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室内のインテリアグリーンとして人気の高いモンステラですが、モンステラの葉っぱを増やすには?と考えている方の中には、思うように葉が育たず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
元気ない様子が続いたり、葉が黄色や黒くなる、あるいは葉っぱが割れないまま終わってしまうなど、育成に関するトラブルは意外と少なくありません。
この記事では、モンステラの葉を健康的に育てて増やすための基礎知識と、挿し木・水差し・株分け・気根から増やすといった増殖方法について詳しく解説します。
さらに、「モンステラの葉は何枚残せばいいですか?」「モンステラは水やりを何日おきにすればいいですか?」といったよくある疑問にもお答えしながら、初心者にもわかりやすくポイントをまとめました。
モンステラをもっと美しく、元気に育てたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
ポイント
- 葉が増えない原因と環境の見直し方
- 黄色や黒くなる葉の対処法と予防策
- 水やりや葉の枚数など日常管理のコツ
- 挿し木や水差しなど葉を増やす増殖方法
Contents
モンステラの葉っぱを増やすための基本知識

観葉スタイル・イメージ
- 元気ないと感じたら見直すべき点
- 葉が黄色になる原因と対処法
- 葉が黒くなる理由と防ぐ方法
- 葉っぱが割れない原因とは
- モンステラの葉は何枚残せばいいですか?
元気ないと感じたら見直すべき点

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モンステラの様子がいつもと違い「元気がない」と感じた場合、最初に確認すべきなのは「環境」と「日常の管理方法」です。多くのケースで、光・水・温度・風通しのいずれか、または複数が合っていない可能性があります。
光不足がモンステラに与える影響
まず光の量を見直してみましょう。モンステラは耐陰性があるとはいえ、本来は明るい環境を好む植物です。直射日光は避けつつも、レースカーテン越しに柔らかく日が差し込む場所が理想です。
暗すぎる場所に置かれていると、光合成が不十分になり、葉の色が悪くなったり新芽が出にくくなったりすることがあります。
次にチェックしたいのが水やりの頻度です。多すぎる水は根腐れの原因になりますし、少なすぎれば乾燥で元気がなくなります。
春から秋の成長期は土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水を与え、冬場は控えめにするのが基本です。鉢底から水が出るまでしっかり与えたあと、水受け皿の水は捨ててください。
根詰まりや鉢の環境にも注意
さらに、鉢の中の状態も重要です。長年植え替えをしていない場合、根詰まりを起こしている可能性が高く、吸水や通気がうまくいかなくなってしまいます。
鉢底から根が出ていたり、水が染み込みにくくなっているなら、植え替えを検討しましょう。
また、冷暖房の風が直接当たる位置に置いていないかも見直すべきポイントです。乾燥や温度変化がストレスになり、葉が垂れたり元気を失ったりする原因になります。
このように、環境と日々の管理を一つひとつ見直すことで、モンステラの不調の原因を突き止めやすくなります。目に見える部分だけでなく、根や鉢の中の状態にも目を向けて、総合的なケアを心がけましょう。
葉が黄色になる原因と対処法

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モンステラの葉が黄色くなったときは、何らかのストレスを受けているサインです。見た目の変化だけで判断するのではなく、植物が置かれている環境や日常のケア方法を丁寧に確認することが大切です。
水分管理のミスが黄色化の原因に
葉が黄色くなる主な原因と対処法まとめ
原因 | 見られる症状 | 対処法 |
---|---|---|
水のやりすぎ | 全体的に黄色、根腐れ、カビ臭 | 土を乾かし、水やりの頻度を減らす |
水不足 | 葉の先がパリパリ、下葉から黄変 | 鉢底から流れるまで水をしっかり与える |
日照不足 | 黄緑〜黄色に全体が変色 | 明るい場所に移動(レース越しが理想) |
肥料の与えすぎ | 葉が柔らかく黄色くなる | 水で鉢内の肥料を流し出し様子を見る |
まず考えられる原因のひとつが「水のやりすぎ」です。根が常に湿った状態だと酸素不足により根腐れを起こし、葉が黄色く変色することがあります。
このような場合、鉢の中がぬかるんでいたり、カビのような臭いがしたりすることが多いです。土の乾き具合を確認し、今後は「土の表面が乾いてから水を与える」ように調整しましょう。
一方で「水不足」も黄色化の要因になります。特に夏場に水やりを忘れてしまった場合、葉が下から順に黄色くなっていく傾向があります。
鉢が軽くなっていたり、葉の先がパリパリになっていれば水切れの可能性が高いでしょう。このときは、鉢の底から水が流れるまでたっぷり水を与え、日陰で様子を見るようにしてください。
他にも「光の量」が関係していることもあります。日照不足の環境では、モンステラの葉色が薄くなったり、全体が黄緑から黄色に変化したりすることがあります。
レース越しの柔らかい光が入る場所に移動させて、徐々に明るさに慣らしていきましょう。
肥料の量と葉の色の関係
さらに、肥料の過不足も影響します。特にチッ素の過剰投与は葉を軟弱にし、黄色くなる原因になることがあります。
成長期に適量の肥料を与えることが大切で、肥料を与えすぎたと感じる場合は、一度水でしっかりと鉢内の肥料分を洗い流しましょう。
黄色くなった葉は元には戻りませんので、他の葉への影響を防ぐためにもカットしてしまうのが基本です。そして、再発防止のためにも、日々の環境を見直しながら育てていきましょう。
葉が黒くなる理由と防ぐ方法

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モンステラの葉が黒く変色してしまう場合、その原因は「物理的なダメージ」か「根の状態」によるものが多いです。特に黒くなる症状は葉の一部に現れることが多く、進行すると全体に広がるため、早めの対処が必要です。
寒さによる黒ずみのリスク
まず代表的な原因は「寒さによる障害」です。モンステラは熱帯地域原産の植物であり、寒さに弱いため、冬の室温が5℃を下回ると葉がダメージを受けて黒くなってしまうことがあります。
窓際などで冷気が当たる場所に置いている場合、夜間の冷え込みによって黒斑が出るケースも珍しくありません。これを防ぐには、夜間だけでも部屋の内側に鉢を移動させるなどして、急激な温度変化を避けることが重要です。
次に考えられるのが「根腐れ」です。過湿状態が続くと根に酸素が届かなくなり、根の機能が低下して水分や栄養をうまく吸えなくなります。
その結果、葉先や葉縁から黒ずみが発生するのです。この場合、根を確認して黒く変色していたり異臭がある場合は、植え替えと同時に傷んだ根を剪定し、新しい土に入れ替える必要があります。
日差しによる葉のダメージにも注意
また、「直射日光による葉焼け」も黒斑の原因になります。特に春から夏にかけて、急に強い光に当たると葉が焼けてしまい、黒く変色することがあります。
対策としては、直射日光が当たらない場所に移動させ、カーテン越しの柔らかい光で慣らしていくのが理想です。
その他、「肥料の濃度が高すぎる」と、根にダメージが加わって葉が黒ずむこともあります。与える際は必ず規定量を守り、与えすぎた場合は水で薄めるか、しばらく肥料を控えて様子を見ましょう。
葉が黒くなる現象は、見た目に大きな影響を与えるだけでなく、根や全体の健康状態を示す重要なサインでもあります。小さな変化も見逃さず、日々の観察を続けていくことが、長く元気なモンステラを育てるための鍵になります。
葉っぱが割れない原因とは

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モンステラの葉に見られる特徴的な切れ込みや穴は、多くの人が魅力を感じるポイントです。
しかし、中には「なかなか葉が割れない」「切れ込みのない丸い葉ばかり出る」といった悩みを持つ方もいます。このような状態には、いくつかの明確な原因が考えられます。
日照不足が切れ込みに影響する理由
葉が割れない原因と対策一覧
原因 | 状態の例 | 対策方法 |
---|---|---|
日照不足 | 丸い葉ばかりになる | より明るい場所へ移動、ライト活用も可 |
若い株 | 切れ込みがない葉が続く | 成長を待つ、焦らず継続管理する |
肥料不足 | 葉が小さく、成長が遅い | 成長期に適量の肥料を与える |
根詰まり | 鉢がパンパン、葉に元気がない | 植え替えで根の環境を改善 |
まず最も大きな要因は「日照不足」です。モンステラは比較的耐陰性がある植物ですが、光が不足すると葉が十分に発育せず、切れ込みのない丸い形のままで終わってしまうことがあります。
明るい場所で育てているつもりでも、室内の奥まった位置や北向きの部屋では光量が足りていないこともあります。対策としては、日中にしっかり明るさの確保できる場所、もしくは植物育成ライトの使用を検討してみてください。
もう一つの要因として「株の成長段階」が挙げられます。実は、モンステラの若い株ほど切れ込みのない葉を出しやすく、株が成熟するにつれて徐々に割れ目のある葉が出てきます。
そのため、ある程度の大きさに育つまでは根気よく世話を続ける必要があります。焦らず育成を続けることで、将来的に切れ込みの入った立派な葉が展開される可能性が高まります。
栄養と鉢環境の見直しも重要
また、「肥料不足」や「根詰まり」も間接的な原因になります。栄養が不足していると葉の成長が不十分になり、根が鉢の中で詰まっていると水分や養分の吸収効率が低下してしまいます。
このような場合には、適切な時期に肥料を与えたり、2~3年に一度のペースで植え替えを行ったりすることが大切です。
このように、葉が割れない原因は環境や成長状態、管理方法にあります。条件が整えば自然と切れ込みのある葉が育つようになるため、まずは光・水・栄養のバランスを見直し、植物が持つ本来の力を引き出してあげましょう。
モンステラの葉は何枚残せばいいですか?

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モンステラの管理において、「葉をどれくらい残すべきか」という疑問を持つ方は少なくありません。見た目のバランスだけでなく、植物の健康にも関わるポイントなので、正しく理解しておくことが重要です。
葉と根のバランスを意識することが大切
基本的には、モンステラの葉の枚数に明確な「適正数」は存在しません。しかし、葉の数は根の量と密接に関係しています。
根が健康でしっかりと張っていれば、それに見合うだけの葉を維持できますが、逆に根が弱っていたり、植え替え直後でダメージを受けている状態であれば、葉の数を少し減らすことで負担を軽減できます。
例えば、剪定後に根の量が明らかに減った場合や、植え替えで根を多くカットした際などは、古くなった葉や傷んだ葉を数枚落としておくと、新しい環境に適応しやすくなります。
植物は、根と葉のバランスを保とうとする性質があるため、葉が多すぎると水分や栄養を十分に送れず、かえって全体が弱ってしまうこともあります。
一方で、元気な株に関しては無理に葉を減らす必要はありません。むしろ、古い葉でも光合成を行っている場合は植物の栄養源になっているため、見た目を気にしすぎて頻繁に取り除くのは避けた方が良いでしょう。
葉先が少し傷んでいる程度なら、切り取らずにそのまま残しておくことが植物にとってプラスになる場合もあります。
剪定が新葉の促進につながることもある
また、剪定によって一時的に葉を減らすことで、新しい葉の展開が促進されることもあります。これは植物が「葉が足りない」と判断し、新芽を出そうとする反応によるもので、特に春から夏の成長期には効果的です。
ただし、やりすぎると逆効果になるため、様子を見ながら慎重に行うようにしましょう。
モンステラの葉は「何枚残すか」ではなく、「今の根や株の状態に合った枚数であるかどうか」が大切です。葉と根のバランスに注目しながら、状況に応じて調整していくのが健やかな育成のポイントです。
モンステラの葉っぱを増やす増殖テクニック

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- モンステラは水やりを何日おきにすればいいですか?
- 挿し木で葉を増やす方法
- 水差しで育てる際のコツ
- 株分けで葉を増やすやり方
- 気根から増やすと育ちやすい理由
モンステラは水やりを何日おきにすればいいですか?

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モンステラの水やり頻度は、季節や置き場所、鉢のサイズなどによって異なります。日数で一概に「何日おき」と決めるのではなく、土の状態を見ながら調整することが大切です。
成長期と休眠期で水やりを変える
基本的には、春から秋にかけての成長期は「土の表面が乾いたら水をたっぷり与える」が基本になります。
季節ごとの水やり目安一覧
季節 | 頻度の目安 | 注意点 |
---|---|---|
春(4~5月) | 4〜5日に1回 | 成長期のスタート。乾いたらたっぷりと。 |
夏(6~8月) | 2〜3日に1回 | 乾燥しやすいため早朝に水やりを。 |
秋(9~10月) | 5〜7日に1回 | 成長が鈍るため徐々に頻度を減らす。 |
冬(11~3月) | 10〜14日に1回 | 休眠期。土が乾ききったら少量与える。 |
目安としては、3〜5日に1回程度ですが、室温や湿度によって前後するため、手で土に触れて乾きを確認する習慣をつけると安心です。特に夏場は乾燥が早いため、2日に1回の水やりが必要なケースもあります。
一方で、冬は休眠期に入るため、水の吸収が鈍くなります。この時期は土が完全に乾いてから1〜2週間おきの水やりで十分です。
寒い時期に水を与えすぎると、鉢の中で水分が滞留し、根腐れの原因になることがあります。さらに気温が5℃を下回る環境では、根が傷むリスクも高くなるため注意が必要です。
鉢の素材と水の蒸発スピードにも注目
また、鉢の大きさや素材によっても乾き方に差が出ます。素焼きの鉢は通気性が良いため水分が蒸発しやすく、プラスチック鉢や陶器鉢に比べて頻繁な水やりが求められる場合があります。
受け皿に溜まった水は根腐れの原因になるため、必ず捨てるようにしましょう。
こうした点を踏まえ、日数だけで管理するのではなく、「土の乾き具合」を優先的に見るようにしてください。葉の様子や鉢の重さからも水切れのサインは判断できます。
季節の変化に応じて水やりの頻度を柔軟に調整することが、モンステラの健康な生長を支えるポイントです。
挿し木で葉を増やす方法

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モンステラを効率よく増やしつつ、新しい葉を育てたい場合には「挿し木」が非常に有効です。この方法は初心者でも比較的取り組みやすく、成功率も高いため、ぜひチャレンジしてみる価値があります。
挿し木の基本と適切な時期
挿し木とは、親株から切り取った茎を新たな鉢に植え付けて発根させる増殖方法です。適した時期は5月〜7月ごろで、気温が20℃以上ある時期に行うと発根しやすくなります。
作業に適した茎は、気根がついていて元気な葉を1〜2枚つけている部分が理想です。
モンステラの挿し木に適した茎の特徴
チェック項目 | 推奨される状態 |
---|---|
気根の有無 | 気根がついている(発根を助ける) |
茎の長さ | 2~3節(15〜20cm程度) |
葉の数 | 1〜2枚(多すぎないこと) |
茎の色・状態 | 茶色くない、しっかりとした緑色 |
切り口処理の有無 | 斜めにカット+発根促進剤で処理 |
気根は土に挿したときに発根の助けになるため、できるだけ残すようにしましょう。
切り取った茎は、2~3節を目安にカットし、切り口に発根促進剤を塗ってから赤玉土など清潔な土に挿します。
茎を深く埋めすぎると腐敗の原因になるため、気根が半分程度埋まる深さで十分です。また、挿し木は根がない状態なので、風で倒れないように支柱を立てるのも効果的です。
管理と水やりのポイント
植え付けたあとは、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。水は土が乾かないようにこまめに与えつつ、過湿には注意してください。1ヵ月ほど経つと新しい葉が展開し始め、順調に育てばその後の成長もスムーズになります。
ただし、挿し木の成功率は茎の状態や環境に左右されるため、失敗することもあります。そのため、複数の挿し穂を同時に試すことでリスクを減らすことができます。
このように、挿し木はモンステラを増やしながら新しい葉を楽しめる実用的な方法です。気軽に試しつつ、徐々にコツを掴んでいくと良いでしょう。
水差しで育てる際のコツ

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モンステラの水差しは、初心者にも始めやすい増やし方として人気です。見た目も美しく、インテリア感覚で育てながら発根の様子を観察できるのが魅力ですが、成功させるためにはいくつかのポイントがあります。
水差しに適した茎と準備の仕方
まず、水差しに使う茎は「気根」がついているものを選びます。気根とは、茎から伸びる茶色い根のような突起で、水に浸けると発根しやすくなります。
茎をカットする際は、葉を1〜2枚残し、長さは15〜20cm程度が扱いやすいサイズです。切り口は斜めにすると水を吸いやすくなるため、カット時には園芸バサミなどで丁寧に処理してください。
容器は清潔なガラス瓶やプラスチックカップなどでOKですが、底が見える透明な容器を使うと、根の伸び具合を視覚的に楽しむことができます。
水はカルキ抜きした常温の水を使用し、できる限り毎日取り替えるようにしましょう。水が汚れていると雑菌が繁殖し、発根を妨げる可能性があるため注意が必要です。
設置場所にも工夫が必要です。直射日光を避けつつ、明るい場所に置くことが理想です。
窓辺のレース越しの光や、明るい室内照明のそばであれば順調に育ちます。一方、暗すぎる場所では発根が遅れたり、葉が黄変したりすることがあります。
発根のタイミングと土への植え替え方
発根にはおよそ1〜3週間かかります。根が5cmほどに育ったら、土に植え替えるタイミングです。根が長くなりすぎると、鉢に移した際に絡まりやすくなるため、植え替えの時期は見極めが大切です。
水差しのままでも数週間〜数ヶ月楽しめますが、最終的に土に移した方が長期的な育成には向いています。根が育ってきたら清潔な観葉植物用の土を使って鉢上げし、日陰で様子を見ながら徐々に通常の管理へと移行していきましょう。
こうして水差しを適切に行えば、モンステラをインテリアとして楽しみながら、新しい株へと成長させることができます。コストをかけずに始められるのも、大きなメリットのひとつです。
株分けで葉を増やすやり方

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モンステラを効率よく増やしたい場合、「株分け」は非常に実用的な方法のひとつです。とくに大きく成長した株や、根元から複数の茎が伸びてきている場合には、株分けによって新しい鉢をいくつも作ることが可能です。
株分けできるかの見極め方
まず株分けを行う前に確認すべきなのは、モンステラに「複数の株」が存在しているかどうかです。1本の茎だけでは株分けはできませんが、地面から別の茎が生えている状態であれば分けるチャンスです。
また、適切な時期は生育期である5月〜9月。この期間であれば、株がダメージを受けても回復しやすく、新しい環境にも早く馴染みます。
作業前には1週間ほど水やりを控えて、土を乾燥させておくと株を取り出しやすくなります。
鉢からそっと株を引き抜いたら、根に付いた古い土を手でやさしく落とします。このとき、無理に引きちぎると根を傷めてしまうため、丁寧に行うことが重要です。
根が絡まっている場合は、時間をかけてゆっくりとほどき、ハサミやナイフでそれぞれの株を切り分けていきます。茶色く変色した古い根は、このタイミングでカットしておきましょう。
植え付け後のケアと管理方法
分けた株は、新しい観葉植物用の土と鉢にそれぞれ植え付けます。鉢底に軽石や鉢底石を入れて排水性を高めるのも忘れないようにしてください。
植え付け後は、直射日光を避けた風通しの良い場所に1週間ほど置き、根が落ち着いてから水やりを再開します。
株分けのメリットは、新しい鉢にした瞬間から根が付いているため、挿し木や水差しよりも安定して育てやすい点です。ただし、株に大きな負担をかける作業でもあるため、頻繁には行わず、数年に一度を目安にするのがよいでしょう。
このように、株分けはモンステラの増殖と同時に、根詰まりや成長バランスのリセットもできる非常に理にかなった方法です。丁寧に手順を踏めば、新しい葉も展開しやすく、健康なモンステラを複数育てることができます。
気根から増やすと育ちやすい理由

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モンステラの増やし方にはさまざまな方法がありますが、その中でも「気根(きこん)を活かした増やし方」は、非常に育てやすく成功率が高い方法として注目されています。
これは、モンステラが持つ独自の生態的な特徴を活かした増殖テクニックです。
モンステラ特有の気根とは何か?
気根とは、茎から空中に向かって伸びる茶色の根のような器官で、もともとは湿度の高い熱帯の森で空気中から水分を取り込んだり、他の木に絡みついて自立するための役割を果たしていました。
これを活用すれば、土や水に触れた瞬間に発根しやすくなるという大きな利点があります。
挿し木や水差しの際に気根がついている茎を使うと、発根のスピードが格段に早まります。根を一から出す必要がないため、植物への負担も少なく、腐りにくいのが特徴です。
特に水差しでは、数日から1週間で白くて細い根が出てくることが多く、失敗のリスクを大きく減らすことができます。
気根を使った挿し木・水差しの利点
さらに、気根はそのまま土に植え込むことが可能です。土に入れておくだけで自然と根のような働きをしてくれるため、植え替えや挿し木後の安定性が高まります。
通常の茎のみでの挿し木では、根が出るまでの間に腐敗する可能性もありますが、気根があることでその心配が少なくなるのです。
ただし、気根がついているからといって、必ず成功するわけではありません。切り口が不衛生であったり、水が汚れていたりすると腐ってしまうことがあります。そのため、清潔な道具を使い、管理環境を整えることも大切です。
このように、モンステラの気根はただの見た目の特徴ではなく、実用的な増殖ツールでもあります。自然のしくみをうまく取り入れることで、より確実に、そして簡単に新しい株を育てることができるのです。
これからモンステラを増やしたいと考えている方にとって、気根を活用する方法は、非常に有効な選択肢になるでしょう。
モンステラの葉っぱを増やすために押さえたいポイント
この記事をまとめます
- 明るい環境で管理すると葉の成長が促進されやすい
- 水のやりすぎや乾燥が葉の不調の原因になることがある
- 寒さや冷風によって葉が黒く変色することがある
- 日照不足や若い株では葉に切れ込みが入りにくい
- 肥料の過不足は葉色の変化や成長不良を引き起こす
- 根詰まりは吸水や栄養吸収を妨げるため早めの植え替えが必要
- 剪定後は根と葉のバランスを意識して葉数を調整する
- 水やりは土の乾き具合を見て行い、季節で頻度を調整する
- 挿し木は気根付きの茎を選ぶと発根が早く安定しやすい
- 水差しでは清潔な容器と水の管理が成功のカギとなる
- 株分けは根が増えてきたタイミングで行うと分けやすい
- 気根を利用すれば失敗しにくく、発根しやすい増やし方が可能
- 黄色い葉は原因に応じて対処し、他の葉への影響を防ぐ
- 黒くなった葉は根や光、肥料の状態を総合的に見直すべき
- 育成ライトや支柱を取り入れることでより良い環境を作れる