うためには、腐敗した土と根を取り除く緊急の植え替えが必要不可欠です。
これは、株を大きくするための通常の植え替えとは目的が異なり、傷んだ部分を切除する「外科手術」のような作業になります。手順を間違えると状態を悪化させるため、慎重に行ってください。
根腐れした株の植え替え手順
簡単な流れ
- 鉢から抜く:ドラセナを鉢から優しく引き抜きます。根腐れしていると、根が土を掴んでおらず、鉢からスポッと抜けたり、根がボロボロと崩れたりすることがあります。土から酸っぱいような腐敗臭がする場合も多いです。
- 古い土と黒い根を取り除く:根鉢をバケツの水の中などで丁寧に揺すりながらほぐし、古い土をすべて洗い流すように落とします。健康な根は白っぽく張りがありますが、黒く変色している根や、触るとブヨブヨと崩れる根はすべて腐敗しています。これらを清潔なハサミで、健康な部分まで切り戻してください。
- 幹の処理:前述の通り、幹もブヨブヨしている場合は、その腐敗部分も健康な部分が出るまで切り落とし、癒合剤を塗布します。
- 鉢の準備:傷んだ根を大幅に切り落とした結果、根の量がかなり減ってしまったはずです。この場合、元の鉢よりも一回り、あるいは二回り小さい鉢を選びます。大きい鉢では土の量が多くなり、水やり後に土が乾きにくく、再び根腐れするリスクが非常に高まるためです。
- 植え付け:鉢底石を敷き、新しい、水はけの良い観葉植物用の土(赤玉土や鹿沼土を多めに配合したものが望ましい)で植え付けます。
- 植え替え後の管理:植え替え直後は、根が傷んでいるため水を吸う力が弱っています。この状態でたっぷり水を与えると、残った健康な根まで腐らせる可能性があります。植え替え直後は水やりをせず、2〜3日経ってから土の表面が乾いたのを確認して初めて水を与えます。 その後は、新しい芽や根が動き出すまで、肥料は絶対に与えず、明るい日陰で慎重に管理してください。メネデールなどの活力剤を薄めた水を与えるのは回復を助ける効果が期待できます。
ドラセナの枯れた幹を予防する育て方
参考
- 基本の水やりと土の乾燥
- 葉焼けを防ぐ日当たりの調整
- 根腐れを防ぐ風通しの確保
- 失敗しない夏の管理方法
- ドラセナの冬越しのコツ
基本の水やりと土の乾燥
ドラセナを枯らさないために、日常管理で最も重要なのは、水やりのメリハリです。幹が枯れる原因の実に多くが、「水のやりすぎ(根腐れ)」か、「やらなすぎ(乾燥)」のどちらかに起因しています。
基本的な考え方は、「土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。
この「たっぷり」というのがポイントで、鉢の中の古い空気を押し出し、新しい酸素を根に届ける意味もあります。そして、水やり後に受け皿に溜まった水は、5分以内に必ず捨ててください。これを怠ると、鉢底が常に水に浸かった状態になり、根腐れの最大の原因となります。
「土が乾いた」の判断基準
「土の表面が乾いたら」とよく言われますが、ドラセナの場合はもう少し慎重になるべきです。表面が乾いていても、鉢の中はまだ湿っていることがあります。
- 確実な方法:指を土の第二関節(2〜3cm)まで差し込んでみて、土が指に付いてこないか、湿り気を感じないかを確認します。
- 補助的な方法:鉢を持ち上げてみて、水やり直後の重さと比べて明らかに軽くなっていることを確認します。
季節ごとの水やり目安
- 春〜秋(生育期):土の表面が乾き、指を入れても湿り気を感じなくなったら、たっぷりと水を与えます。成長期は水をよく吸うので、土の乾きは早くなります。
- 冬(休眠期):気温が下がると生育が鈍るため、水の必要量が激減します。土の表面が乾いてからさらに3〜5日待つくらい、乾燥気味に管理するのが冬越しの最大のコツです。
葉焼けを防ぐ日当たりの調整
ドラセナは耐陰性(日陰に耐える力)があると広く知られていますが、この言葉は誤解されがちです。「暗くてもすぐに枯れはしない」というだけで、本来は日光を好む植物です。健康に育てるためには適度な光が不可欠です。
ただし、熱帯のジャングルでは他の木の下に生えていることが多いため、真夏の直射日光は強すぎます。特に西日は厳禁です。強すぎる日差しは「葉焼け」を引き起こし、葉が細胞から焼け、茶色くパリパリになってしまいます。これがひどくなると光合成ができなくなり、株全体の衰弱につながり、幹が枯れる遠因となります。
最適な置き場所は、「レースのカーテン越しに柔らかい光が入る、明るい室内」です。もし屋外で管理する場合は、春と秋は半日陰、真夏は直射日光が一切当たらない涼しい日陰に移動させてください。
暗すぎる場所もNG
逆に、日光がまったく入らない玄関や浴室などに長期間置くと、光合成ができずに株が衰弱します。光を求めて茎や葉が間延びする「徒長(とちょう)」を起こし、幹は細く弱々しくなり、病害虫への抵抗力も著しく低下します。適度な明るさは必ず確保してください。
根腐れを防ぐ風通しの確保

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日本の室内環境で観葉植物を育てる際、水やりや日当たりと同じくらい、あるいはそれ以上に見落としがちなのが「風通し」です。ドラセナの幹が枯れる原因となる「根腐れ」を防ぐ上で、この風通し(空気の循環)は非常に重要な要素となります。
なぜなら、根腐れは土が常に湿った状態が続くことで、土中の酸素が欠乏し、酸素を嫌う「嫌気性菌」が繁殖して根を腐敗させる病気だからです。風通しを良くすることは、この根本的な原因を解決するために不可欠です。
風通しがもたらす3つの重要な効果
- 土の乾燥を促進する:空気が動くことで、鉢土の表面だけでなく、鉢の側面や鉢底穴からも水分が効率よく蒸散します。これにより「土が乾く時間」が早まり、根腐れのリスクを直接的に減らします。
- 根の呼吸(ガス交換)を助ける:植物の根も人間と同じように酸素を必要とします。空気が循環することで、土の中に新鮮な酸素が供給され、根の活動によって発生した二酸化炭素が排出されます。これが根の健康を維持します。
- 病害虫の発生を抑制する:湿気がこもる場所は、カビ(うどんこ病など)やキノコの温床となります。また、ハダニも風通しが悪い場所を好みます。空気を動かすことで、これらの病害虫が住み着きにくい環境を作ることができます。
風通しが悪い危険な場所とは?
室内では、空気がよどんでいる「デッドスペース」が必ず存在します。
- 部屋の隅、コーナー部分
- 家具と壁の間、家具同士の隙間
- 植物を壁にぴったりとくっつけて置いている場所
- 複数の植物を葉が触れ合うほど密集させている場所の株元
- 床に直接置いている大型の鉢(床付近は特に空気が動きにくい)
特に日本の高温多湿な梅雨時期や、結露が起こりやすく窓を閉め切りがちな冬場は、これらの場所の湿度が異常に高くなります。このような環境で水やりを続けると、土が何日も乾かず、根腐れのリスクが格段に高まります。
具体的な風通し対策
対策は「換気」と「空気の循環」の2段階で考えます。
1.定期的な換気:1日に1回、5分でも構いませんので、対角線上にある2ヶ所の窓を開け、外の新鮮な空気を通して部屋全体の空気を入れ替えてください。これが最も基本的な対策です。
2.サーキュレーターや扇風機の活用:換気が難しい場合や、梅雨時で窓が開けられない場合は、サーキュレーターや扇風機が非常に有効です。ただし、使い方にコツがあります。
注意点:植物に風を直接当てない
植物に直接、強い風を当て続けると、葉からの蒸散が過剰になり、乾燥しすぎて葉が傷んだり、かえって株が弱ったりする原因になります。 風向きは、植物に向けるのではなく「天井」や「壁」に向けてください。首振り機能を使い、部屋全体の空気を大きくかき混ぜるように循環させるのがプロのテクニックです。弱い風でも、空気が動いている状態を作ることが重要です。
3.置き場所の工夫:植物を壁から5〜10cm離して置くだけでも、空気の通り道ができます。また、床に直置きしている大型の鉢は、キャスター付きの台(プランツトローリー)に乗せることをお勧めします。これにより、床との間に隙間ができて鉢底の風通しが良くなるだけでなく、掃除や移動が楽になり、日光浴もさせやすくなるというメリットがあります。
失敗しない夏の管理方法
ドラセナにとって、高温多湿な日本の夏は「水切れ」と「エアコンの風による乾燥」、そして「高温障害」という3つの大きな壁があり、これらが幹を枯らす原因に直結する非常に注意が必要な季節です。
熱帯の植物とはいえ、原産地のアフリカと日本の「ジメジメとした暑さ」は異なります。夏を乗り切るための具体的な管理方法を、3つのポイントに分けて詳しく解説します。
1.「水切れ」の徹底対策
気温が30℃を超える日が続くと、土の蒸発速度が格段に上がります。春や秋と同じ感覚で「2〜3日に1回」といったスケジュールで水やりをしていると、数日で土がカラカラになり、深刻な水切れを起こします。
水切れを起こすと、まず葉が張りを失い垂れ下がります。これが繰り返されると、水を吸い上げる細い根(根毛)がダメージを受け、修復不可能な状態になります。その結果、水を吸い上げられなくなり、幹がスカスカになる原因となります。夏は「土の乾きを毎日こまめにチェックする」ことを徹底してください。
夏の水やりのベストタイミング
夏の水やりは、気温が上がりきる前の早朝、または日中の熱が冷めた夕方以降が最適です。最も避けるべきなのは、気温がピークの日中に水を与えることです。
日中に水を与えると、鉢の中で水が太陽熱で温められ、お湯のようになってしまいます。これにより根が煮えてしまい、深刻なダメージ(根腐れならぬ「根煮え」)を引き起こす危険があります。夕方に与えるのが、夜間にゆっくりと水分を吸収できるため特におすすめです。
2.「エアコンの風」からの回避
室内管理での最大の強敵が、エアコンの風です。エアコンから出る「冷たく乾燥した風」が植物に直接当たると、葉の気孔から水分が強制的に奪われ続けます(強制的な蒸散)。
これは、ドラセナにとって「常に強風が吹く極度の乾燥地帯」に置かれているのと同じ状態です。結果として、葉先が茶色くチリチリに枯れ込んだり、葉が丸まったり、ひどい場合は葉を次々と落としてしまいます。これは当然、幹の水分も奪うことにつながります。
人間にとっては快適なエアコンの風も、植物にとっては大きなストレス源です。必ずエアコンの風が直撃しない、しかし空気は循環する場所(例:部屋の対角線上など)に置いてください。
3.「高温障害」と「乾燥」の複合対策
夏の管理は、屋外と屋内で対策が異なります。
【室内管理の場合:乾燥対策】
エアコンの風が直接当たらなくても、冷房を長時間稼働させている室内は、湿度が20%〜40%程度まで低下し、非常に乾燥します。ドラセナが好むのは60%前後のため、この乾燥が株を弱らせる原因となります。
そして、この「高温・乾燥」という環境は、ドラセナの天敵であるハダニ(葉ダニ)が最も発生しやすい条件です。(参照:KINCHO園芸「ハダニ類」)
対策として、霧吹きで葉の表裏に水をかける「葉水(はみず)」を毎日行うと非常に効果的です。これにより湿度を補うだけでなく、ハダニを物理的に洗い流す予防効果も期待できます。
【屋外管理の場合:高温障害対策】
屋外管理の場合、気温が35℃を超えるような猛暑日は、ドラセナも「夏バテ」(高温障害)を起こします。生育を一時的に停止し、自身の身を守ろうとします。
特に危険なのが、ベランダや地面のコンクリートからの照り返し熱です。これにより、鉢の周辺温度は実際の気温よりはるかに高い、40℃〜50℃に達することがあります。
夏の照り返しは絶対に避ける
対策として、絶対に鉢をコンクリートに直置きしないでください。スノコやレンガ、フラワースタンド(台)の上に置いて鉢底の風通しを良くし、熱が直接伝わるのを防ぐことが必須です。
置き場所も、直射日光が当たらない「涼しい日陰」(建物の北側や、大きな木の陰など)に移動させます。よしずやすだれ(葦簀・簾)を使って、日差しを50%程度遮ってあげるのも非常に有効な手段です。
ドラセナの冬越しのコツ

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ドラセナの幹が枯れる最大の危機であり、最も多くの人が失敗するのが「冬越し」です。熱帯原産のドラセナは、日本の冬の寒さが大の苦手です。
品種にもよりますが、「幸福の木(マッサンゲアナ)」や「コンシンネ・レインボー」などは特に寒さに弱く、安全ラインとして最低でも10℃以上を保つ必要があります。他の品種(コンシンネ原種など)も、最低5℃は確保したいところです。5℃を下回ると、いつ低温障害を起こしてもおかしくありません。
例えば、気象庁のデータを見てもわかるように、屋外はもちろんのこと、暖房のない玄関や廊下は、真冬の夜間には容易に5℃以下にまで下がります。
冬越しの最重要ポイント
- 置き場所(温度確保):必ず暖房の効くリビングなど、人が常にいる暖かい室内に取り込みます。ただし、最も注意すべきは「夜間の窓際」です。窓際は、外の冷気が伝わる「コールドドラフト」現象により、室温が15℃あっても窓際は5℃近くまで下がることがあります。この温度変化が植物に大ダメージを与えるため、夜は必ず窓から1メートル以上離れた部屋の中央に移動させてください。
- 水やり(徹底した乾燥):前述の通り、冬は生育がほぼ停止(休眠)するため、根が水をほとんど吸いません。この時期に水を与えすぎると、土が冷たい水で飽和し、即座に根腐れと低温障害のダブルパンチを引き起こします。「土の表面が乾いてから、さらに1週間は待つ」くらいの徹底した乾燥管理が、幹をブヨブヨにさせない最大のコツです。
ドラセナの枯れた幹を増やさないポイントまとめ
最後にドラセナの幹を枯れさせず、健康に長く楽しむための重要なポイントをまとめます。
チェックリスト
- ドラセナの幹が枯れる主な原因は「根腐れ」「水不足」「寒さ」の3つ
- 幹がスカスカなのは慢性的な水不足や根の機能低下が原因
- 幹がブヨブヨなのは水のやりすぎによる根腐れや低温障害(凍害)が原因
- 復活の判断は幹の内部の色で行う(緑色や白っぽく、みずみずしければ生存)
- 生きている部分は「胴切り」や「挿し木」で再生可能
- 根腐れした場合は黒く腐った根をすべて取り除き、一回り小さい鉢に植え替える
- 水やりは「土の中まで乾いたら、鉢底から出るまでたっぷり、受け皿の水は即捨てる」が鉄則
- 冬は水やりを徹底的に控え、土が乾いてから数日〜1週間待ってから与える
- 置き場所はレースカーテン越しの明るい室内が最適
- 真夏の直射日光とエアコンの風は絶対に避ける
- 風通しを良くして土の乾燥を促し、根腐れと病害虫を予防する
- 冬越しは最低10℃以上を目安にし、夜は必ず窓から離す
- 2〜3年に1回は生育期(春)に植え替えを行い、根詰まりを防ぐ
- 日々の観察(葉の張り、幹の硬さ、土の乾き)が枯れた幹を防ぐ第一歩