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こんにちは。観葉スタイル、運営者の「まさび」です。
毎日お部屋のポトスにお水をあげたり、新芽が出ていないかチェックしたりする時間は、何にも代えがたい癒やしのひとときですよね。私も会社から帰ってきて、リビングのポトスたちが元気にしてくれているのを見ると、一日の疲れがフッと軽くなるのを感じます。
でも、そんなある日、ふと葉っぱに目をやると「あれ?こんなところに茶色いシミがあったっけ?」とか「黒い斑点がポツポツできてる…」なんて異変を見つけて、心臓がドキッとした経験はありませんか。
大切に育てているからこそ、その小さな変化がすごく気になりますし、「もしかして病気?」「このまま枯れちゃったらどうしよう」という不安が一気に押し寄せてくるものですよね。
実は、ポトスの葉に現れるこういった異常には、「炭疽病(たんそびょう)」というちょっと厄介な病気が隠れている可能性があります。
でも難しいのが、根腐れや葉焼け、あるいは寒さによるダメージといった他のトラブルでも、似たような症状が出ることなんです。ここを見誤って間違った対処をしてしまうと、良くなるどころか症状を悪化させてしまうことも…。
そこで今回は、私自身の失敗談や経験も踏まえながら、写真がなくても特徴を捉えられる炭疽病の見分け方や、原因別の対処法について、どこめよりも詳しく、分かりやすくお話ししていきたいと思います。
「枯らしたくない!」というその気持ち、私が全力でサポートしますので、一緒に大切なポトスを守りましょう。
ポイント
- 葉にできた黒い斑点や穴が炭疽病かどうかを写真なしでも見分けるポイント
- 根腐れや葉焼けなど似たような症状との具体的な違いと確認方法
- 市販の殺菌剤を使った治療法と、変色した葉をどう処理すべきかの判断基準
- 再発を防いでポトスを元気に復活させるための置き場所や環境作りのコツ
コンテンツ
症状で判断するポトスの炭疽病の見分け方

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ポトスの葉に異変を感じたとき、まず一番にやるべきなのは「じっくりと観察すること」です。「なんとなく元気がない」で終わらせず、葉の表はどうなっているか、裏側はどうか、茎の状態は…と、探偵になった気分でチェックしてみてください。
炭疽病には、他の生理障害とは明らかに違う「特有のサイン」がいくつか隠されています。ここでは、私が普段チェックしているポイントを、症状の進行レベルに合わせて細かく解説していきますね。
写真でチェックする初期症状の特徴

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病気への対応は、何と言っても「早期発見」がカギです。人間と同じで、初期の段階で気づいてあげられれば、ポトスへの負担も最小限で済みますし、回復も早くなります。では、炭疽病の始まりはどのような見た目をしているのでしょうか。
見逃しやすい「茶色い小斑点」の出現
最初の段階では、葉の表面に針の先で突いたような、あるいはゴマ粒くらいの大きさの「茶色い小斑点」がポツポツと現れます。正直なところ、この段階では「ただの汚れかな?」とか「何かにぶつかって傷がついたのかな?」と思ってしまいがちです。
私自身も昔、「まあ、これくらいなら大丈夫だろう」とスルーしてしまい、後であっという間に広がって後悔したことがあります。
この斑点は円形や楕円形をしていることが多く、最初は葉の一部だけに現れますが、条件が揃うと驚くほどのスピードで数が増えていきます。特に、新芽や若い葉よりも、ある程度成熟した葉や、株の内側にあって風通しの悪い場所にある葉から症状が出始めることが多いですね。
決定的な証拠「黄色いハロー(暈)」
では、単なる物理的な傷と、病気による斑点をどう見分ければいいのでしょうか。ここで一番注目してほしいのが、その茶色い斑点の「周囲」です。
よーく目を凝らして見てみてください。茶色いシミの周りを、ぼんやりとした黄色い輪(ハロー)が囲んでいませんか?
「黄色いハロー」とは?
これは、炭疽病の菌が植物の細胞を攻撃するために出す毒素や、植物自身が菌の侵入を防ごうとして防御反応を起こしているサインだと言われています。つまり、この「黄色い縁取り」があるということは、そこで今まさに「菌と植物の戦い」が起きているという証拠なんです。
もし、何かにぶつけてできただけの傷であれば、傷口が茶色くなることはあっても、その周りが黄色く変色することはほとんどありません。この「黄色いハロー」が見えたら、炭疽病を強く疑って、すぐに対策準備に入りましょう。
葉の裏側も必ずチェックしよう
意外と見落としがちなのが「葉の裏」です。表面にはまだはっきりとした症状が出ていなくても、裏側を見ると小さな斑点ができていることがあります。
水やりの際や、葉水をするときに、葉っぱをめくって裏側もチェックする習慣をつけると、プロ並みの管理ができるようになりますよ。
黒い斑点や葉の穴あきは危険信号
初期症状を見逃してしまったり、対処が遅れてしまったりすると、病気は次のステージへと進行します。こうなると、パッと見ただけでも「痛々しい」と感じるような症状が出てくるので、焦ってしまう方も多いかもしれません。でも、落ち着いて状況を確認しましょう。
同心円状に広がる病斑
初期の小さな斑点は、時間が経つにつれて徐々に大きくなり、隣り合った斑点同士が融合して、不規則な形の大きな茶色いシミ(病斑)へと変化します。
この病斑をよく観察すると、中心から外側に向かって、濃い茶色と薄い茶色が交互に並ぶ「同心円状の模様」が見えることがあります。
これは、木の年輪のような模様で、菌が昼と夜の温度差や湿度の変化に合わせて成長のリズムを変えることでできると言われています。
すべての病斑にはっきりと出るわけではありませんが、もしこの模様が見えたら、炭疽病である可能性は極めて高いと言えます。
ポトス特有の「穴あき(ショットホール)」現象
そして、ポトスの炭疽病で最も特徴的であり、多くの人が「虫食いだ!」と勘違いしてしまう症状が、「葉の穴あき」です。
炭疽病に感染した部分は、細胞が死滅して壊死(えし)してしまいます。壊死した組織は水分を失ってカラカラに乾燥し、非常に脆(もろ)くなります。
まるで枯れ葉のようになったその部分は、少しの風が吹いたり、鉢を動かした振動、あるいは水やりの水圧などが加わったりするだけで、健康な組織との境界線からポロッと抜け落ちてしまうんです。
その結果、葉っぱにまるで散弾銃で撃ち抜かれたような穴が開くことから、「穿孔(せんこう)症状」や「ショットホール」とも呼ばれます。
虫食いとの見分け方
穴が開いていると、どうしても「青虫やナメクジがいるんじゃないか?」と疑ってしまいますよね。でも、以下のポイントをチェックすれば簡単に見分けられます。
- 炭疽病(病気):穴の縁(ふち)が茶色く焦げたように変色している。穴の形が不揃い。
- 害虫(食害):穴の縁がギザギザしていたり、緑色のままだったりする。近くに糞が落ちていることがある。
もし、いくら探しても虫が見当たらないのに、縁が茶色い穴がどんどん増えていくようであれば、それは虫ではなく病気の進行によるものだと判断してください。
間違いやすい根腐れとの違い

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「葉が黒くなる」「元気がなくなる」という症状で一番怖いのが、ポトスを枯らす原因ナンバーワンの「根腐れ」です。
炭疽病だと思って葉っぱのケアばかりしていたら、実は根腐れで、気づいたときには手遅れだった…なんてことになったら悲しすぎますよね。
根腐れと炭疽病は、原因も対処法も全く逆(水を与えるべきか控えるべきかなど)になることがあるので、ここの見極めは非常に重要です。
「上」からの異常か、「下」からの異常か
ざっくりとしたイメージでお伝えすると、炭疽病はカビの胞子が飛んできて付着する「上(葉)」からの感染症であるのに対し、根腐れは土の中の環境が悪化して根っこが窒息・腐敗する「下(根)」からのトラブルです。
そのため、症状の出方に決定的な違いがあります。
| 比較ポイント | 炭疽病(病気) | 根腐れ(管理不良) |
|---|---|---|
| 葉の症状 | 局所的。斑点や穴がある部分以外は、緑色でハリがあることが多い。 | 全身的。下葉から黄色くなったり、葉全体が水っぽく垂れ下がったりする。 |
| 茎の状態 | 硬い。指でつまんでもしっかりとした弾力がある。 | 柔らかい。地際の茎が黒ずんで、つまむとブヨブヨしている。 |
| 土の状態 | 関係なし(ただし多湿を好む)。 | 常に湿っている。数日経っても土が乾かず、カビ臭いにおいがすることもある。 |
| 進行速度 | 比較的ゆっくり。環境次第で止まることもある。 | 急速に悪化し、株全体が倒れるように枯れる。 |
まずは「茎」を触ってみよう
一番確実なのは、株元の茎を指で優しくつまんでみることです。もし、葉っぱに黒いシミがあっても、茎がパンパンに張っていて硬ければ、根っこはまだ元気である可能性が高いです。この場合は炭疽病などの地上部の病気を疑います。
逆に、茎がシワシワだったり、つまむとグニュッと潰れるような感触だったりする場合は、根腐れがかなり進行しています。この場合は、葉の斑点を気にするよりも、水やりをストップして土を乾かすか、緊急の植え替えが必要になります。
根腐れについては、症状別の対処法をまとめた記事がありますので、「もしかして…」と思った方はこちらも合わせて確認してみてください。
ポトスの葉が黄色くなる原因と今すぐできる対処法と元気に戻す育て方
葉焼けによる変色との区別方法
日当たりの良い窓辺でポトスを育てている場合に多いのが「葉焼け」です。強い直射日光は、ポトスの葉の細胞を破壊し、火傷のような症状を引き起こします。これが黒や茶色の斑点に見えることがあり、炭疽病と混同しやすいんです。
「場所」と「履歴」で推理する
葉焼けは、いわば物理的なダメージです。ですから、光が強く当たっていた場所に正直に症状が出ます。
- 窓ガラスに近い側の葉だけが変色している。
- 葉の凸部分や、中心部分が白く抜けたり茶色く焦げたりしている。
- 最近、急に日当たりの良い場所に移動させた。
こういった心当たりがある場合は、葉焼けの可能性が高いです。一方で、炭疽病は場所を選びません。光が当たっていない影の葉や、株の内側の葉にもランダムに斑点が現れます。
菌のサイン「分生子層」を探せ
もう少し専門的な見分け方として、「病斑の上に黒い粒々があるかどうか」を確認する方法があります。
炭疽病の場合、湿度が上がると病斑の表面に、肉眼でもギリギリ見えるくらいの小さな黒い粒(分生子層)が形成されることがあります。さらに湿度が高いと、そこからサーモンピンク色の粘液(胞子の塊)が出てくることもあります。これらは「カビ」そのものです。
葉焼けはただの壊死した組織なので、カビが二次的に発生しない限り、こういった粒々や粘液は見られません。「焦げ跡」のような乾いた質感であれば、葉焼けと考えて良いでしょう。
葉焼けを防ぐ置き場所や、耐陰性についての詳しい解説は、以下の記事も参考にしてください。
ポトスの耐陰性を解説!日陰で育てるコツと対策や植え替え方法も
寒さが原因の変色と見分けるコツ
最後に、冬場によくある「寒害(低温障害)」との見分け方です。ポトスは熱帯生まれの植物なので、寒さにはめっぽう弱いです。だいたい10℃、安全を見るなら15℃を切ると生育が止まり、さらに気温が下がると細胞がダメージを受けます。
季節と環境が最大のヒント
炭疽病の原因菌は、基本的に25℃〜30℃くらいの「高温多湿」な環境を好みます。つまり、人間が「蒸し暑いな〜」と感じるような時期に活発になるんです。逆に、日本の冬の室内のような、低温で乾燥している環境では活動が鈍ります。
ですので、もし冬場に葉が黒く変色した場合は、病気よりも寒さが原因である可能性が圧倒的に高いです。特に、以下のような状況ではありませんか?
- 夜間、窓際に置きっぱなしにしている(窓際は外気と同じくらい冷えます)。
- 暖房を切った部屋の温度が5℃近くまで下がっている。
- エアコンの温風が直接当たっている(これは乾燥によるダメージも加わります)。
寒害の症状の特徴
寒さでやられた葉は、斑点というよりは、葉の縁からじわじわと黒ずんできたり、葉全体が水を含んだようにグズグズに黒変(水浸状)したりすることが多いです。そして、株全体がなんとなく元気がなくなり、成長が完全にストップします。
もし冬場に黒い変色を見つけたら、まずは慌てて薬をまくのではなく、部屋の中央や高い位置(冷気は下に溜まるので)など、少しでも暖かい場所に移動させて様子を見てあげてください。
ポトスの炭疽病の見分け方と治療の手順

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観察の結果、「これはやっぱり炭疽病の症状と一致する…」と判断できたら、次は治療のステップです。病気と聞くと怖くなってしまうかもしれませんが、炭疽病は初期〜中期であれば十分にリカバリーが可能です。
ただし、自然に治ることはまずありません。「そのうち良くなるかな」と放置していると、健康な葉にどんどん飛び火して、最悪の場合は株全体が丸裸になってしまうことも…。
そうなる前に、ここでしっかりと食い止めましょう。私が実際に行っている、効果的な治療手順をステップバイステップでご紹介します。
原因はカビ?発生する理由を解説
敵を倒すには、まず敵を知ることから始めましょう。なぜ、あなたのポトスに炭疽病が発生してしまったのでしょうか。
真犯人は「カビ(糸状菌)」
炭疽病を引き起こすのは、専門的には「コレトトリクム(Colletotrichum)」属などと呼ばれる、カビ(糸状菌)の仲間です。このカビの胞子は、実は空気中や土壌など、私たちの身の回りのどこにでも潜んでいる可能性があります。
通常、ポトスが健康で、葉の表面を覆うクチクラ層などがしっかりしていれば、菌が付着しても簡単には侵入できません。菌も植物の防御力には勝てないんですね。
しかし、環境条件が悪化したり、植物がストレスを感じたりすると、パワーバランスが崩れて発病してしまいます。
カビが喜ぶ「魔のトライアングル」
炭疽病が発生しやすい条件は、主に以下の3つが揃ったときです。
- 高温多湿:気温が20℃〜30℃で、湿度が非常に高い状態。特に梅雨時期や秋の長雨シーズンは要注意です。
- 風通しの悪さ:葉が茂りすぎて空気が淀んでいると、葉の周りに湿気がこもります。これが胞子の発芽に必要な水分を提供してしまいます。
- 植物の軟弱化:ここが意外な落とし穴なのですが、「肥料のあげすぎ(特にチッ素分)」は逆効果になります。チッ素過多になると、植物は急激に成長しようとして細胞壁が薄く、柔らかくなってしまいます。カビからすれば「柔らかくて美味しい、侵入しやすい壁」になってしまうわけです。
注意!
「元気がないから肥料をあげよう!」というのは、病気の時は絶対にNGです。風邪をひいて胃腸が弱っている人にステーキを食べさせるようなもので、かえって負担をかけてしまいます。
効果的な市販の殺菌剤や薬の選び方

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原因がカビ(真菌)である以上、最も確実な対処法は「殺菌剤」を使用することです。環境改善も大切ですが、すでに発病している場合は薬の力を借りて、菌の増殖を物理的に叩く必要があります。
ホームセンターや園芸店に行くとたくさんの薬が並んでいて迷ってしまうと思いますが、ポトスの炭疽病に効果的で、一般家庭でも使いやすい代表的なお薬を2つご紹介します。
1. 予防と拡散防止の「TPN剤(STダコニール1000など)」
一つ目は、KINCHO園芸さんなどから出ている「STダコニール1000」などのTPN剤です。
- 特徴:「保護殺菌剤」と呼ばれ、葉の表面に殺菌成分のバリアを張ることで、新たな菌の侵入や胞子の発芽を防ぎます。
- 使いどころ:まだ症状が軽い初期段階や、他の葉への感染を防ぐ「予防」として非常に優秀です。耐性菌(薬が効かない菌)ができにくいのもメリットです。
- 注意点:植物の中には浸透しないので、雨や水やりで流れてしまうと効果がなくなります。定期的に散布し直す必要があります。
(出典:KINCHO園芸『STダコニール1000』製品情報)
2. 治療効果が期待できる「ベノミル剤(GFベンレート水和剤など)」
二つ目は、同じくKINCHO園芸さんの「GFベンレート水和剤」などのベノミル剤です。
- 特徴:「浸透移行性殺菌剤」といって、成分が葉や根から吸収され、植物の体内を巡ります。菌の細胞分裂を阻害して、内側から退治する効果があります。
- 使いどころ:すでに病斑が出てしまっている場合の「治療」に適しています。菌が組織の奥に入り込んでいても効果が届きやすいのが強みです。
上手な使い方のコツ
これらの薬剤は、水で薄めて霧吹きなどで散布します。ポイントは、「葉の裏側にもたっぷりとかける」ことです。気孔など、菌の侵入口になりやすい場所もしっかりカバーするため、薬液がしたたり落ちるくらい十分に散布しましょう。
また、同じ薬ばかり使い続けると菌が慣れてしまって効かなくなることがあるので、ダコニールとベンレートを交互に使う(ローテーション散布)のが、プロも実践するテクニックです。
変色した葉は切るべきかの判断
薬剤を用意したら、次に直面するのが「この変色した葉っぱ、どうしよう?」という問題です。愛着のあるポトスの葉を切るのは心が痛みますよね。できることなら残しておきたいと思うのが親心です。
ですが、結論から申し上げますと、「病斑がある葉は、見つけ次第すべて切除する」のが正解です。
なぜ切らなければならないのか?
理由は2つあります。
- 元には戻らないから:一度炭疽病で壊死して茶色くなった細胞は、どんなに優れた薬を使っても再生しません。緑色に戻ることはないのです。
- 最大の感染源になるから:これが一番の理由です。病斑部分には、数億個とも言われるカビの胞子が潜んでいます。残しておくと、そこから胞子がシャワーのように降り注ぎ、下の葉や周りの植物へと感染を広げてしまいます。
心を鬼にして、症状が出ている葉は茎の付け根から清潔なハサミでカットしてください。「トカゲの尻尾切り」ではありませんが、株全体を守るための勇気ある決断が必要です。
切った葉の処分について
切った葉をその辺の土の上に放置するのは絶対にやめてください。死んだ葉の中でも菌は生き続け、そこからまた胞子を飛ばします。切った葉はすぐにビニール袋に入れて密封し、燃えるゴミとして処分しましょう。
ハサミの消毒も忘れずに
病気の葉を切ったハサミには、菌が付着しています。そのまま健康な葉を切ると、ハサミを通じて病気を移してしまう(機械的伝染)ことになります。使用前後は、ライターの火で炙るか、アルコール消毒液で拭くなどして、必ず殺菌するようにしましょう。
他の植物にうつるのを防ぐ対策
炭疽病は、ポトスだけの病気ではありません。ゴムの木、モンステラ、ドラセナなど、多くの観葉植物に感染する可能性があります。「気づいたら部屋中の植物が斑点だらけ…」なんて悪夢を防ぐために、二次感染の防止策を徹底しましょう。
鉄則は「隔離(アイソレーション)」
病気のポトスを見つけたら、すぐに他の植物から離してください。理想は別の部屋に移すことですが、難しければ少なくとも葉っぱ同士が触れ合わない距離(できれば1メートル以上)を確保します。
水やりの順番と方法を変える
菌は水滴に乗って移動します。水やりの際は、以下の点に注意してください。
- 順番:「健康な植物」→「病気のポトス」の順で水やりをする。逆だと、手やジョウロについた菌を健康な株に広げてしまうかもしれません。
- 方法:上からジャバジャバかけない。泥はねや水跳ねが葉裏につくと感染の原因になります。ジョウロの先を株元に近づけ、土に直接静かに注ぐようにします。
また、病気が落ち着くまでは、葉水(霧吹き)も控えたほうが無難です。湿度を高めることはポトスにとって良いことですが、病原菌にとっても好都合な環境を作ってしまいます。
復活させるための環境改善と予防

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悪い葉を取り除き、薬を撒いたら、最後は「再発させないための環境づくり」です。炭疽病菌が嫌がる環境、つまり「風通しが良く、葉が濡れっぱなしにならない環境」を作ることが、最高の予防薬になります。
サーキュレーターは最強の武器
室内で育てる場合、どうしても空気が滞留しがちです。そこで活躍するのが「サーキュレーター」です。直接植物に強風を当てる必要はありません。部屋の空気がなんとなく動いているな、と感じる程度に空気を循環させてあげるだけで十分です。
空気が動くことで、葉の表面にある「葉面境界層」という湿度の高い膜が破壊され、葉が適度に乾燥します。これだけで、胞子の発芽率を劇的に下げることができるんです。
剪定で風の通り道を作る
ポトスが元気に育って葉がワサワサと茂っているのは嬉しいことですが、あまりに密集しすぎていると、株の内側が蒸れて病気の温床になります。
重なり合っている葉や、古くなって黄色くなりかけた下葉は適度に間引き(剪定)して、株全体に光と風が行き渡るようにしてあげましょう。
剪定の方法や、カットした元気な枝を使った増やし方などは、基本的な育て方の記事でも触れていますので、環境改善の参考にしてみてください。
ポトスの育て方を室内で失敗しないための基礎知識と成功ポイント
ポトスの炭疽病の見分け方のまとめ
今回は、ポトスの葉に現れる厄介な炭疽病の見分け方と、再発を防ぐための具体的な対処法についてお話ししました。少し長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださったあなたは、もう立派な「ポトスのお医者さん」です。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
炭疽病対策のチェックリスト
- 初期症状:茶色い小斑点と、その周りの「黄色いハロー(輪)」を見逃さない。
- 進行症状:同心円状の模様や、組織の脱落による「穴あき」が発生したら要注意。
- 見分け方:根腐れとは「茎の硬さ」で、葉焼けとは「黒い粒々(カビ)の有無」で区別する。
- 治療の3ステップ:
- 病変部を躊躇なく切除する。
- ダコニールやベンレートなどの殺菌剤を散布する。
- サーキュレーター等で風通しを良くし、湿度を管理する。
「病気になっちゃった…」と落ち込む必要はありません。植物を育てていれば、病気や害虫トラブルは誰にでも起こることです。大切なのは、気づいたときにどう動くかです。
早期に発見して適切なケアをしてあげれば、ポトスは驚くほど強い生命力で応えてくれます。またすぐに、あのツヤツヤとした美しい緑色の葉を広げてくれるはずですよ。私自身も何度か失敗を経験しましたが、そのたびに環境を見直す良いきっかけになりました。
この記事が、あなたの不安を解消し、大切なポトスを救う手助けになれば、これほど嬉しいことはありません。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。あなたのポトスが、一日も早く元気になりますように!