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こんにちは。観葉スタイル、運営者の「まさび」です。
ドラセナ・ジェレ、そのシャープで光沢のある濃い緑の葉と、まっすぐ伸びる力強い樹形が、本当にかっこいい観葉植物ですよね。モダンなお部屋にも、ナチュラルなお部屋にも不思議とマッチしてくれる、私も大好きな品種の一つです。
ただ、このドラセナ・ジェレ、育ててみると分かるんですが、びっくりするくらい生育旺盛なんです。環境が合うと、ぐんぐん上に向かって伸びていきます。
育て始めた頃はコンパクトで格好良かったのに、気づけば「あれ、なんだかひょろひょろと伸びすぎちゃったな…」とか、「まずい、もうすぐ天井につきそう!」なんてこと、ありませんか?
私もまさにその経験者でして、最初は嬉しかった成長が、次第に悩みに変わっていきました。伸びすぎて頭が重くなり、全体の形がアンバランスになってしまったり、日が当たりにくくなった下の葉が次々と落ちて、なんだか寂しい姿になってしまったり…。「あの頃のカッコよさはどこへ…」と、どうやって仕立て直したらいいか本気で悩んだ時期がありました。
そこで解決策として浮かぶのが「剪定」という言葉です。でも、いざ剪定しようと思っても、「植物の幹にハサミを入れる」って、なんだかすごく勇気がいりますよね。
「本当に切っても大丈夫なの?」「正しい時期はいつ? 間違えたら枯れちゃうんじゃ…」「どこを切るのが正解なんだろう?」「切った後、もし新芽が出なかったらどうしよう…」そんな不安が次々と浮かんできませんか。
また、どうせ剪定するなら、切った枝を「挿し木」にして増やし方に活かしたい、とか、1本立ちだった幹を「分岐」させて、もっとボリュームアップさせたい、といったポジティブな悩みも出てくるかなと思います。
この記事では、そんなドラセナ・ジェレの剪定に関するあらゆる疑問や不安について、基本的な考え方(目的)から、具体的な手順、そして剪定後の「アフターケア」という最も大切な管理方法まで、私のちょっとした失敗談も踏まえながら、できるだけ分かりやすく、詳しくまとめてみました。
「剪定で失敗したくない」「ジェレをもっと格好良く仕立てたい」と思っている方にとって、きっとこの記事が背中を押すお手伝いができるはずです。
ポイント
- 剪定する前に絶対確認!「切ってはいけない」株の健康状態チェック法
- 高さ調整?分岐? 目的別(切り戻し・分岐)の具体的な剪定手順とコツ
- 成功のカギ! 剪定に最適な「時期」(ベストシーズン)と、絶対に避けるべき「時期」
- 切ってからが本番! 剪定後の新芽を出すための水やりや置き場所などの管理方法
コンテンツ
ドラセナ・ジェレの剪定:基本と目的

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ドラセナ・ジェレの剪定と聞くと、なんだか「高度な園芸技術」のように感じて、構えてしまうかもしれません。ですが、心配しないでください。まずは「なんのために切るのか」という目的と、「切っても大丈夫な株の状態か」という大前提を知ることが、成功への一番の近道です。
ここでは、剪定を行う上での基本的な考え方と、安全に作業するための「絶対条件」について、じっくりと見ていきましょう。ここを押さえておくだけで、失敗のリスクは格段に減らせると思いますよ。
元気がない株は剪定NG?

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剪定の手順や時期についてお話しする前に、一番大切で、絶対に守っていただきたいことを先にお伝えします。それは、「元気がない、弱っている株は、絶対に剪定してはいけない」ということです。
なぜこんなに強く言うかというと、私自身が過去にこれで失敗しかけた経験があるからです。「なんとなく形が悪いし、葉も垂れてきたから、いっそ切ってリセットしよう」…これは、最も危険な考え方の一つです。
考えてみてください。剪定は、植物にとっては幹や枝を切断される「外科手術」のようなもの。当然ながら、株には非常に大きなストレスがかかります。私たち人間も、高熱や体調不良の時に、元気を取り戻すための手術ではなく、体に負担のかかる手術はしないですよね。植物も全く同じなんです。
「葉が垂れてきた」「葉先が枯れる」といった症状は、植物が私たちに送っている「深刻な健康問題のサイン(SOS)」である可能性が極めて高いです。これは「樹形が乱れた」という見た目の問題ではなく、「根腐れ」や「水切れ」、「根詰まり」といった、株の生命活動に関わる「病気」や「不調」のサインなんです。
すでに病気や不調で体力が落ちている株に「剪定」という手術(追い打ち)をかけてしまうと、株には回復するための体力が残されていません。結果として、切り口を塞ぐことも、新しい芽を出すこともできず、そのまま力尽きて枯死に至る…というのが、剪定失敗の最悪なパターンです。
【最重要】剪定前の健康チェックリスト
以下の症状が「一つでも」見られる場合、あなたのジェレに必要なのは剪定ではなく「治療」です。剪定は絶対に見送ってください。
- 葉にハリがない:葉全体が力なく垂れ下がり、触ってもピンとしていない。
- 葉先が茶色く枯れる:葉の先端から広範囲にわたって茶色く変色し、乾燥している。
- 幹や株元が柔らかい:幹の下部や土に近い部分を指で押すと、ブヨブヨしたり、フカフカしたりする。(重度の根腐れのサイン)
- 株がグラつく:軽く株を揺すっただけで、根元が安定せずグラグラする。
- 土から異臭がする:カビ臭い、または酸っぱいような腐敗臭がする。
- 新芽が止まっている:成長期のはずなのに、新しい芽がまったく出てこない、または黒く枯れる。
これらの症状がある場合、優先すべきは「植え替え」による根の状態の確認(根腐れ・根詰まりのチェック)、水やり頻度の見直し、置き場所(日照・風通し)の改善です。
剪定は、これらの治療が成功し、株が元気を取り戻して「新しい芽が伸び始めた!」というのを確認してから、初めて検討すべき作業だと覚えておいてください。
葉が垂れる、枯れる時の対処

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先ほどの健康チェックでも触れましたが、ドラセナ・ジェレを育てていると本当によく遭遇するのが「葉が垂れる」「葉先が枯れる」といった症状だと思います。これは剪定で解決する問題ではなく、その多くが「根」か「水分のバランス」に問題が起きているサインです。
やっかいなのは、原因によって対処法が「真逆」(水を与えるべきか、止めるべきか)になることです。慌てて間違った対処をしないよう、原因をしっかり見極めましょう。
1. 単純な「水切れ」
まず一番に疑うべき、そして最も回復が早い原因です。
見分け方:
- 土を指で触ってみて、表面だけでなく数cm中までカラカラに乾いている。
- 鉢を持ち上げてみると、いつもより明らかに軽い。
- 葉全体が、しなだれるようにハリを失っている。
対処法: 原因がこれなら簡単です。すぐに鉢底から水が勢いよく流れ出るまで、たっぷりと水を与えてください。この時、土が乾燥しすぎて水を弾くようなら、数回に分けてゆっくり与えるか、「腰水(こしみず)」(バケツなどに水を張り、鉢ごと浸ける方法)でしっかり吸水させます。受け皿に溜まった水は、根腐れ防止のため必ず捨ててください。
結果: 水切れが原因だった場合、早いと数十分、遅くとも数時間後には、葉がピン!と音を立てるかのように劇的に回復することがありますよ。
2. 最も危険な「根腐れ」
これが一番深刻で、剪定どころではなくなる原因です。
見分け方:
- 土は湿っている(または濡れている)のに、葉が垂れている。←最重要サイン
- 土が常にジメジメしていて、乾く気配がない。
- 鉢を持ち上げると、常にずっしりと重い。
- 前述の「幹がブヨブヨ」「土から異臭」などのサインも併発している。
メカニズム: これは、水のやりすぎ(過湿)や、鉢皿に水を溜めっぱなしにしたことで、土の中が酸欠状態になり、根が窒息して腐ってしまった状態です。腐った根は、もう水を吸い上げる能力を失っています。その結果、根から水が来ないため、末端の葉が「水切れ」と同じ状態に陥っているんです。これが「土は湿っているのに葉が垂れる」という、一見矛盾した症状の正体です。
対処法: 一刻も早い「緊急手術(植え替え)」が必要です。すぐに鉢から株を抜き、古い土をすべて(できるだけ優しく)落とします。黒く変色した根、ブヨブヨした根、スカスカした根は、ためらわずに清潔なハサミで「すべて」切り落とします。健康な白い根だけを残し、新しい清潔な土で植え替えてください。植え替え直後の水やりは控えめにし、明るい日陰で回復を待ちます。
3. じわじわ効いてくる「根詰まり」
「葉先が枯れる」症状の主な原因の一つがこれです。
見分け方:
- 鉢底の穴から、根がはみ出してきている。
- 水を与えても、土に染み込まずに表面を流れてしまう。
- 水やり後、すぐに土が乾いてしまう(鉢の中が根でいっぱいで、土がほとんどない状態)。
- 葉先からジワジワと茶色く枯れ込んでくる。
メカニズム: 鉢の中が根でパンパンになり、新しい根を伸ばすスペースも、水分や養分を保持する土のスペースもなくなってしまった状態です。水をやってもすぐに流れ出てしまうため、株は慢性的な水不足・栄養不足に陥り、体力のない末端の葉先から枯れていきます。
対処法: これは、剪定と同じく成長期(5月〜9月頃)に、ひと回り大きな鉢に植え替えるしかありません。固まった根鉢は、優しく肩の部分(上部)の土を落とし、軽くほぐしてから新しい鉢に植え替えてあげましょう。
ドラセナのトラブル、もっと詳しく
「葉が垂れる」症状は、ドラセナ全般で最も多いお悩みかもしれません。当サイトには、ドラセナ・ジェレと非常に性質が似ている近縁種「コンシンネ」のトラブルに特化した記事があります。
根腐れや水切れだけでなく、日照不足、環境変化ストレス、冬越しの注意点など、「葉が垂れる」あらゆる原因と復活法を深掘りしていますので、お困りの方はぜひこちらも併せてご覧ください。 → ドラセナ・コンシンネの葉が垂れる原因と復活法を解説します
伸びすぎを整える剪定の目的
さて、前置きが非常に長くなりましたが、ここからが本題です。無事に「II章」の健康チェックをクリアした、元気いっぱいのドラセナ・ジェレに対して、なぜあえてハサミを入れるのでしょうか。
目的は、大きく分けて2つあります。そして、幹を切る剪定においては、この2つはほぼ同時に達成されることになります。
目的1:高さをコントロールする(切り戻し)
ドラセナ・ジェレは、原産地(熱帯アフリカ)では10メートルを超える高木になることもある植物です。そのポテンシャルは室内でもいかんなく発揮され、環境が良いと本当に上へ上へとよく伸びます。
室内で育てる以上、天井という物理的な限界がありますよね。「天井につっかえて葉が折れてしまった」「高くなりすぎて、部屋に圧迫感が出てきた」という状態は、あまり美しいものではありません。
このように、伸びすぎた幹や枝を、好みの高さ(位置)でカットして、植物全体のサイズをコンパクトに制御することを、園芸用語で「切り戻し(剪定)」と呼びます。
また、成長に伴って下葉が落ちて、上の方だけに葉が茂る「頭でっかち」なアンバランスな樹形になってしまった場合も、この「切り戻し」によって低い位置でカットし、仕立て直すことで、再びバランスの取れた姿に戻すことができます。
目的2:枝数を増やす(分岐させる)
これが剪定の醍醐味であり、面白いところです。
多くの植物には、「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質が備わっています。これは、一番てっぺんの芽(頂芽)が、「オーキシン」という成長ホルモンを独占的に作り出し、そのホルモンが上から下へと流れることで、脇にある芽(脇芽)の成長を「待て!」と抑制する仕組みのことです。
植物としては、まずは横に広がるよりも上へ伸びて、ライバルより早く太陽の光を浴びたい、という生存戦略なんですね。
しかし、剪定によってこの「頂芽(トップ)」がカットされるとどうなるか。 ホルモンによる抑制(フタ)が解除され、それまで眠っていた脇芽たちが「今だ!」とばかりに一斉に成長を始めます。
つまり、1本立ちだった幹をカットすることで、その切り口の下(節)あたりから、新しく2本、3本、時には4本もの新しい芽が「分岐」して伸びてくるんです。
これを利用して、最初は1本で寂しかった株を、剪定を繰り返すことで枝数を増やし、こんもりとボリュームのある、見応えのある樹形に仕立てていくのが、剪定の第二の、そして非常に積極的な目的となります。
お分かりのように、高さを抑えるために「切り戻す」と、その結果として新芽が「分岐」します。この2つの目的は、幹の剪定において表裏一体の作業というわけですね。
剪定に最適な時期はいつか
この「時期」の見極めは、剪定の成否を9割方決定づけると言っても過言ではない、最も重要なポイントです。ドラセナ・ジェレの生理的サイクル(活動期と休眠期)をしっかり理解して、ベストなタイミングでハサミを入れましょう。
ベストシーズン:成長期初期(5月~6月)
結論から言うと、ドラセナ・ジェレの剪定は、5月〜6月が絶対的なベストシーズンです。
なぜか? 日本の気候において、この時期は気温が安定して上昇し、ドラセナが本格的な成長期に入る「スタートダッシュ」の時期だからです。冬の休眠から目覚め、株は光合成で得たエネルギーを全身にみなぎらせています。
この「体力MAX」の時期に剪定(手術)を行えば、
- 剪定によるダメージ(ストレス)からの回復が非常に早い。
- 切り口を塞ぐ(治癒する)力が強い。
- 新しい芽(脇芽)を勢いよく出すためのエネルギーが満タン。
と、三拍子揃っています。剪定後、すぐに新芽が動き出す様子を観察できる、ゴールデンタイムと言えるでしょう。
許容シーズン:成長期(7月~9月)
同じ成長期なので、7月〜9月(初旬)にかけても、剪定自体は「可能」です。株はまだ活動しています。
しかし、注意点が一つ。日本の7月〜8月は、人間だけでなく植物にとっても過酷な「酷暑(真夏)」の時期です。強すぎる日差しによる「葉焼け」のリスクや、高温多湿による「夏バテ」(一時的な成長鈍化)のリスクがあります。
体力MAXの5〜6月に比べると、ややコンディションが落ちている時期とも言えます。この時期にやむを得ず剪定を行う場合は、株への負担が大きくなることを覚悟し、剪定後は特に「直射日光厳禁」「風通しの良い、明るい日陰」で慎重に管理することが必須条件となります。
可能な限り、本格的な夏が来る前の5月〜6月に済ませておくのが、株にとっても私たちにとっても安心ですね。
【厳禁】休眠期(10月~4月)の剪定は絶対にNG!
これが剪定失敗の最大の原因です。気温が下がり始める秋(10月頃)から、春先に暖かくなる(4月頃)までの間、ドラセナは「休眠期」に入り、成長をほぼストップします。
この時期は、植物が活動を停止し、じっと春を待っている状態。体力は温存モードです。
この「寝ている」株に、幹を切るような大きな剪定(強剪定)をしてしまうと、どうなるでしょうか。 株には、切り口を塞いだり、新しい芽を出したりするためのエネルギーが全く残っていません。
- 切り口がいつまでも乾かず、そこから雑菌が侵入して幹が腐り込む。
- 新芽が出ないまま体力を消耗しきって、春を待たずに枯死する。
これが、冬の剪定が「絶対にダメ」と言われる理由です。「新芽が出ない」どころか、株全体を失うリスクが極めて高いのです。
例外:軽剪定(メンテナンス) ただし、例外もあります。茶色く完全に枯れた葉や、寒さで傷んだ葉先だけを取り除く、といった株にほとんどストレスのかからない「軽剪定(メンテナンス)」は、冬でも行うことが可能です。
【推奨】ドラセナ・ジェレ 剪定カレンダー
時期(カレンダー)と、株の状態(コンディション)の両方を見極めるのがベストです。株の状態とは、「新芽が元気に伸びている」「葉にハリとツヤがある」など、生育が順調であることが確認できるサインです。いくら5月でも、元気がない株は切ってはいけません(II章参照)。
| 時期 | 評価 | 剪定の種類 | 理由と注意点 |
|---|---|---|---|
| 5月 – 6月 | ◎ 最適 | 強剪定・軽剪定 | 成長期初期でエネルギーが最大。回復が最も早く、新芽も出やすいゴールデンタイムです。 |
| 7月 – 9月 | 〇 可能 | 強剪定・軽剪定 | 成長期ですが、真夏の酷暑は株にストレス。剪定後の管理(明るい日陰・葉焼け注意)が必須です。 |
| 10月 – 4月 | × 不可 | 強剪定 | 休眠期です。回復できず、新芽も出ず、枯れる最大の原因になります。絶対に避けてください。 |
| (通年) | △ 可 | 軽剪定のみ | 完全に枯れた葉や、傷んだ葉先のみをカットする「メンテナンス」は、株への負担が少ないため時期を問いません。 |
どこを切る?分岐させる方法
さて、いよいよ剪定の具体的な「How」の部分です。ここでは、高さを抑え、枝数を増やすための「強剪定(切り戻し・分岐)」の手順について詳しく解説します。健康維持のための「軽剪定」(枯れ葉カット)は、単に枯れた葉の付け根をハサミで切るだけですので、ここでは強剪定にフォーカスしますね。
1. 準備する道具:切れ味が命
作業をスムーズに進め、植物へのダメージを最小限にするため、道具の準備は万全にしましょう。
- 剪定バサミ:直径1〜2cm程度の比較的細い枝や葉を切るために使います。 【重要】必ず「よく切れる」園芸用のものを準備してください。切れ味の悪いハサミで切ると、幹の繊維(維管束)を潰してしまい、水の吸い上げが悪くなったり、切り口が汚くなって病菌が入りやすくなったりします。使用前は、刃をアルコール(消毒用エタノールなど)で拭いて消毒しておくと万全です。
- 剪定ノコギリ:直径が2cmを超えるような、太い幹を切る場合に必須です。ハサミで無理やり切ろうとすると、幹が裂けたり潰れたりして、悲惨なことになります。園芸用の、目が細かくよく切れるものを選びましょう。
- 剪定用手袋:刃物や、幹の硬い切り口から手を保護するために、あると安心です。
- 癒合剤(ゆごうざい):(推奨)後述しますが、太い幹を切るなら、ぜひ用意してほしい保護材です。
2. 癒合剤(トップジンMペーストなど)は必要か?
結論から言うと、幹や太い枝を切る剪定(切り戻し・分岐)では、使用を強く、強く推奨します。
剪定後の切り口は、人間でいう「傷口」そのもの。しかも、かなり大きな傷口です。癒合剤(「トップジンMペースト」や「カルスメイト」といった商品名で販売されています)は、この傷口を保護し、治癒を助ける「絆創膏」や「軟膏」のような役割を果たします。
主な目的は、以下の2つです。
- 病害虫の侵入防止:むき出しの切り口(特に湿った内部組織)は、雑菌やカビにとって格好の侵入経路です。癒合剤でフタをすることで、これを物理的に防ぎます。
- 水分の蒸散防止(枯れ込み防止):切り口からも水分は蒸発していきます。これを放置すると、切り口付近が乾燥してどんどん枯れ下がり、新芽が出るはずだった節までダメになってしまうことがあります。癒合剤は、この不要な蒸散を防ぎます。
細い枝や葉のカット(軽剪定)には不要ですが、幹をカットする強剪定では、癒合剤を塗布することで、剪定後の枯れ込みリスクを劇的に減らすことができます。代用品として木工用ボンドが使われる例もありますが、ボンドには殺菌作用はありません。どうせやるなら、殺菌剤が含まれている専用の癒合剤が最も安全で効果的です。
例えば、代表的な癒合剤「トップジンMペースト」の有効成分である「チオファネートメチル」は、農薬取締法に基づき農林水産省に登録されている殺菌成分です。これは、単なる気休めではなく、科学的根拠に基づき、切り口の病害(菌)を防ぐ効果が公的に認められていることを示しています。(出典:農林水産省 農薬登録情報提供システム)
3. どこを切るか? 切る位置の決定
ここが一番悩むところですよね。切る位置を決めるには、まず「仕上がりのイメージ」を持つことが大切です。
- 新芽を出させたい位置を決める:「この辺りから新しく3本くらいに分岐したら、カッコいいな」という位置を決めます。
- カットはその「数cm上」:実際にカットするのは、その「新芽を出させたい位置」の「数cm上」を目安にします。なぜなら、新芽は切り口の「真下」にある節(葉がついていた跡の、わずかに膨らんだ部分)から出ることが多いからです。
切り口ギリギリすぎると、その下の節が乾燥で枯れ込むリスクがあるため、少しマージン(余裕)を持たせて、節の数cm上でカットするのがセオリーです。
4. どう切るか? 実行の手順
切る位置が決まったら、いよいよ実行です。
葉の確保(できるだけ): 新芽が成長するためには、光合成でエネルギーを生み出す「葉」が必要です。もし、カットする幹の下の方にまだ葉が残っている場合は、その葉をできるだけ残すように(その葉より上で)カットすると、剪定後の回復が格段にスムーズになります。
とはいえ、アンバランスな樹形を仕立て直す場合は、葉が全くない幹の途中で切ることも多々あります。その場合でも、適切な時期であれば、幹に蓄えられたエネルギーで新芽は出てくるので安心してください。
細い幹の場合: 消毒した剪定バサミで、一気にスパッと切ります。ためらって何度も切り直すと、切り口が汚くなるので思い切りが大切です。
太い幹のテクニック(樹皮の裂け防止): 剪定ノコギリで太い幹を切る際、上から一気に切っていくと、最後の最後で幹の重みで「ベリッ」と樹皮が裂けて、幹の下部まで剥がれてしまうことがあります。これは株に大ダメージです。
これを防ぐため、以下の手順(受け切り)を踏むと安全です。
- まず、切る位置の真下に、ノコギリで少し(幹の直径の1/4程度)切り込みを入れます。(=受け)
- 次に、その切り込みの少し外側(上)から、本切りとして上から切り落としていきます。
- こうすることで、万が一幹が重みで裂けそうになっても、最初に入れた「受け」の切り込みで裂けが止まります。
切り口のケア: 切断が完了したら、速やかに、切り口に癒合剤(トップジンMペーストなど)を厚めに、隙間なく塗り込みます。チューブから直接出して、切り口全体を覆うように塗ってください。これで手術は完了です。
この手順を(III章で解説した)適切な時期に行えば、数週間から1ヶ月もすると、切り口の下の節から、ポツポツと緑色の新しい芽が複数(ジェレは3本くらい出ることが多い印象です)伸びてくるのが確認できるはずですよ。
ドラセナ・ジェレの剪定:管理と活用法

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お疲れ様でした! 無事に剪定作業が終わりましたね。ですが、ここで気を抜いてはいけません。剪定は「切って終わり」では、まだ50点です。
むしろ、切った後の管理(アフターケア)こそが、残りの50点を満点にするために最も重要です。手術を終えたばかりのデリケートな株を、いかに安全に回復させ、無事に新芽を出させるか。そのための管理方法と、せっかく切った枝を活用する方法について詳しくご紹介しますね。
剪定した枝の挿し木と増やし方

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剪定でカットしたトップ部分(天芽)や、幹の途中(管挿し)、そのままゴミ箱に捨てるのは、なんだか忍びないですよね。ご安心ください。ドラセナ・ジェレは非常に生命力が強く、このカットした枝を使って「挿し木(さしき)」や「水挿し(みずさし)」で、新しい株として増やす(繁殖させる)ことが可能です。
剪定と同時に、増やす楽しみも味わえるのは、植物を育てる大きな喜びの一つですよね。
1. 挿し穂(さしほ)の準備
まず、カットした枝を「挿し木」や「水挿し」に使うための「挿し穂」に加工します。
- 長さ:挿しやすい長さ(10~15cm程度)に切り分けます。これより短くても長くても構いませんが、このくらいが管理しやすいと思います。
- 葉の処理(最重要): 挿し穂には「根」がありません。それなのに「葉」がたくさんついていると、葉からの水分蒸散(植物の呼吸)が激しすぎて、根から水を吸えない挿し穂はあっという間に乾燥して(しわしわになって)枯れてしまいます。 これを防ぐため、ついている葉は、先端の「2~3枚程度」だけを残し、それ以外の葉はすべて付け根からカットして取り除きます。
さらに、残したその2〜3枚の葉も、ハサミで「半分の長さ」にカットして、葉の面積自体を小さくしてしまいます。これが蒸散を極限まで抑え、成功率を上げる最大のコツです。
- 切り口の処理: 土や水に挿す「下」側の切り口は、カッターナイフや清潔なハサミで「ななめ」にスパッと切り直します。切り口の断面積を広げることで、水を吸い上げる面積を少しでも増やすためです。
2. 水挿し(水差し)での発根
最も手軽で、発根の様子が目に見えて楽しい方法です。
手順: 葉を処理した挿し穂を、水を入れた容器(コップや花瓶、ジャムの空き瓶などで十分です)に挿しておくだけです。
管理のコツ: 水を腐らせないことが何よりも大切です。夏場は特に水が傷みやすいので、できれば「毎日」、最低でも2〜3日に1回は新鮮な水に取り替えましょう。切り口のヌメリなども、水替えの際に洗い流してあげると清潔です。
発根後: 環境にもよりますが、適切な時期(5〜9月)であれば、数週間〜1ヶ月ほどで切り口付近から白いポツポツ(カルス)が現れ、やがて根が伸びてきます。根が数cm(5cmくらい)伸びてきたら、土に植え替えることも可能ですし、そのまま水栽培(ハイドロカルチャー)として楽しむこともできますよ。
3. 挿し木(土挿し)での発根
最初から土に植えるため、発根後の植え替えの手間がない方法です。
手順:
- 用土:「清潔であること」が絶対条件です。雑菌がいると、切り口から腐敗します。赤玉土(小粒)や鹿沼土、挿し木用の培養土、バーミキュライトなど、肥料分の入っていない清潔な土を用意します。
- 鉢(容器):挿し穂の大きさに合った、小さめの鉢やポット(ポリポットなど)を選びます。大きすぎる鉢は、土がなかなか乾かず過湿になり、挿し穂が腐る(根腐れ)原因になるため避けてください。
- 挿し方:挿し穂の上下を絶対に間違えないように注意し(葉がついていた方が上です)、切り口を土に挿します。グラグラしない程度(深さ3〜5cm程度)に挿したら、周りの土を軽く押さえて固定します。
4. 成功率をさらに高める裏ワザ
挿し木・水挿しは、以下のポイントを押さえるだけで成功率が格段に高まります。
挿し木・水挿し 成功のコツ
- 発根促進剤の使用: 挿し穂の「下」の切り口に、「ルートン」(粉末タイプ)や「メネデール」(液体タイプ)などの発根促進剤を処理してから挿すと、発根率が目に見えて高まります。必須ではありませんが、初めての方や、絶対に失敗したくない場合は、保険として使うことを強くおすすめします。
- 挿し穂の「上」の切り口の保護(土挿しの場合): 土挿しの場合、挿し穂(特に幹の途中を使った「管挿し」)の「上」の切り口(土に埋まっていない、空気に出ている側)は、むき出しの傷口です。ここから水分が蒸発して挿し穂が乾燥したり、菌が入ったりするのを防ぐため、剪定時と同じく癒合剤や、乾くと耐水性になる木工用ボンドで塞ぐ(フタをする)ことが、プロも使う重要なテクニックです。
- 挿した後の管理: 挿し木・水挿しをした挿し穂は、発根するまで(根が出て自分で水を吸えるようになるまで)、剪定後の親株と同様に「明るい日陰」で管理します。土挿しの場合は、土がカラカラに乾かないよう、適度に霧吹きや水やりで湿度を保ちます。
ドラセナの挿し木、もっと詳しく知りたい方へ
挿し木は、剪定と同じくらい奥が深く、タイミングや管理方法に失敗しないためのコツがいくつかあります。
当サイトには、まさに「ドラセナの挿し木」に特化し、失敗する原因(腐る・乾燥する・発根しない)と、その対処法、管挿しのテクニックなどを、これでもかというくらい詳しく解説した記事があります。
「せっかく剪定した枝、絶対に成功させたい!」という方は、ぜひチャレンジする前にこの記事で予習してみてください。 → ドラセナの挿し木が失敗する原因は?対処法や復活のコツも解説
剪定後の水やりと置き場所

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さあ、ここが剪定後のケアで「最も重要」かつ「最も失敗しやすい」ポイントです。切った枝の活用法(挿し木)にばかり気を取られて、手術を終えた「親株」のケアを疎かにしてはいけません。
剪定後の株は、手術を終えたばかりの患者さんと同じ。体力(抵抗力)が落ち、非常にデリケートな状態です。ICU(集中治療室)でケアするような、特別な管理をしてあげましょう。
1. 置き場所(最優先で確保すべき環境)
剪定(特に幹を切る強剪定)を行った株は、これまで置いていた場所から、速やかに「明るい日陰」に移動させてください。
「明るい日陰」とは?
- レースのカーテン越しのような、柔らかい光が当たる場所。
- 直射日光は絶対に当たらないけれど、日中は照明がなくても本が読めるくらいの明るさがあるリビングなど。
なぜダメなのか?
- 直射日光:絶対NGです。弱った株に強い日光が当たると、致命的なダメージ(葉焼け、水分の過度な蒸散)になります。
- 暗すぎる場所:これもNGです。株が回復し、新芽を出すためには、光合成によるエネルギーが必要不可欠です。暗すぎるとエネルギーを作れず、回復が遅れ、新芽も出ません。また、土が乾かず根腐れを誘発します。
もう一つ大事なのが「風通し」です。空気がよどんだ場所に置くと、切り口や土が蒸れて、カビや病気の原因になります。エアコンの風が直接当たるのは論外ですが、空気が優しく動くような、風通しの良い場所を選んで休ませてあげてください。
2. 水やり(最重要! ここで失敗する!)
ここ、テストに出ます(笑)というくらい重要です。心して読んでください。
剪定直後(特に強剪定後)は、水やりの頻度を「いつもより、必ず、控えて」、土を「乾燥気味」に管理してください。
これが、剪定後の失敗(特に根腐れ)を防ぐための、最も重要な管理ポイントです。「切ったから、お水たっぷりあげなきゃ」は、一番やってはいけないことです。
なぜ、水やりを「控える」のか?
理由はとてもシンプルです。 剪定によって「葉の量」が一気に減った(または無くなった)からです。
植物は、根から吸った水を、主に「葉」の裏側にある気孔(きこう)という穴から蒸散(じょうさん)させています。これが植物の呼吸であり、水分を消費する最大の活動です。
その「葉」が、剪定によってごっそり少なくなったということは、どういうことでしょうか?
植物が消費する(土から吸い上げる)水分量が、激減しているということです。
この「水をほとんど消費しない状態」の株に、剪定前と同じ感覚で、または「元気を出せ」とばかりに水を与え続けたら…?
結果: 土が(消費されないため)常にジメジメと湿った状態(過湿)になります。すると、土の中の空気がなくなり、根が窒息します。そして、ドラセナの最大の枯死原因である「根腐れ」を、あっという間に引き起こします。
剪定は成功したのに、その後の水やりが原因で根腐れさせて枯らしてしまう…というのが、最も悲しい失敗パターンなんです。
具体的な水やり
剪定後は、これまで「土の表面が乾いたら」だったのを、「土の表面が乾いてから、さらに数日待って、指を数cm差し込んでも土の中の湿り気を感じない」のを確認してから、水を与える、というくらい徹底して乾燥気味に管理してください。これが、安全に回復させる一番の近道です。
3. 肥料はいつから?
水やりと並んで、やりがちなミスが「肥料」です。
結論:剪定直後の施肥は、絶対に(100%)行いません。
理由: 剪定直後の株は、成長を一時停止し、全エネルギーを「傷口の治癒(回復)」に注いでいます。この状態の根は、肥料(栄養)を吸収することができません。むしろ、手術後の弱った胃腸に、いきなり焼肉を放り込むようなものです。
リスク: 吸収されない肥料は、土壌の養分濃度を無駄に高め、弱った根をさらに傷めます(いわゆる「肥料焼け」)。栄養を必要としない休眠期(冬)に肥料を与えると根が傷むのと同じ原理です。
再開の目安: 肥料を再開するのは、焦る必要はまったくありません。剪定した切り口の下から「新芽」が確実に出てきて、その新芽が葉を広げ、株が「回復・再成長」を始めたことを目で確認してからです。それから、いつもの規定よりさらに薄めた液体肥料を少し与える程度から、リハビリを始めるようにしてください。
新芽が出ない失敗の原因
「勇気を出して剪定したのに、適切な管理もしたはずなのに、待てど暮らせど新芽が出てこない…」
これは本当にショックですよね。心が折れそうになります。私も、新芽が動くまで毎日毎日切り口を眺めては、「大丈夫か…?」と不安になった経験があります。
新芽が出ない(または非常に遅い)原因は、そのほとんどが、これまで解説してきたことの「裏返し」になります。
原因1(最大):時期が悪かった(冬に切った)
これが圧倒的に一番多い原因です。III章でしつこく解説した通り、休眠期(10月〜4月)に剪定してしまったパターンです。
株は寝ている(活動停止している)ので、芽を出す体力がありません。この場合、対処法は「待つ」しかありません。水やりを(VI章Bの通り)「絶対に」控えめにし、根腐れさせないように注意しながら、暖かく明るい場所で、春(5月頃)になって株が活動を再開し、芽を出すのを祈りながら待つことになります。
原因2:置き場所が暗すぎる(日照不足)
剪定後の株を、回復させるために「安静に」させようとして、玄関や廊下、部屋の奥まった場所など、暗すぎる場所に置いてしまったパターンです。
新芽が成長するには、光合成のエネルギーが必要不可欠です。暗い場所ではエネルギーを作れず、株は回復できませんし、新芽も出せません。それどころか、暗い場所は土が乾かず、ジメジメして根腐れや病害虫を誘発する最悪の環境です。
対策: すぐにレースカーテン越しの「明るい日陰」(VI章A参照)に移動させてあげましょう。
原因3:そもそも株が弱っていた(体力がなかった)
前述の「剪定前の健康チェック」を怠り、すでに弱っていた株(病気や根腐れ予備軍)に、とどめの剪定をしてしまったパターンです。
この場合、株には新芽を出す余力が残されておらず、剪定のストレスによって、そのまま枯れ込みが進んでしまうリスクが最も高いです。こうなると回復は非常に困難ですが、原因1と同様に、根腐れを防ぎながら(水やりは超控えめに)株の自己回復力を信じて待つしかありません。
【番外編】剪定しすぎた(丸坊主)場合
樹形をリセットしようと、葉をすべて落とし、幹(丸太)だけの状態、いわゆる「丸坊主」にしてしまったケースです。
状態: これは、植物にとって非常に危険な状態です。光合成を行う「葉」が0枚のため、エネルギー生産ができません。また、水分を蒸散させる「葉」も0枚のため、水分消費もほぼゼロです。株は、幹と根に蓄えられたわずかなエネルギーだけを頼りに生き延び、新芽(不定芽)を出さなければなりません。
最大の敵: この状態で最も危険な行為、それは「水やり」です。水を吸い上げる葉がないため、ほんの少しでも水を与えると、即座に土が過湿になり、根腐れを起こします。
回復方法: 暖かく、明るい場所に置きます。水やりは「絶対に」行わず、土がカラカラに乾ききるのを待ちます。肥料も当然NGです。数週間~数ヶ月単位で、幹肌からポツッと新しい芽(不定芽)が出てくるのを、ひたすら忍耐強く待ちます。小さな新芽が確認できたら、そこからスポイトで水を垂らすような、ごくごく慎重な水やりを再開します。
剪定後の正しい育て方のコツ
剪定後に無事に新芽が出て、その新芽が葉を広げ、株が「回復期」を終えて「再成長」を始めたら、もう安心です。特別な「術後管理」は終わりにして、通常の「ドラセナ・ジェレの基本的な育て方」に戻してあげましょう。
ここではおさらいとして、ドラセナ・ジェレが健康に育つための基本的な管理方法(コツ)をまとめておきますね。
1. 置き場所と日当たり
ドラセナ・ジェレは、熱帯の森林の「やや木陰」に自生しているような植物、とイメージすると分かりやすいです。
- 最適:風通しが良く、直射日光の当たらない「明るい室内」や「レースカーテン越し」の柔らかい光を好みます。耐陰性(暗さへの耐性)も比較的強いので、リビングの奥などでも育ちますが、明るい場所の方が葉色も良く、健康に育ちます。
- 危険(強光):夏の直射日光や、午後の強烈な西日は「葉焼け」(葉が白や茶色に変色し、枯れる)を引き起こすため、絶対に避けてください。
- 危険(弱光):日光が差し込まないほど暗い場所(例:窓のない廊下やトイレ)では、光合成ができず、葉色が悪くなり、ヒョロヒョロと間延びした姿(徒長)になります。また、土が乾かず根腐れや病害虫の原因にもなります。
2. 温度管理(冬越しの注意点)
熱帯原産の植物であり、日本の冬の「寒さ」が大の苦手です。
- 健康維持ライン:安全に冬越しさせるには、最低10℃以上をキープできる室内で管理するのが理想です。
- 生存限界ライン:5℃程度までは耐えることもありますが、これはあくまで「枯れない」ためのギリギリのライン。株は大きなダメージを受け、葉が枯れ落ちたりします。
- 冬の注意点:室内であっても、冬の「窓際」は、夜間は外気と変わらないほど温度が下がります。夜間は窓から離れた部屋の中央などに移動させてあげてください。また、エアコンの暖房の「風」が直接当たる場所も、極度の乾燥を招くため避けてください。
3. 水やり(通常期)
ドラセナ全般に言えることですが、「やや乾燥気味」の管理を好みます。水のやりすぎ(常時湿った状態)は、根腐れの最大の原因です。メリハリが命です。
- 成長期(春~秋):土の「表面」が乾いているのを指で確認したら、鉢底から水が流れるまで「たっぷり」と与えます。そして、受け皿に溜まった水は「必ず」捨ててください。これを怠ると根腐れ直行です。
- 休眠期(冬):成長が鈍るため、水やりの頻度を「控えめに」します。土の表面が乾いてから、さらに数日待つ(土の中までしっかり乾かす)くらいの間隔にし、水やりの回数を減らします。
- 葉水(はみず):エアコンなどで室内が乾燥すると、害虫(特にハダニ)が発生しやすくなります。霧吹きで葉の表裏に水をかける「葉水」を時々(できれば毎日)行うと、湿度を保ち、病害虫の予防にもなって非常に効果的です。
4. 肥料
ドラセナ・ジェレは、観葉植物の中では比較的、肥料をあまり必要としない(肥料なしでも健康的に育ちやすい)品種です。「肥料なしで育てる」ことを基本にしても良いくらいです。
株をより大きくしたい、などの理由で肥料を与える場合は、以下の点に厳重に注意してください。
- 時期:成長期(4月~9月頃)のみにします。
- 禁止時期:夏の猛暑日(植物がバテて吸収できず「肥料焼け」を起こす)と、冬の休眠期(栄養を必要とせず、根が傷む)は、絶対に与えてはいけません。
- 量:緩効性(ゆっくり効くタイプ)の置き肥を2ヶ月に1回程度、または液体肥料を規定の倍以上に薄めて2週間に1回程度が目安ですが、まずは「規定量よりも薄め・少なめ」から始めるのが安全です。
5. 病害虫
ジェレは比較的、害虫が発生しにくい「強い」品種ですが、環境が悪いと発生します。
- 主な害虫:風通しが悪いと「カイガラムシ」(白い綿のような虫)、空気が乾燥すると「ハダニ」(葉の裏に無数の小さな点々)が発生することがあります。
- 予防と対策:こまめな葉水(ハダニ予防)と、風通しの良い管理が基本です。発生したら専用の殺虫剤で駆除するか、カイガラムシの成虫は歯ブラシなどでこすり落とします。
【免責事項】ご注意ください
この記事で紹介している育て方や剪定方法、トラブルシューティングは、あくまで私「まさび」個人の経験や、一般的に知られている園芸情報に基づいた一例です。
植物の健康状態や、お住まいの地域の気候、ご自宅の室内環境(日当たり、風通し、湿度)は、一軒一軒すべて異なります。したがって、この記事で紹介した方法が、すべての環境で100%の成功を保証するものではありません。
植物の管理や剪定の実行は、ご自身の観察と判断に基づき、自己の責任において行っていただくようお願いいたします。
もし、ご自身での判断に迷うような深刻な症状(重度の根腐れや、原因不明の病気など)が見られる場合は、お近くの園芸専門店や、植物に詳しい専門家にご相談されることを強くおすすめします。
ドラセナ・ジェレの剪定:総まとめ
ここまで、非常に長い記事になってしまいましたが、最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
ドラセナ・ジェレの剪定は、確かに初めて行う際は、幹にハサミを入れる瞬間に「えいっ」と目をつむりたくなるような、勇気がいる作業かもしれません。
でも、この記事で私がしつこくお伝えしてきた、いくつかの重要な「基本ルール」さえ守れば、決して難しいものでも、怖いものでもないんです。
剪定成功のための5つの鉄則(総まとめ)
- 【株の状態】元気がない株、弱っている株は絶対に切らない。(II章)
- 【時期】必ず成長期(ベストは5~6月)に行い、冬(休眠期)は絶対に避ける。(III章)
- 【道具と手順】清潔でよく切れる道具を使い、太い幹の切り口には「癒合剤」を塗る。(IV章)
- 【術後管理(置き場所)】剪定後は、直射日光の当たらない「明るい日陰」で休ませる。(VI章A)
- 【術後管理(水やり)】葉が減った分、水の消費も激減。根腐れを防ぐため、水やりは「必ず控えて乾燥気味」に。
この基本さえ押さえておけば、剪定は「株を枯らすリスク」ではなく、「株をより一層カッコよく、健康的に仕立て直すための積極的な手段」になります。
伸びすぎてアンバランスになっていた株が、あなたの手によって切り戻され、数週間後に切り口の下からポツポツと新しい生命(新芽)を吹き、数ヶ月後にはそれが分岐して、以前よりもずっとボリュームのある力強い姿に生まれ変わってくれた時の喜びは、本当に格別ですよ。
この記事が、皆さんのドラセナ・ジェレとの暮らしを、より豊かに、より楽しいものにするための一助となれば、運営者としてこんなに嬉しいことはありません。
ぜひ、勇気を持って、あなたのジェレを最高にカッコいい一鉢に仕立ててあげてください。